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「熱帯地方=暑い地域」Eso es un mito(それは伝説(作り話)です)

 暑さが増してきましたね。Que calor!(なんて暑いのでしょう!)(注釈1)
 数日前の猛暑日には私はもうまいってしまい、これから先、日本での夏をどうやって乗り切れるのだろうと少し不安になってしまいました。
 中米コスタリカ、つまり熱帯地方で生まれ育った私にとって日本の暑さなどたいしたことないでしょうとよく言われます。でもそんなことないのです。
 コスタリカでは扇風機はあってもエアコンまで設置している家庭なんてごくまれです。それでも熱中症で死亡したケースのニュースは耳にしません。農作業を行っていた人やサッカーの試合をしていた人に雷が落ちて死亡した悲しいニュースは毎年聞きますが、暑さで亡くなられたということはまず聞きません。
 コスタリカの首都のサンホセは標高1000メートル以上の山間に位置するのである程度涼しい気候に恵まれています。しかし、海のそばには熱帯雨林が広がり、その周辺は確かに温度も湿度も高い地域です。そんな地域でも大半の人々はエアコンを使わずに生活をしています。そんな高価な家電を買えるほどの経済的な余裕がない人の方が多いということもありますが、今のところエアコンがなくても熱中症になる恐れもありません。
 実は「熱帯地方は暑い」というのは一種の偏見なのです。例えば、赤道に位置することで有名なエクアドルという国が南米にありますが、このエクアドルで一番高い6300mの山でけでなく、3000m級の山でも一年中頂上の雪が解けない山がいくつもあります。(ちなみにエクアドルという言葉はスペイン語で国名だけでなく、赤道という意味でもあります)
 また、私が住んでいたコスタリカのモンテベルデという場所には熱帯雲霧林(うんむりん)と呼ばれる、名前の通り雲と霧が多い森が広がり、年を通して30度を超える日はとても少なく、場所によっては夜には気温が5度ぐらいまでさがるところもあります。
そんな風に、熱帯地方でも一年中涼しいところもあるのです。
熱帯地方の気候について詳しく説明するほどの知識を私は持ちえていませんが、単純に言えば、まず四季がないことが大きな特徴です。これは地球の自転軸の傾きに大きな原因があります。地球は太陽の周りを約365日ごとに一回周りますが、自転軸が傾いているため、太陽に対する地球のポジションによって北半球の部分が太陽側に傾いたり、遠ざかったりするのです。北半球が太陽側に近づいているときはもちろん反対側に位置する南半球は太陽から遠ざかることになります。だから北半球で寒い冬を迎える頃には南半球では夏を楽しんでいることになります。クリスマスの時期にサンタクロースの格好をしたひとがオーストリアでは水着姿だなんて光景もよく雑誌やテレビで目にしますよね。
 地球の自転軸の傾きと太陽に対するポジションによって変化するのは気温だけではありません。一日の日照時間も長くなったり短くなったりします。極端な例を挙げれば、北極圏や南極圏で夏の間に起きる白夜のように一日中太陽が沈まないこともありますが、日本でも夜明けと日没の時間が夏と冬の間では大きく違いますね。
 ところが熱帯地方は緯度0度の周辺、つまり地球の縦真ん中とも呼べるような位置にあるわけですから、太陽に対してのポジションは特に変わりません。ですから、極端に暑くなる時期や極端に寒くなる時期が生じず、一年を通しての温度差はそんなに激しくありませんし、一日の日照時間もさほど変わりません。乾期、雨季というように降水量によって区別される季節はあっても四季はないのです。
 コスタリカでも海岸近くにいれば、日中の間に35度近くになる場所もあります。例えば、コスタリカの西海岸にあるプンタレナスという港町にいるのを想像してみましょう。ヤシの木が並ぶ海岸沿いにはヨットや客船が見えます。小さな漁船も沢山並んでいます。町を歩く人々は皆、ビーチサンダルに短パンやミニスカートといった姿で、あちこちでかき氷が売られています。観光客目当てに民芸品を売る売店が道路の脇に連なっていてとてもカラフルです。こんな光景が一年中見られます。
 プンタレナスの町を歩くとき、日中はとても暑く、日向に長いこといれば日射病になりかねません。でも、木陰で寝そべっていると気持ち良い海風が吹いてきて暑さをしのぐこともできます。そして夕方にはある程度暑さも治まります。サルサやメレンゲの音楽に合わせて踊るダンスホールは人でいっぱいですが、エアコンはありません。窓を開け放したり、扇風機が回っていたりしますけどね。
 もちろん熱帯地方でも暑さで寝苦しい夜はありますが、日本での夏の夜の方が寝苦しく感じることがあります。きっとそれは日照時間が関係あるのでしょう。太陽が出ている時間が長ければ長いほど地表に太陽熱の暑さが蓄えられ、夜になってもその暑さが感じられるのです。木陰が少なく、コンクリートやアスファルトで固められた都市部の地表は余計に暑くなります。そのうえ、沢山のエアコンが同時に使用されているわけですから建物の内部は涼しくなっても街中はさらに暑苦しくなります。エアコンは内部の暑さと湿度を建物の外に出すわけですから温暖化につながります。なんだか矛盾していますよね。
 私はエアコンになるべく頼らずもっと環境にやさしい方法で涼もうと試みていますが、今回の猛暑日ではそれがどんなに難しいことなのか思い知らされました。熱中症にならないように気を付けなければいけないですね!

今回の写真はコスタリカのPlayas del Cocoという海岸で撮ったものです。漁師の親子の周りで群れをなしているのはカッショクペリカンです。

注釈1:Que calor! (なんて暑いのでしょう!)という表現ですが、スペイン語では感嘆符(ビックリマーク)を使うときは分の最後だけでなく、始まりにも感嘆符をさかさにしたものがつきます。そして、感嘆のときに用いる場合、Queという言葉のeにはアクセント符号がつきます。このサイトでは文字化けするので省略しました。念のため。

 
 

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(2011年6月28日(火) 16:50)

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