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日野皓正氏とジャズ

久々にブログを更新します。
『日野皓正 presents "Jazz for Kids"』での日野さんの往復ビンタ騒動に様々な意見が飛び交っています。ネット上の反応は、
「体罰は言語道断だが、この子にも原因があることをちゃんとマスゴミは伝えようよ」
「これは中学生が悪い」
「日野皓正だけ悪人になってるが、どっちもどっちだからね」
「マスコミがアホな視聴者煽って数字欲しいだけにしか見えない」
「なぜこういうことになったのか原因をしっかり議論しないの?」 等々。

ここではこの騒動そのものについてではなく、日野皓正氏のやっているジャズスタイルであるフリー・ジャズについて考えてみたいと思います。

フリー・ジャズの大御所オーネット・コールマンが亡くなった時に、日野皓正氏は「あのころのビバップの時代にフリー・ジャズをやったことはすごいなと思った。」と言っています。
ご存知の通り、ジャズは大きく分けると時代の変化と共にデキシーランド・ジャズ ⇒ スウィング・ジャズ ⇒ ビバップ(モダンジャズ)と変遷してきたいわゆる「スタンダードジャズ」とフリー・ジャズに分けられると思います。
オーネット・コールマンのジャズのジャンルは フリー・ジャズ、とかアバンギャルド・ジャズと言われ、「スタンダードジャズ」とは全く別物だと私は思います。

ジャズメンの中にもテナーサックスのソニーロリンズの20歳代の「Moritat」から始まり80歳を過ぎても同じビバップスタイルで演奏するジャズメンもいれば、オーネット・コールマンの様に最初からフリー・ジャズをやってきた人も居ます。
https://www.youtube.com/watch?v=EcOnhR5zkXs

また、マイルスデイビスやジョンコルトレーンの様に「スタンダードジャズ」から、フリー・ジャズへ変遷していったジャズメンもいます。

マイルスデイビスは「スタンダードジャズ」からフリー・ジャズに変る間に、もう1段階モード奏法をやっていた時期があります。
モード・ジャズは、コード進行よりもモード(旋法)を用いて演奏されるジャズのことでモダン・ジャズのサブ・ジャンルのひとつです。
モード奏法はマイルス・デイビスのほかにも ビル・エバンス、 ギル・エバンス、フィル・ウッズ、スコット・ラファロ等々のジャズメンが演奏していた時期がありますが、私が理解できるのはギリギリここまでです。 

マイルス・デイビスの「Kind of Blue」に代表されるモード奏法とは、どのような奏法を言うのでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=kbxtYqA6ypM

ジャズではアドリブがその大きな割合を占めていますが、アドリブをする際に一般的にはコードを追ってアドリブします。
しかしモードという考え方では、コード(和音)ではなくモード(旋法、つまりスケール)に重点をおきます。
モードの曲では、たとえばDm7 ⇒ G7 ⇒C のようなコード進行、いわゆるドミナントモーションではなく、D Dorianのように表記され、そう書かれている小節はすべてひとつのモードで演奏すればいいわけです。
ですので「スタンダードジャズ」に代表されるような細かなコードチェンジにとらわれることなく、自由に表現が出来ると言われています。
従来のbe-bop styleは3度や7度、テンションノートと言われるものからの音の解決を考えるという手法でchord progressionを展開します。
Mode奏法はchordに対するAvailable note scaleをmodeとして解釈することで、「スタンダードジャズ」における解決手法を無視する形でフレージングしアドリブを取ることである意味演奏内容に幅を持たせたことになります。
ここまでは私も何とか理解できるのですが・・・。
ジョンコルトレーンはソニーロリンズと、「スタンダードジャズ」として「テナーマドネス」というテナー2本のバトルの競演がありますが、徐々にスタイルを変え「至上の愛」という曲を境にフリー・ジャズの方向に向かい、それ以降は私には理解できないジャスの世界に入っていきました。
https://www.youtube.com/watch?v=clC6cgoh1sU

今はジャズのアドリブ教則本が沢山出版されていますが、私の学生時代は日本語で書かれた教則本はありませんでしたのでロリンズ等のソロを必死でコピーして勉強したものです。
フリージャズのアドリブ教則本というのはいまだに聞いたころがありません。
モードジャズというのはルールの変更です。バップのルールだとマンネリだから、別のルールでアドリブしてみようという試みです。
これに対してフリージャズはルールの否定・破壊です。
音階もコードもリズムも関係ない。各人、まったく好きなように演奏していい。 
頼りはミュージシャンの直観のみ。それでどんな音楽ができあがるかやってみよう・・・それがフリージャズです。
フリージャズは、ジャズの種類の中でも最も好き嫌いが激しいジャンルですね。
日本のジャズピアニスト山下洋輔氏は左手の肘で鍵盤を叩くので有名ですが、これはどうやって再現したり教えたりするのでしょうか。私も分かりません。

私がCytaで教えているのはコードを使ったこのスタンダードジャズです。
私は『日野皓正 presents "Jazz for Kids"』でフリー・ジャズの日野照正氏がどんな教え方をしているのか興味がありますが、自分が出来るとは思っていませんしまたそれを生徒さんに教えることは無理だと思っています。皆さんは如何でしょうか。

日野皓正氏とジャズ

(2017年9月3日(日) 2:03)

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