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11月2日(万霊節)に歌いたくなる歌曲

声楽コーチの橋本尚平です!ついに11月になってしまいましたね。「しまいました」というと、なんだか嫌がっているように聞こえるかもしれませんが、つくづく、「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」だなあと思います。2ヶ月後は新年ですもんね。

さて、皆さんは、ハロウィーンはどのようにお過ごしになりましたか?仮装などされましたか?いや、声楽では、歌うときには心で仮装することができますから、特別に仮装しなくても大丈夫でしたね!(←何が大丈夫!?笑)

ハロウィーンが日本ではやり出したのは、まだ最近のことのようです。元々は、古代ケルト人が秋の収穫を祝って悪霊を追い払うといったものだったらしいですが、アメリカでは宗教色が薄らいで大衆的なものとなり、日本では、1990年代の東京ディズニーランドのイベントにより徐々に浸透し、今ではインスタ映えしそうな仮装大会を主として盛り上がるようになった模様です。

キリスト教のお祭りだと言われることも多いですが、実はそれは誤りのようです。しかし、キリスト教における「諸聖人の日」が、ハロウィーンに続く時期である11月1日に設定し直されたことから、あたかも、キリスト教の一環行事として見られてしまっているところがありますね。なぜ「諸聖人の日」がハロウィーンに重ねられてしまったのかは、諸説があるようですので、興味があれば調べてみると良いでしょう。

以上が、今回のお話の導入部分です。(すみません長々と 笑)

今回注目したいのは、ずばり11月2日です。この日は「諸聖人の日」の翌日にあたり、「万霊節(ばんれいせつ)」あるいは「死者の日」と呼ばれています。

万霊節は、キリスト教で死者の魂に祈りを捧げる日とされています。そのため、よく、キリスト教の "お盆" と言われることがあるみたいですね。そう考えると理解もしやすいかなと思います。

そこで、11月2日になると歌いたくなるのが、Richard Strauss の「Allerseelen」という曲です。日本語訳すると、ずばり「万霊節」。死んでしまった恋人を想う、大変美しくも切ない曲です。

では、日本語訳付きで歌詞をご紹介しましょう(だいぶ意訳してあります)。




Allerseelen
万霊節



Stell' auf den Tisch die duftenden Reseden,
テーブルの上にかぐわしい木犀を置き、

Die letzten roten Astern trag' herbei,
最後の赤いアスターを添えて、

Und lass uns wieder von der Liebe reden,
もう一度、愛を語り合おうじゃないか。

Wie einst im Mai.
五月のあの時のように。



Gib mir die Hand, dass ich sie heimlich drücke,
手をいいかい。そっと握らせてほしい。

Und wenn man's sieht,mir ist es einerlei,
誰が見ていようが、僕は構いやしない。

Gib mir nur einen deiner süssen Blicke,
一瞬だけでも、君のやさしい瞳を見せてほしい。

Wie einst im Mai.
五月のあの時のように。



Es blüht und duftet heut' auf jedem Grabe,
今日はどの墓でも花が咲いて、香りが漂っている。

Ein Tag im Jahr ist ja den Toten frei;
年に一度の日、そう、死者が解き放たれる日だ。

Komm an mein Herz, dass ich dich wieder habe,
おいでこの胸に。もう一度君と過ごしたいよ。

Wie einst im Mai.
五月のあの時のように。



(Hermann von Gilm)
(ヘルマン・フォン・ギルム、訳:橋本尚平)





このように、恋人のことを想っている歌詞ですが、恋人でなかろうとも、親友、親など、誰か大切な人を想って、読み変えて解釈するのも良かろうと思います。

以上、今回は万霊節に歌いたくなる歌曲のご紹介でした!

下にテノールお二方の動画を貼り付けましたので、良かったら是非聴かれてみてくださいね。同じ曲ですが歌い方が異なるので、音楽的にも興味深く聴けるかと思います。私にとっては、上の方の歌は深みがありしみじみと伝わってきて、下の方の歌はストレートにガツンと伝わってきます。







これからますます寒くなってきますので、あたたかくしてお過ごしください。乾燥対策もしていきましょう♪

 

(2017年11月1日(水) 0:02)

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