【ピアノ初心者向け】弾き方の基本を元ピアノ講師が徹底解説!

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ピアノを上手く弾くためには「正しい弾き方」を身につけることが大切です。
ですが、「自分の弾き方が合っているのかわからない…」という方も多いですよね。

ピアノは正しくない弾き方でも弾けてしまう楽器ですが、良い演奏ができなかったり、身体を痛めてしまう可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は元ピアノ講師が、ピアノを上手く弾ける姿勢や弾き方を解説します!

海老野みほ

海老野みほ

2011年から都内の音楽スクールのピアノ講師として勤務。幅広い知識を活かし、お子様から大人まで、通算200名以上のレッスンを担当。

ピアノが上手く弾ける基本姿勢

ピアノが上手く弾ける基本姿勢

ピアノの基本姿勢をお話しする前に知っておいていただきたいことは、「ピアノは指先の力だけでなく、腕の重さを使って鍵盤を弾く」ということです。

指は身体の中でも非常に細いパーツです。
その指の力だけでピアノの重たい鍵盤を弾こうとしても、小さい音しか出せなかったり、すぐに疲れてしまいます。

ポイント
腕の重さを指先に集中させて鍵盤を押すことで、大きく響きの豊かな音で演奏することができるのです。
これからお話する基本姿勢は、腕全体を使ってピアノを弾くために必要なポイントとなります。

椅子の高さを調整する

まず1番最初に確認するべきポイントは「椅子の高さ」です。
ベストな高さは、鍵盤に手をおいた時に手の甲から腕の関節までが水平になる高さです。

ポイント
手首が鍵盤よりも下に下がっている時や、頑張って腕をあげないとまっすぐにならない時は椅子を高くしてみましょう。
逆に手首が上に上がってしまっている時は、椅子を低く調整してみましょう。

重心は前に置く

腕の重さを最大限に利用して演奏するためには、重心を身体の前側に置き、肩から先の重さを指先にかけるような姿勢が理想的です。

地面に足をしっかりとつけてつま先の方に力をかけるつもりで、少し前傾姿勢をキープしましょう。
この時お尻が浮くほど前傾にする必要はありません。

腰はしっかりと椅子につけた状態で重心を前にして弾きやすい姿勢を見つけましょう。

肩と腕をリラックスさせる

ピアノを上手く弾く1番のポイントとなるのが、身体に余計な力が入っておらずリラックスできているかどうかです。

まだピアノを始めたばかりの頃は鍵盤を弾くことに必死なので、身体の色々なところに力が入ってしまい指がスムーズに動きません。

まずは意識をして肩や腕をできるだけリラックスさせて、その状態でピアノが弾けるようにしてみましょう。

初心者でもできるきれいなピアノの弾き方

初心者でもできるきれいなピアノの弾き方

先ほどは基本姿勢として、座り方や身体全体のお話をしました。
次はピアノを演奏する上でとても重要な「手の形」についてお話します。

手の大きさや指の長さは人によって異なりますので、以下のポイントを確認しながら自分が1番弾きやすい手の形を見つけてみましょう。

指の関節は全て軽く曲がった状態にする

一度その場で試してみていただきたいのですが、指を伸ばした状態で動かすのと、指を軽く曲げた状態で動かすのは、どちらが動かしやすいでしょうか?

確実に指を軽く曲げた状態の方が、早く動かしやすいですよね。
つまりピアノを弾く時も、指を曲げて弾くとスムーズに弾けるということです。

ただし、指は曲げすぎてしまうと、逆に弾きづらくなりますので注意が必要です。

ポイント
全ての関節を軽く曲げた状態で、指の腹の真ん中より少し上あたりが鍵盤に触れるように手の形を調整してみましょう。

手の甲は上に向ける

手の形の良し悪しを判断するポイントとなるのが、手の甲がどこに向いているかです。
プロの演奏をみてみると、どの方も共通してピアノを弾いている時の手の甲は上を向いています。

それに対してピアノ初心者の方は、薬指や小指が動きにくく手首を外側にひねることで力を補おうとしてしまうため手の甲が横になってしまっているケースが非常に多いです。

自分の弾き方を見直して、手の甲が横や斜めになってしまっているようなら、少し脇を開いて腕を軽く広げると、手の甲が上を向いた形でキープしやすくなります。

指の付け根から動かす

指を動かすポイントとしては、指先だけで弾こうとせずに、指の付け根から動かすことを意識しましょう。

指先だけで弾いてしまうと、鍵盤を弾いた後に指をあげるのが難しくなります。
鍵盤を弾いた後に、指を付け根から動かして引き上げてあげるイメージで指を動かすと上手く演奏できるようになります。

手首に力をいれない

手の形の最後のポイントは手首に力を入れないことです。
指先や腕・肩をリラックスさせることは意識されている方も多いかと思いますが、ピアノをスムーズに弾くためには手首のリラックスもとても大切なのです。

手首が固まってしまっていると、手を広げにくくなったり、手の位置を移動させる「指くぐり」が上手にできません。
パソコンをタイピングするイメージで、手首の力を抜いてピアノを弾いてみましょう。

曲の練習方法

曲の練習方法

基本姿勢と上手く弾ける手の形がわかると、早速曲を弾きたくなりますよね!

ですがせっかく弾き方を正しくしても、曲の練習方法を間違えていてはピアノは上手く弾けません。
ここでは筆者おすすめの「曲練習の手順」を解説します。

レベルにあった楽譜を選ぶ

まずは弾きたい曲の楽譜を選びます。
ピアノの楽譜はどの曲も入門・初級・中級・上級のレベルごとにアレンジされた楽譜が販売されています。

つまりプロが弾く難しいクラシック曲も、初級用に楽譜が書き換えられて販売されているということです。

難しいレベルの楽譜では、練習がなかなか進まず挫折してしまったり、弾くことに必死になってしまい表現を考える余裕がなくなってしまいます。

それでは演奏を楽しめなくなってしまいますので、自分のレベルに合った楽譜を購入しましょう。

片手ずつ練習する

楽譜を購入したら、まずは片手ずつ練習していきましょう。
この時に、「どの指」で「どの音を弾く」のか、指の使い方を覚えることが大切です。

毎回違う指の使い方になってしまうと、両手で合わせた時に絶対に弾けなくなってしまいます。
まずは、苦手と感じる部分がなくなるまで片手ずつの練習をしていきましょう。

ゆっくりのテンポで両手を合わせる

ゆっくりのテンポで両手を合わせる

片手ずつ弾けるようになったら、両手を合わせていきましょう。
いきなり速いテンポで弾くのではなく、間違えずに演奏できるテンポで練習するのがポイントです。

何回も間違えてしまう所や、止まってしまう所は、そこを抜き出して特にゆっくりのテンポで練習を繰り返しましょう。

自分なりの弾き方を考えてみる

曲を通して演奏できるようになってきたら、自分なりにこだわるポイントを作っていきます。

  • 「ここはできるだけ優しい音で弾いてみよう」
  • 「メリハリをつけるために、この音は短く切ってみよう」
  • 「ここはすこしテンポをゆっくりにしてみよう」

など、自分なりに曲の表現を考えて仕上げていきましょう。

この時、プロの演奏や原曲の音源をよく聴き込んで、その表現をマネしてみるのも楽しいですよ!

ペダルを入れる

何曲か練習してピアノを弾くことに慣れてきたら、ペダルにチャレンジしてみましょう。
主に使うペダルをダンパーペダル(サスティンペダル)といいます。

通常ピアノは、鍵盤を弾いて手を離すと音が止まってしまいますが、ダンパーペダルを踏むと手を離しても音を持続する効果があります。
ペダルを使うことで音に変化がつけられ、演奏のクオリティがさらにあがります。

ピアノ初心者におすすめの基礎練習

ピアノ初心者におすすめの基礎練習

ピアノの基本姿勢や弾き方を身につけるためには、曲練習と並行して基礎練習を行うのが効果的です。

曲の練習ではたくさんの音を演奏するので、弾き方を細かく気にすることができません。
そのため、基礎練習で正しい姿勢や正しい弾き方の練習を行い、常にその弾き方ができるようにしておくと上達のスピードが格段に早くなります。

ここでは基礎練習におすすめの教本とアプリをご紹介します。

ハノン

全訳ハノンピアノ教本出典:Amazon

「ハノン」は、とても昔から使われている指練習の定番教本です。
単純なフレーズが繰り返されるため初心者でも取り組みやすく、弾き方を考えながら練習できます。

プロピアニストがウォーミングアップに使うくらい上級者まで長く使える教本ですので、買って損はありません!

バーナム

バーナムピアノテクニック(導入書)出典:Amazon

15秒〜1分ほどで弾ける、短い練習曲がたくさん収録されているのでとても取り組みやすい教本です。
タイトルと棒人間のイラストで曲の弾き方が表現されていて、動きのイメージを持ってテクニックの練習ができます。

子供向けの教本ではありますが、大人の基礎練習にもおすすめです。

フローキー

flowkey出典:flowkey

ピアノの自宅練習をサポートしてくれるアプリ「flowkey(フローキー)」は、曲の練習はもちろん、基礎トレーニングや弾き方のレッスン動画なども視聴できます。

基礎トレーニングは、見本の動画で正しいイメージを持って一緒に練習できるので効率的です。
ピアノを独学したい人や、自宅での練習を充実させたい人におすすめのアプリです。

まとめ

今回はピアノの弾き方と基本の姿勢について解説してきました。
正しい姿勢や弾き方を意識することで、楽にピアノが弾けるだけでなく、上達するスピードも確実に上がっていきます。

ぜひ今日の練習から試してみてください!