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ドイツ語教室のレッスンノート

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体験レッスン、お疲れさまでした。

ご持参いただいた童話"Die Schwestern" 冒頭の一段落を読み、メンデルスゾーンやバッハのカンタータなど、お好きな音楽をとおしてドイツ語を学ぶ道筋について、ご一緒に考える時間となりました。
すでにドイツ語はスラスラと正確に音読でき、辞書を片手に難しい文章に取りくむ訓練もしておられますので、これからもご自身の興味にしたがって、何より楽しくドイツ語に触れていかれますように!

昨日お話した中から、いくつかメモをしておきます。ご参考まで。

まずは、Die Schwestern より、文法の確認です(l.=Linie 行)。レッスンでは言及できなかったことや、すでに分かっておられることも含みます。

○ Linie 1-2 (l.1-2)
..., die waren keine der anderen gleich in ihrem Herzen, aber alle lieblich anzusehen.

︎ keine der anderen の後にTöchter/Schwestern を補って読んでみると読み易いです。einer/eine/eines der 〜(複数名詞) は, 「〜の内のひとりは」の意味ですが、einがkeinに変わると、「〜のひとりも...ない」となります。ちょっと直訳調にしてみると、「そのうちひとりとして、その心において他の娘と同じ者はありませんでした」となります。
︎ 副文では動詞は通常最後にくるのですが、口語的に、聞いてわかりやすいからでしょうか、warenは副文第2位の位置にあります。さらに、カンマを挟んでふたつめの副文があり、warenがそちらにもかかります。sein+zu 不定詞(ここでは分離動詞ansehen)の形です。

○ l.2-3 mitleidig
mit 共に+leiden 苦悩する+-ig[形容詞]
= 思いやりのある、同情的な

○ l.3 sich(4格) js(2格) erbarmen 再帰動詞
〜を憐れむ
次の行のjedes Kindes und jedes Tieres...が2格になるのは、動詞erbarmenに特徴的な、この用法から来ています。ただし、古い表現であり、2格は廃れる一般的な傾向から、2格のかわりにüber 4格が用いられる傾向があります。作者は、少し古い物語を演出しているのかもしれませんね。
なお、vergessen の目的語がかつて2格だったお話をしましたが、これも今や2格は詩的な、古風な文章にしか使われません。Vergiss mich nicht! より、忘れな草(Vergissmeinernicht) に名残ある2格の方が、余韻に感慨が残ります。。

○ 上と同じことが、l.4 bedürfen にも言えます。作者は2格の余韻を本当に美しく用いていて感動します。これは、今も2格をとる動詞として用いられていますが、4格にする人も増えているようです。あるいは、brauchen 4格でも同じ意味であり、この動詞自体、口頭で使われることがなくなる傾向もありそうです。だからこそ、ここでのような2格の文学的な効果は大きなものがあるとも考えられます。

○ l.4-5 so... daß.. 英語のso...that...構文と同じ。

○ l.6 Irrwisch = Irrlicht
鬼火とでも訳したものでしょうか。イタズラずきの死者の霊が光として飛び現れているイメージで、火の玉のようにも光る邪な妖精のようにも描かれます。落ち着かないいたずらっ子の譬えに用いられます。

○ l.6-7 3格+hold sein 〜が好きである。
hold は可愛いという形容詞ですが、上の形で、述語的に使うそうです。

○ l.7 「喜ぶものと共に笑い、悲しむものと共に泣く」は、新約聖書ローマ12章15節の表現からきており、キリスト教世界では「愛」の内容とされます。次女はその意味で、西洋の模範的な内面に、鬼子的な粗野、それでいて美しい容姿という興味深い人物像に描かれていますね。長女はもっとバランスがよい落ち着いた優しい人で、続く3女は次女の正反対。l.8のlistig(狡猾)は、ルター聖書で、アダムの妻エヴァをだました蛇の性格です。人のもつものをneidenすることはモーセの十戒違犯でもあり、西洋の倫理観では罪深いこととされていました。これからの物語の展開が楽しみになります。

もうひとつ、バッハのマタイ受難曲から、第二部53番のコラールを見ました。韻の整った詩であることを確認し、また文法からすると難しいことも分かりました。

○ befehlen は、3・4格をとるとき、〜に〜を委ねるという意味があるそうで、「命じる」という意味ではありませんでした。

○ 詩は行ごとに大文字で始まり、しばしば昨日の私のように混乱しがちですが、
...der allertreuesten Pflege des (Gottes), der den Himmel lenkt. 「天を統べる方(神)の、信頼に足るまったき配慮に」のように、繋げて読むと、わかりやすくなります。つまり、der Pflege は女性3格で上述のbefehlen の目的語。またdes(Gottes) はPflege の主体をあらわす男性2格です。なお、この詩にはGottという語はなく、Derや Desで「あの方」と言い、とらえきれない天を指し示すことに特徴があると思いました。

以上です。いつもメモはこんなに長くしないのですが、わたしもたくさん学ばせていただいたので、心に残ったところを記録しようと思いました。これからも、よい文学や音楽に触れて、楽しくドイツ語を学んでください! もちろん、お手伝いできることがあれば、いつでもお声かけくだされば、私も好きな分野ですので、その楽しみを喜んで共有したいと思います!
このレッスンノートを書いたコーチ

チューリッヒ大博士課程に在籍。芸術や文学に興味のある方には特にお薦め

わくわくドイツ語講座
大石周平 (ドイツ語)

分倍河原・府中・中河原・聖蹟桜ヶ丘・高幡不動・北野・京王八王子・京王永山

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