大人がピアノを独学で始めるときのポイント

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大人になってからピアノを始めたいと思っても何からやるべきか悩みますよね。
教本を買うにしても、「どの教本を選べばいいのわからない…」という人も多いのではないでしょうか?

そこで今回はピアノを独学で始めたい人向けに、元ピアノ講師が練習のコツやおすすめの教本をご紹介します。

ピアノは最初が一番覚えることが多く、どのように練習を始めるかがとても重要です。
逆に準備をしっかりしてから始めると、数ヶ月で弾けるようになってきますので、ぜひこちらの記事を参考にピアノ独学を楽しんでくださいね!

海老野みほ

海老野みほ

2011年から都内の音楽スクールのピアノ講師として勤務。幅広い知識を活かし、お子様から大人まで、通算200名以上のレッスンを担当。

ピアノを独学するには何から始める?

ピアノを独学するには何から始める?

まずは独学を始める前の準備と練習する曲の選び方について解説します。

どんなジャンルに挑戦するか決める

ピアノには

  • 「楽譜を読んで弾く弾き方」
  • 「コードを読んで弾く弾き方」

の2種類があります。

楽譜を読む弾き方は、「クラシック」や「映画の音楽」など、ピアノだけで曲を演奏する「ピアノソロ」の弾き方がしたい人向けの弾き方です。
J-POPのような歌の曲でも、メロディと伴奏をピアノだけ弾きたい人はこちらの方法でピアノを練習していきましょう。

もう一方のコードを読む弾き方は、「弾き語り」や「ジャズ」「作曲」がやりたい方向けの弾き方です。

この2つは全く学習方法が違いますので、練習を始める前にどちらをやるか考えておきましょう。

楽器を購入する

ピアノは、

  • アコースティックピアノ(グランドピアノやアップライトピアノ)
  • 電子ピアノ

の2種類があります。
アコースティックピアノは湿気や気温などの変化に弱く、少しずつ音程が変わってきてしまうため定期的なメンテナンス(調律)が必要です。

特にこだわりがない場合は電子ピアノがおすすめ
特にこだわりがなければ、初心者の人はメンテナンス不要な電子ピアノがおすすめです。
ヤマハ・カワイ・ローランド・コルグ・カシオなど、大手メーカーでは5万円前後の価格帯から、性能の良い電子ピアノが販売されています。
購入する時はお近くの楽器店で楽器を弾かせてもらい、弾き心地やピアノの音色を比べてみましょう。

できるだけ安く楽器を手に入れたい人は、

  • 「譲ってもらえる人を探す」
  • 「中古楽器を探す」
  • 「レンタル楽器(リース)を利用する」

この3つの方法を検討してみましょう。

楽譜・教本を選ぶ

ピアノを独学で弾く場合は、練習の指針となる教本を必ず一冊は購入しておきましょう。

おすすめの教本は後ほどご紹介します!
教本を進めるのと並行して、弾きたい曲・好きな曲も練習していきましょう。

楽譜を読んでピアノを弾く場合は、楽譜を購入します。
楽譜は

  • 「入門」
  • 「初級」
  • 「中級」
  • 「上級」

とレベル別で販売されていますので、初めてピアノを触る方は入門レベルの楽譜を探しましょう。

楽譜に自信がない人は、音名のふりがな(ドレミのカタカナ)が書いてある楽譜を使うと、練習に取り組みやすくなります。

コードを覚えたい人は、「コード検索サイト」で好きな曲のコードを調べられるので、楽譜を購入する必要はありません。
まずはコードの基本が勉強できる教本だけを購入して練習を始めましょう。

コード検索サイト

大人がピアノを独学で弾けるようになるコツ

大人がピアノを独学で弾けるようになるコツ

「独学で本当にピアノが弾けるようになる?」と不安な方も多いですよね。
ここでは、大人が独学でピアノを弾けるようになるコツをご紹介します。

練習を習慣化させる

まずはピアノの練習を習慣化させることが重要です。

ポイント
「夜ご飯を食べたら30分はピアノに座る」「土曜日の午前中に2時間は練習する」など、練習のタイミングを曜日や時間帯で決めておくと、練習に取り組みやすくなります。

ピアノを始めたばかりの頃は、とにかくピアノをたくさん弾いて指を動かし慣れる必要があります。
毎日5分ずつでも弾けるように、ピアノの練習を習慣化してみましょう。

知っている曲から練習する

知っている曲だと音の上下の動きが予測できるので、初心者でも楽に練習できます。
弾き間違えにも気が付きやすく、間違えたまま弾き続けてしまう心配もありません。

好きな曲の方が練習のモチベーションも上がりますので、好きな曲・知っている曲から選曲してみましょう。

難しすぎる楽譜を選ばない

先ほど楽譜の難易度のお話しをしましたが、自分の実力よりも難しい楽譜を選んでしまうと1カ所弾くだけでも時間がかかります。

なかなか弾けるようにならないとモチベーションの低下につながりますので、難しすぎる楽譜はおすすめできません。
まずは余裕を持って弾けるレベルの楽譜で、レパートリーをたくさん作ってみましょう。

完璧を目指さない

完璧を目指さない

ピアノは、間違えずに弾くのが最初の壁になります。

始めたての頃は誰もが楽譜を読むのも、鍵盤を探すのも、指を動かすのも大変で余裕が持てないものです。
その中で1つも間違えずに演奏するというのは、とてもハードルの高いことだと理解しておきましょう。

ポイント
完璧に演奏しようと思うと音楽を楽しめなくなってしまいますので、少しのミスは気にせずピアノの演奏を楽しむことを意識しましょう。

基礎練習も取り入れる

ピアノを弾くためには指がスムーズに動くことと、弾き方をコントロールできることが重要です。
そのような演奏テクニックは、曲の練習だけではなかなか身につきません。

そのため、簡単なフレーズを反復する基礎練習で弾き方を確認する必要があります。
基礎練習を最初に5分間やるだけで、上達のスピードが確実に変わりますよ!

ピアノ仲間を見つける

ピアノ1人で楽しむのもいいのですが、同じ趣味の仲間を作り交流することで、モチベーションを維持しやすくなります。

練習の様子をSNSに投稿したり、完成した演奏を動画でアップするなど目標を決めるのも効果的です。
SNSで仲良くなった人とストリートピアノに出かけたり、スタジオを借りてミニ発表会をしたりと楽しんでいる人がたくさんいますよ。

ピアノ独学を失敗する人の特徴

ピアノ独学を失敗する人の特徴

ピアノは「始めてみたけど挫折してしまった…」という人が多いのも事実です。
そこで、ここではピアノ独学で失敗する人の特徴を解説します。

楽器や楽譜などの初期投資を無駄にしないためにも、ピアノを長く楽しめる工夫をしてみましょう。

ピアノを生活スペース以外に設置する

ピアノをだんだん練習しなくなる人に多いのが、楽器を生活スペース以外の部屋に設置しているパターンです。

普段の生活の中でピアノが目に入らないと、なかなか練習に向かうタイミングが作れません。
前でお話しした「練習の習慣化」と合わせて、ピアノの設置場所にも工夫してみましょう。

難しいレベルの曲にチャレンジする

YouTubeやテレビなどで上手い人の演奏を聞き、「その曲が弾けるようになりたい」「あんなふうに弾けるようになりたい」と憧れる人も多いかと思います。

その気持ちはとても大切ですが、その人が弾いている楽譜をいきなり練習し始めるのは非常に危険です。

YouTubeやテレビで演奏している上手い人は、大半が10年以上ピアノを弾いてきている人たちです。

いきなり難しすぎる楽譜を選ぶと、全く練習が進められず嫌になってしまうパターンが非常に多いです。

ピアノを始めたての頃はまずピアノに慣れることを目的にして、簡単な曲をたくさん弾いてみましょう。

いきなり両手で練習する

いきなり両手で練習する

曲をきれいに弾くには、片手ずつ練習して指や手の動かし方を覚えることが大切です。
プロでも、スラスラ弾けない箇所は片手ずつ練習して指の動きを覚え込みます。

初心者がいきなり両手で練習すると、左右の動きが頭で処理できずに混乱してしまい、動きを覚えることができません。

まずは片手ずつ練習を始めて、間違えずに弾けるようになったら両手で合わせると結果的に早く弾けるようになります。
焦らずゆっくり確実に練習していきましょう。

弾けるところばかり速く弾こうとする

これは初心者あるあるですが、曲の簡単な部分は速く弾いて、難しいところや弾けないところはゆっくりで練習している人が非常に多いです。

そのような練習をしていると曲のリズムにのって演奏できず、機械的に正しい鍵盤を押すだけの練習になってしまいます。
もっと音楽を楽しんで弾けるように、難しいところも弾ける速さを基準にして曲全体を通して練習していきましょう。

曲が完成していないのに次の曲にいく

ピアノはたくさん曲があるので、次々に挑戦するのは良いことなのですが、曲が「完成した!」と思えないまま曲を変えてしまうと、自信を持って演奏できるレパートリーが作れず達成感が得られません。

ポイント
ピアノは楽譜をスムーズに通して弾けるようになった後に、曲の表現を考えながら何度も曲を弾き込んでいくことで、自分なりの曲に仕上げていきます。
「ここは優しく弾いてみよう」「ここは音を切って弾いてみよう」など、自分のこだわりを持って曲を仕上げる工程は、ピアノが何より楽しい瞬間です。

曲を練習してみて、「難しすぎた!」と感じるようであれば、曲を変えるのも一つの方法ですが、もしちょっと頑張れば弾けそうであれば、時間をかけて自分なりの曲の弾き方を見つけてみましょう。

ピアノ教室と独学の成長のスピードには差がある?

ピアノ教室と独学の成長のスピードには差がある?

本当はピアノを独学でやりたいけど、「失敗するくらいならピアノ教室に行った方が良いのかな?」と悩まれている方も多いのではないでしょうか?

ピアノは覚えなくてはいけないことがそれほど多くないため、独学でも弾けるようにはなります。
ですが、正しい弾き方をしないと弾けるようになるまでに時間がかかったり、身体を痛める原因になります。

ピアノ教室に通えばプロの先生が弾き方を客観的に見て修正してくれるため、速く弾けるようになることは間違いありません。

また、継続の観点から見てもピアノ教室に通っていれば、普段練習できていなくてもピアノに触れる機会を定期的に作ることができますし、毎回ステップアップできるのでモチベーションも維持しやすくなります。

大体のピアノ教室では入会前に無料体験レッスンが受けられますので、ピアノ教室にいくか迷っている人は一度お近くの教室の体験レッスンに行ってみましょう。
(一部有料の体験レッスンを実施している教室もあります)

ピアノ独学におすすめの教本5選

ピアノ独学におすすめの教本5選

最後にピアノ独学におすすめの教本を5冊をご紹介します。
弾き方が解説されている教本から指トレーニングの本、初心者向けの曲集などもご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

ピアノの教科書

ピアノの教科書出典:Amazon

ピアノの基本的な弾き方や楽譜の読み方など、ピアノ初心者が知っておきたい知識が身につけられる教本です。

写真やイラストがカラーで掲載されているので、感覚的に覚えやすいのが特徴です。
QRコードをスマホで読み取ると参考演奏が視聴できます。

はじめよう!ピアノでコード弾き

はじめよう!ピアノでコード弾き出典:Amazon

コードを覚えたい人はこちらの教本を始めましょう。
コードの基本は全て解説されているので、最初はこの1冊だけで大丈夫です。

練習曲にJPOPが収録されており、知っている曲で実践的に練習ができます。

おとなのハノン

おとなのハノン出典:Amazon

「ハノン」は、はるか昔から使われている指練習の教則本です。
そのハノンを初心者でも弾きやすいように簡略化させたのが、この「おとなのハノン」という教本です。

練習のやる気が出ない時は、この教本を1ページやるだけでも十分な練習になります。
初心者の頃から中級者になっても使える教本ですので、ぜひ購入しておきましょう。

バーナムピアノテクニック

バーナムピアノテクニック出典:Amazon

15秒〜1分ほどで弾ける、短い練習曲がたくさん収録されている教本です。
タイトルと棒人間のイラストで曲の弾き方が表現されていて、動きのイメージを持って練習できます。

子供向けの教本ではありますが、大人の独学にもおすすめです。

ピアノソロ オトナピアノ ベストセレクション50

ピアノソロ オトナピアノ ベストセレクション50出典:Amazon

ピアノの人気曲が初心者向けにアレンジされた曲集です。
クラシック、ジブリ・ディズニーや映画の曲など、さまざまなジャンルの曲がこれ1冊で楽しめます。

指使いを番号で表した指番号と、音名ふりがなが書いてある楽譜なので、最初の練習曲にぴったりです。

まとめ

今回はピアノ独学の練習方法について解説しました。

ピアノは5年10年と長く続けることで楽しさが深まっていく楽器です。
最初の1年は弾けなくて大変なこともありますが、そこを乗り越えられれば楽しく自由にピアノが弾けるようになります。
ぜひ自分にあった練習ペースを見つけてピアノを楽しんでくださいね!