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絶対出る範囲を知ろう

              [ 後 編 ]

⑨ 無権代理人
Ⅰ 狭義の無権代理人
→原則 無効(本人に効果が帰属しない)
たとえば、Aの家に忍び込み、BがAの家の権利証や実印を盗んで、BはAの代理人と称して家をCに処分した。

本人A
↓ 何も代理関係がない
無権代理人B    ⇒   相手方 C

この場合の法律関係は、代理関係が生じない以上、Aには何ら法律関係が生じないので、AC間の法律関係は無効である。
BC間は何らかの法律関係があるので有効であるとしても、Aの代理権   がない以上不安定である。したがって、この法律関係の決着をつけるためには法律はどのようにしているのか。

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本人と代理人 代理人と相手方 本人と相手方との三面関係を以下のように考えている。
ⅰ 本人    追認権(113条1項)・追認拒絶権(113条2項)
ⅱ 相手方   催告権(114条)(悪意・善意)・取消権(115条)(善意のみ)
ⅲ 本人には代理権がない以上代理行為の効果は本人に及ばない(113条1項)

a 本人について    
本人Aが追認をした場合には、契約をしたときに遡って本人に効果が帰属する(113条1項、116条)。したがって、有効な代理行為として確定することになる。
本人は追認を拒絶することもできる。追認を拒絶すれば無効な代理行為として確定する。
追認は、本人が代理人に対しても出来るが、その場合でも、相手方がその事実を知るまでは有効に確定しない。

b 相手方と本人
相手方がもし無権代理についてまったく知らなかったあるいは知っていても、本人に対して催告(請求)をすることができる。

c 相手方と代理人
相手方が無権代理について知っていた場合には、取消権はなくなる。この取消権の相手は無権代理人であるので注意すること。
そして、相手方の取消権と本人の追認は早い者勝ちということになるのでこれも注意を要する。つまり、本人が追認をするともはや相手方の取消権はできなくなる。

d 代理人と相手方
無権代理人と相手方の関係については、無権代理人は、自己の代理権を証明できずかつ、本人の追認を得られなかったときは、相手方の選択に従い、契約の履行または損害賠償の責任を負う(117条1項)。
ただし、以下の場合には責任を負わない(117条2項)。

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無権代理人に代理権がないことにつき、相手方が悪意または有過失の場合あるいは無権代理人が制限能力者であった場合


(1)        表見代理人
無権代理の一種だが、まったく代理権がなかったのと違い、以前何らかの代理権があったあるいは与えられた代理権の範囲を超えて行った場合に効果が問題となる。
→原則 有効(本人に効果が帰属する)

① 代理権授与の表示による表権代理(109条)
AはCに家を売り、その代金受領につき代理人Bを差し向けるのでその者に支払うように連絡を入れた。しかし、Aは気が変わりDにさせようとした。
しかし、勝手にBがCに赴いて代金を受領し、姿を消した。Aが代理権に付きBの氏名をCに表示した以上責任がある。Cが代理権をDに与えようとしたあるいは与えたことを知らない以上無効を主張できない。Aが代理権を与えていないのに、以前与えたことを訂正せずにそのままに放置した点に帰責性を認めるのである。

② 権限踰越による表見代理 
AがBに自分の家を誰かに賃貸するように委任を与えた。しかし、Bはその家をCに処分した。CがBが処分権を持っていないことを知る由もなければ、Aはその処分は無効だと主張はできない。基本代理権として、AはBに賃貸借の代理権を与えていたこと、そして、Bは権限以外の代理行為をしてしまった。Cはそのことについて善意かつ無過失であれば正当な事由が成立し有効な行為とみなされる。
このような背信的行為を行う者を代理人に選んだAに帰責性が認められるのである。

③ 代理権の消滅後の表見代理
AがBに家の売買契約の代理権を与えられ実印と権利証を預かっていた。
代理行為を難なくこなし業務を終えていた。しかし、Bは書類等をAに返さずこれを悪用することを思いつき、サラ金からAの代理人として金を借り姿を消した。
相手方も権限外の行為を権限内の行為と信じ、そう信じたことに正当な事由(善意・無過失)がある場合には保護の対象となる。しかし、これもかつて代理権を有していたのに消滅後にさらに別の行為を行い、以前の代理権の範囲を超えて行っているので110条および112条の重畳的に適用を考えてよい。(判例) 
代理人の代理権が消滅したのにAが以前の代理関係を放置していたという点でAに帰責性が認められる。
本来112条だけを考えれば、かつて代理権をもっていたこと、かつて与えられた代理権の範囲内でまた同じような行為を第三者と契約を行うというのが一般的であるが、まれに上述したケースも考えられるので注意しよう。
表見代理は法律行為(基本代理権)を前提となるので、たとえば、夫が赴任中、妻が保管を託されていた夫の実印を使用して夫の所有の宅地・建物を売却した場合には、実印保管という事実だけではただちに売却の基本代理権があるとの信ずべき正当な理由があるとすることはできない(判例)。

(2)  表見代理の効果
本人に表見代理の行った行為の効果が帰属する(109条・110条・112条)。この場合でも、本人は、表見代理人に対して、契約上ないし不法行為上の責任を追及して、損害賠償請求をすることができる。なお、表見代理も無権代理の一種であるので、相手方は、表見代理を選択せずに、117条の無権代理責任を追及してもよい(判例)。
以上よりまとめとして、たとえば、Bが勝手にAの委任状を偽造して、これを使用してCと契約した場合は、たとえ、Cが善意・無過失であったと
しても、Aにはなんら帰責性が認められないため(上記の3つのケースに該当しないため)、表見代理は成立しない。

(3) 無権代理と相続
無権代理人が本人を相続した場合、あるいは、本人が無権代理人を相続した場合の取り扱いはどうなるか。

① Aの子Bが代理権を有していないにもかかわらず、Aの代理人と称して、Aの所有の土地をCに売却をした後に、Aが死亡してBが相続人になった場合

② ①の事例より、Bが死亡してAが相続人になった場合

         《 考え方 と 解答 》

① のケースでは、無権代理人Bは、相続によって、本人の地位を取得して、土地の所有権、追認権、追認拒絶権を持っている。しかし、自ら無権代理行為をした者が、相続によって、当該土地所有権を取得したからといって、追認を拒絶することは信義則上許されるべきではない。したがって、本人Aの主張できる追認をした場合と同様に、無権代理行為は有効になるものとされる。
② のケースでは、本人Aは、無権代理人の地位を承継しているか、この場合のAは、無権代理をされた、いわば被害者であるため、追認を拒絶することもできると考えられる。しかし、AはBから無権代理人の地位を承継しているため、追認を拒絶したときは、善意・無過失の相手方に対して残念ながら無権代理人としての責任として損害賠償の義務を負う。(判例)

いかがでしたか。ただ見ていると文書の羅列にすぎません。代理に関しては、考えながら学習をしないと応用につなげられません。じっくりと今のうちに時間をかけてまとめてください。
それでは次回も絶対出題される範囲をご紹介します。それでは楽しんで挑戦してください。

 

(2018年5月17日(木) 13:33)

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この記事を書いたコーチ

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