ピアノの種類の違いや特徴を比較

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ピアノを購入しようと調べてみると、アップライトピアノや電子ピアノ、キーボードなど色々な種類のピアノが出てくるので、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。

そこで今回は、ピアノの種類の違いや特徴をわかりやすく解説していきます。
後半では目的別のおすすめピアノもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧下さい。

海老野みほ

海老野みほ

2011年から都内の音楽スクールのピアノ講師として勤務。幅広い知識を活かし、お子様から大人まで、通算200名以上のレッスンを担当。

ピアノの種類

ピアノの種類

まずはピアノの種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。
自分にあったピアノはどの種類かを考えながら読んでみてくださいね!

グランドピアノ

グランドピアノは、コンサートホールや学校で見かけるピアノのことです。

楽器の内部にピアノ弦が張られ、鍵盤を押すと内部にあるハンマーが弦を叩いて音を出します。
このように、生の音で演奏するピアノをアコースティックピアノと言います。

グランドピアノはクラシックを始め、ポップスやジャズなど幅広い音楽を演奏できる楽器です。
とても大きく重たい楽器のため、自宅に設置する場合は8畳以上のスペースと300Kg程度の重さに耐えられる床の強度が必要です。

また、搬入経路の確保も重要ですので、購入の際は楽器店との打ち合わせを必ず行いましょう。

カテゴリ アコースティックピアノ 大きさ※1 横150cm× 奥160cm×高さ101cm
鍵盤数 88鍵盤 価格帯 中古 40万円前後〜
新品 100万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・カワイなど タッチ感 抵抗感のある重い鍵盤

※1楽器の大きさは機種によって異なります。ここではヤマハの最小サイズの機種を掲載しています。

アップライトピアノ

アップライトピアノは、グランドピアノと同じように楽器の内部のピアノ弦をハンマーで叩いて音を出すアコースティックピアノです。

グランドピアノが設置できない家庭向けに、省スペースで置ける楽器として作られました。

グランドピアノの弦は横に張られているのに対して、アップライトピアノは弦が縦に張られていてハンマーも縦型です。

その違いからグランドピアノとアップライトピアノを比べると、アップライトピアノの方がやや鍵盤が重めで抵抗を強く感じます。
弾き心地が全く違いますので、一度弾き比べしてみてください。

カテゴリ アコースティックピアノ 大きさ※1 横150cm× 奥60cm×高さ120cm
鍵盤数 88鍵盤 価格帯 中古 25万円前後〜
新品 50万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・カワイなど タッチ感 抵抗感のある重い鍵盤

※1楽器の大きさは機種によって異なります。ここではヤマハの最小サイズの機種を掲載しています。

電子ピアノ

電子ピアノ

電子ピアノは、アコースティックピアノの音をサンプリング(録音)した音源で演奏する電子楽器です。
家庭でピアノを気軽に楽しむために、コンパクトかつヘッドフォンをすることで音を外部に出さずに練習できるように開発されました。

通常アコースティックピアノは室温や湿気で音程が変わってきてしまうため、半年〜1年に1回メンテナンス(調律)が必要になりますが、電子ピアノの場合は故障しない限りメンテナンスなしで長く使い続けられます。

ただし、電子ピアノは家電製品ですので15年〜20年程で買い替えが必要です。

なお、電子ピアノは基本的に88鍵盤で抵抗感のあるタッチの製品のことを指します。
このあと出てくるハイブリッドピアノやポータブルピアノも電子ピアノの仲間です。

カテゴリ 電子ピアノ 大きさ※1 横140cm× 奥40cm×高さ80cm
鍵盤数 88鍵盤 価格帯 新品 3万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・カワイ・ローランド・カシオ・コルグなど タッチ感 抵抗の弱い軽めの鍵盤〜抵抗感のある重い鍵盤まで
機種によって異なる

ハイブリッドピアノ

ハイブリッドピアノは、内部にアコースティックピアノと同じようにハンマー機構が内蔵されている電子ピアノです。
鍵盤の仕組みがアコースティックピアノとまったく同じなので、アコースティックピアノとほとんど同じ弾き心地が再現されています。

電子ピアノの中でもグランドピアノにできる限り近い機種が欲しい方には、ハイブッリッドピアノが人気です。

ポイント
ハイブリッドピアノは各メーカーの最上位ランクの性能が搭載されており、価格も高い傾向にあります。
カテゴリ 電子ピアノ 大きさ※1 横140cm× 奥48cm×高さ96cm
鍵盤数 88鍵盤 価格帯 新品 32万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・カワイ・カシオなど タッチ感 抵抗感のある重い鍵盤

ポータブルピアノ

ポータブルピアノは、鍵盤部分のみで販売されており軽量で持ち運びできる製品を指します。
最近ではポータブルピアノでも、グランドピアノに近いタッチ感や、迫力のあるサウンドが出せるスピーカーが搭載されている機種も出てきており、人気が高まってきています。

従来の電子ピアノよりも省スペースで設置でき、なおかつ安価な製品が多いことから、初心者や一人暮らしの人に向いています。

ポイント
スタンドやペダル機構(3本ペダル)、椅子が別売になっていますので、付属品をよく確認して購入しましょう。
カテゴリ 電子ピアノ 大きさ※1 横130cm× 奥25cm×高さ10cm
鍵盤数 88鍵盤 価格帯 新品 4万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・カワイ・ローランド・カシオ・コルグなど タッチ感 抵抗の弱い軽めの鍵盤〜抵抗感のある重い鍵盤まで
機種によって異なる

シンセサイザー

シンセサイザー

シンセサイザーは、多彩な音色やリズムが出せる電子音源が搭載された鍵盤楽器を指します。
その音色にエフェクトをかけたり、音の波形を細かく調整することで自分だけのオリジナルの音色を作り出すことができます。

音やリズムの録音を重ねて、シンセサイザー1台で音楽を作り出すことができることから、本格的に音楽活動をやりたい人や、作曲・DTMの勉強をしたい人向けの製品です。
鍵盤数は37鍵盤から、ピアノと同じ鍵盤数の88鍵盤まで選択できます。

カテゴリ キーボード 大きさ※1 横98cm× 奥20cm×高さ10cm
鍵盤数 37鍵盤〜88鍵盤 価格帯 新品 5万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・ローランド・カシオ・コルグなど タッチ感 抵抗感のない軽い鍵盤

キーボード

「キーボード」は鍵盤楽器を総称した英語ですが、製品としてのキーボードは、軽い鍵盤で、シンセサイザーのような機能がたくさんついていない製品のことを指します。

価格が1万円前後で購入できるので、子供の練習用やお試しピアノとして購入したい人に最適です。
音色が変えられたり、メトロノーム機能や録音機能、デモ演奏などたくさんの機能がついている製品がたくさんあります。

ポイント
キーボードはあまり品質のよくない製品も多いことから、慎重にメーカー選びをおこないましょう。
カテゴリ キーボード 大きさ※1 横130cm× 奥25cm×高さ10cm
鍵盤数 61鍵盤〜88鍵盤 価格帯 新品 1万円前後〜
代表メーカー ヤマハ・ローランド・カシオなど タッチ感 抵抗感のない軽い鍵盤

ピアノを選ぶポイント

ピアノを選ぶポイント

ピアノの種類をご理解いただきましたので、次はピアノを選ぶ時のポイントを解説します。
ポイントを知っておくと、ピアノ選びがスムーズにできますので是非最後までお読みください。

メーカー

ピアノはキーボードも含めると、国内外問わずたくさんのメーカーから販売されています。
その中であまり安すぎる製品は、音程が正しくなかったり、鍵盤が破損しやすかったりとトラブルも多いとよく耳にします。

全ての機種がそうだとは限りませんが、できれば国内の大手メーカーの製品を購入するのがおすすめです。
大手メーカーの製品は保証がついていたり、メンテナンスのサポートも充実しているので安心して使うことができますよ。

国内の大手メーカーは次の5つです。

国内の大手メーカー
  • YAMAHA(ヤマハ)
  • KAWAI(カワイ)
  • Roland(ローランド)
  • CASIO(カシオ)
  • KORG(コルグ)

タッチ感

種類の話しのなかでもタッチに関する違いがたくさん出てきましたが、ピアノはメーカーや機種によって大きくタッチ感が異なります。

タッチ感は自分が弾いていて心地よいかが非常に重要なため、最終的には自分の好みで決めることになります。

ピアノ初心者の方は、まず楽器屋さんで色々な機種に触れて自分の好みを探してみましょう。

サウンド

特に電子ピアノの購入を考えている方は、ピアノの音色も注目するべき大事なポイントです。
収録されている音源の質や、スピーカの性能、出力数によって、響きの厚みが異なります。

音質やスピーカーの性能は価格が上がるにつれて高性能になる傾向があります。

サウンドにこだわりたい場合
筆者の感覚にはなりますが、サウンドにこだわりたい人は15万円以上の電子ピアノを購入すると満足いくのではないかと思います。

価格

価格

価格はキーボードの1万円前後の製品から、300万円以上のアコースティックピアノまで様々です。
大体の予算の目安を考えてからピアノを探すとスムーズです。

メーカーによっても価格帯が違いますので、以下のメーカーの特色の項目もチェックしてくださいね。

鍵盤数

アコースティックピアノや電子ピアノは基本的に88鍵盤で販売されています。

キーボードやシンセサイザーを購入する場合は、用途に合わせて鍵盤数を決める必要があります。
両手で曲を演奏したい場合は61鍵盤以上が必要です。

それよりも鍵盤が少ないものは、片手でメロディだけを弾く場合や、PCと接続してMIDI鍵盤として使用する以外ではおすすめできません。

鍵盤数を選ぶポイント
コンパクトで軽量な製品を選びたい場合は、61鍵盤か76鍵盤を選びましょう。
ピアノ初級の楽譜は、76鍵盤あれば演奏できる楽譜が大半です。
本格的なクラシックや、中級以上まで使える楽器を選ぶのであれば88鍵盤を選びましょう。

機能

電子ピアノの場合、機能の違いもピアノを選ぶ上で重要です。
音色や複数のリズムパターン、メトロノームや録音機能は大半の機種についていると思って大丈夫です。

それ以外にクラシックの有名教則本が片手ずつの練習をサポートしてくれたり、一部分の繰り返し練習、自動伴奏機能、Bluetoothに接続してオーディオとしても使える機能など、各メーカーの特色があります。

付属品

キーボードスタンドや椅子、ヘッドフォンやサスティンペダル(ダンパーペダル)はピアノを演奏するにあたって必需品となります。

キーボードスタンドはお手持ちの机などで代用することができますが、机の高さや椅子の高さは演奏しやすさに関わる重要なポイントですので、高さの調整ができるように準備しましょう。

その他の備品として、持ち運びするのであれば専用ケースなどもオプションで販売されています。
用途に合わせて必要な付属品を確認しましょう。

ピアノメーカーの特色

ピアノメーカーの特色

どんなピアノを買えばいいのかわかってきたけど、「結局どのメーカーを選べばいいのか?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、ここでは国内大手メーカー5社の特徴をご紹介します。

ヤマハ

ヤマハは国内でも知らない人がいない有名メーカーです。
世界的なピアノコンクールのファイナルステージでヤマハのフルコンサートグランドピアノが使われるなど、品質の高さが世界中で認められている一流メーカーです。

ヤマハは、初心者向けから本格志向の人向けまで、様々な人のニーズに合うような製品を販売しています。
価格帯も幅広く、予算に合わせて自分にあった機種を選べます。

カワイ

カワイは、音響やサウンドにこだわりを持ってピアノ造りをしています。
カワイの電子ピアノの音は、他社と比べて重厚感が特徴です。

機能面の豊富さはありませんが、タッチやピアノの音色などシンプルにピアノ演奏を楽しみたい方が満足できる性能が追求されています。
価格帯は少し高めですが、初心者向けからプロ思考向けまでレベルに合わせた機種が選択できます。

ローランド

ローランドは電子楽器の専門メーカーで、電子ピアノを開発した先駆け的存在です。
デジタルグランドピアノのようにプロも絶賛する本格派ピアノから、シンセサイザーとピアノを掛け合わせたステージピアノまで多彩なラインナップになっています。

ローランドの電子ピアノは、演奏者の弾き方の変化を細かく感じ取り、演奏者の思い通りのニュアンスで演奏できると定評があります。

コルグ

コルグは、電子音楽の制作関連の製品を多く開発しているメーカーです
鍵盤楽器ではシンセサイザーを中心に、電子ピアノやキーボードを販売しています。

そのため、音色やエフェクトなどのバリエーションが豊富で、演奏者の好みに合わせて音質や響き方を変えられるのが特徴です。
タッチ感は他のメーカーに比べてやや重めで、しっかりした抵抗感を感じながら演奏できます。

ピアノの価格帯は、ヤマハやローランドに比べて低価格の製品が多くあります。

カシオ

カシオはラインナップが多彩で、子供でも練習が楽しくできるキーボードから、本格的にピアノを楽しみたい人向けのハイブリッドピアノまで販売されています。

カタログを見ているだけでも楽しくなるくらいデザインのバリエーションが豊富なので、昨日だけでなくデザインにもこだわりたい人は必見です。

ポータブルピアノシリーズの「Privia(プリビア)」は電子ピアノの販売ランキング1位を取るほどの人気機種です。

Privia(プリビア)出典:Amazon

目的別おすすめ電子ピアノ

目的別おすすめ電子ピアノ

それでは目的や用途ごとに、おすすめの電子ピアノをご紹介します。

これからピアノを始める人

YDP-165出典:Amazon

海老野みほ

YDP-165は、高品質な音とリアルなタッチ感が特徴的な電子ピアノです。
さらにアプリの練習機能も充実しており、初心者から上級者まで長く使えます。
高さ調節のできる椅子が付属しているので、お子様でも姿勢よくピアノに向かうことできますね。

本格的にピアノを弾きたい人

NV5S出典:Amazon

海老野みほ

NV5Sは、内部にハンマー機構が搭載されているハイブリッドピアノです。
木製鍵盤でアコースティックピアノと間違うほどのタッチ感が再現されています。
電子ピアノでありながらアップライトピアノと同じフォルムで、高級感のあるデザインが特徴です。

省スペースで設置できるピアノを探したい人

F701出典:Amazon

海老野みほ

F701は奥行き34cmと非常にコンパクトなピアノです。
木目調のオシャレなデザインも魅力的で、インテリアとしてお部屋にも馴染みます。
それでいて、弾き心地やスピーカーはローランドの中でハイクオリティな性能が搭載されているので、ピアノとしても高品質な機種です。

できるだけ安く良いピアノを購入したい人

P-45B出典:Amazon

海老野みほ

「続けられるか不安」「初期費用をあまりかけられない」という人におすすめなのが、P-45です。
一流メーカーヤマハの電子ピアノが4万円台で購入できてしまいます。
それでいて弾き心地もアコースティックピアノに近い重さが再現されているので、ピアノの練習用としても申し分ありません。

子供用にお試しでピアノを購入したい人

LK-325出典:Amazon

海老野みほ

子供がピアノを好きになってくれるか試してみたい方におすすめなのが、カシオのLK-325です。
プリキュアやポケモンなど子供に人気の曲が120曲も収録されているので、興味を持ってくれること間違いなしです。

61鍵盤あるので、子供用の練習曲を弾くには十分な鍵盤数の製品です。

DTM(打ち込み・作曲)に興味がある人

XE20出典:Amazon

海老野みほ

コルグのXE20は高性能な自動伴奏機能が搭載されており、気軽にバンド演奏が楽しめる機種です。
また最高級のコンサートグランドピアノの音色から、オルガンや弦楽器・管楽器・ドラムの音色まで幅広く楽しめます。

また練習アプリや音楽制作アプリが付属しているので、音楽を色々な角度から楽しみたいと考えている人におすすめです。

まとめ

今回はピアノの種類と特徴についてお話ししてきました。
楽器は長く使う相棒のような存在ですので、ポイントを押さえて慎重に選びたいですね。

色々な機種を見比べて、あなたのお気に入りの一台を見つけてくださいね!