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贈与契約

行政書士講座のレッスンノート

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おつかれ様でした。本日は、前回分の補足訂正からお話いたしました。前回ノートの以下のセンテンス、”・・・・この時点では、「売買契約固有の問題かも」と、危険負担の一覧表が頭をよぎるかもしれません。ところが・・・”このくだり、危険負担が「売買契約固有の問題」としてしまうと、このあと続く、「同時履行の抗弁」の話とつじつまが合わなくなってしまいます。危険負担も「双務契約」の性質から導かれる概念ですので、不正確な表現です。従って、前回の当該解説部分は「撤回」します。すいませんでした。話のついでに、「危険負担」の代わりに「瑕疵担保責任」であればどうでしょうか。これは有償契約から導きだされる概念ですよね。かつ、問題文柱の目的物を持参するとの表現との関連性から今ひとつしっくりこないでしょう。・・・やはり、話の枕にするには無理がありますね。
さて、今回の民法過去問ですが、不動産の贈与契約がとりあげられています。テキストをみると、論点がいくつかあり、掲載頁も少ないものです。上記、売買契約が「双務」「有償」「諾成」に対し、贈与契約は原則、「片務」「無償」「諾成」という性質を有しています(549)。ここでも、各選択肢をみると「例外」が問われています。以下、贈与契約の「原則」と「例外」についてポイントをまとめてみました。
●書面の扱い①「書面」による場合は「撤回」不可です(550反対)。ここで「書面」とは、タイトルに「贈与契約」と謳っていなくても、かつ、一見売買が行われたであろう書類が残っていても、かまわないという判例があります(詳細要検討・大ct15.4.7)。②口頭であっても、履行が終わっているものについては「撤回」不可です(550但書)。ここで、目的物が不動産の場合の履行が終わっている状態とは「移転登記」だけでなく「引渡」も含まれます(scs40.3.26)。「引渡」ですので、占有改定(183)等もテキスト等で、確認しておきましょう。
●死因贈与 ”自分が死んだら、○○をあげる”そして、相手方もその内容を了承する、そんな状況です。この場合に「書面」でなされた場合でも、遺贈の規定が準用されるため、「撤回」はいつでもできます(554準用1022)。この局面では、相続法的な原則が優先します(scs47.5.25)。
●負担付贈与 相手方にも債務を負わせることを内容とした贈与契約のことをいい、双務契約の規定が準用されます(553)。従いまして、相手方が扶養する債務を履行しない場合には「書面」でなされた贈与契約であっても、債務不履行に基づく解除ができます(scs53.2.17)。「解除」の効果として、各当事者に原状回復義務等が生じますので、不動産建物についての贈与はしなくてよいことになります(545等)。
○では、負担付き死因贈与の場合はどう考えればよいのでしょうか?いいかえると相続法的な考え方と双務契約から生じる公平の要請が競合する場合にはどちらを優先すべきでしょうか。結論からいうと、特段の事情がない限り、双務契約的な考え方が優先します。相手方がある程度負担とされる債務の履行が終了している場合には「書面」でされている贈与契約の撤回はみとめられません(scs57.4.30)。当事者のどちらを勝たせるかは裁判所に提示される事案毎、まさに判例要旨にある「特段の事情」(ここで挙げられている”特段”は決してまれという意味ではないと思います)の有無によって、決せられることになるのでしょう。事実の概要がわからないので、どのような事案にあてはまるかは微妙なところではありますが、大雑把に”死んだらこれあげるから、いきている間、面倒みてよ”といった場合には、不謹慎ですが、ニンジンをぶら下げられて、来たるべく日のために、ある程度走った馬を助けてあげましょうといった感じでしょうか(結論を覚えるためのもので判決の内容とは無関係です)。一方で、虐待等で信頼関係を損なう場合には、相続法的な価値観が優先されるべきところです。通常「贈与」は親族等への財産の分配や団体への寄付等を通じて、贈与者の人間的・社会的なつながり等の思いが仮託されているケースが多いと思われます。契約成立時にこそ、相手方の受諾が要件となりますが、死因贈与の場合には、実体的に遺贈に準じて考えるところなどは、贈与者のその後の「心変わり」もありあえることを保護していると考えることもできます。
このレッスンノートを書いたコーチ

現在は企業組合の事業担当。直近合格者ならではのアドバイスをあなたに

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