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「腹式呼吸」は理想ではありません

声楽コーチの橋本尚平です!

最近は月1ペースでブログの更新が続いております。ずばり月刊です。いや、懐かしき「学級通信」みたいな感じでしょうか!?笑

一昨日10月31日はハロウィーンでしたが、皆様はいかがお過ごしでしたか?私はといいますと、大真面目に体に関するボイスワークショップ(※)に参加してまいりました。数ヶ月に一回開講されているちょっと丸秘なワークショップなのです。

 ※ ワークショップとは、講師の指導により参加者がある問題について研究・議論・体験をする場のことで、いわばちょっと大きなレッスンのようなもののことです(たいてい参加者は複数人です)。ちなみに、私の教室名は「まちかど声楽ワークショップ」ですが、実体はマンツーマンのレッスンです(笑)

さて、その丸秘なボイスワークショップですが、いつもとても素晴らしい時間なのです。というのも、毎度、新鮮な気持ちで呼吸の基礎を学べるからです。

ここで、「え?橋本コーチは先生の立場なのに、なぜ基礎を!?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、これまでに「基礎」を学んできたからといって、必ずしもそれが「揺るぎないもの」という保証はないのです。

なんとも無責任な発言かもしれませんが、基礎だからこそいつまでも学ぶ必要がありますし、また新たな視点を持つこともでき、新発見もあるというわけです。

「基礎」というと、数学でいう定理や公式みたいに固定されたものというイメージがありますが、呼吸や発声に関しては、そういう決まりきったものがなく、常に揺らいでいると思うのです。識者たちによる研究もまだまだ先が見えず、今でもなお新たな説が打ち出されています。

そういった新しい説(現在において最も有力な説のひとつ)を知らないで過ごしていくのは実にもったいないことなので、私はコーチという身でありつつも、これからも可能な範囲で学んでいくつもりです。きっと死ぬまでそうでしょう。学習に終わりはありません(←これはよく我が生徒にも言っています♪)。

以上が、今回のお話の前置きです。ではここから本題です!・・・が、すでに小難しい話をしてしまったので、ここで頭のブレス(=休息)を入れましょう。

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では、本題です。当記事のわざとらしいタイトルどおり(笑)、「腹式呼吸」は理想ではない、というお話です。

「は?バカなことを言うんじゃないよ」とお叱りを受けそうですが、実は、先ほど挙げたボイスワークショップで講師がいつも言われていることのひとつこそがそれなのです。厳密には、その講師が「それが現在最も有力で合理的だという研究結果が出ている」とおっしゃっている、ということです。

まず、「腹式呼吸」とは?といったところからお話をすると、要は、腹に息を入れるようにして呼吸をすることをいいます。これまで「腹から声を出せ!」と言われた人も多いと思いますが、まさしくそれです。

しかし、腹から声なんて出ないし、腹に空気は取り込めません。人間は肺で呼吸します。実はそれ、横隔膜を動かすことで肺の圧力を変えて空気を出し入れしているのですが、横隔膜を動かすと腹を動かしている“ような”感じがするので「腹式」というだけです。

感覚的には体の深いところで呼吸を行う「腹式呼吸」は、苦手な人が多く、発声講座に行けば必ずといって良いほど指導を受けることになります。私も、これまでに何度も「腹式呼吸」という言葉をタコができるほど耳にしてきました。

一方、私たち(特に日本人)が日常的に行っている呼吸は、たいていが「胸式呼吸」です。胸郭を広げたり縮めたりすることによって肺の圧力を変えて空気を出し入れする方法です。これは浅い呼吸ですが、瞬時に空気を取り込めるというメリットがあります。

ただ、大きなデメリットもあって、発声を阻害しやすいのですね。ノドに力が入ってしまい、声も締めた感じになってしまいます。でも「腹式呼吸」であれば、(胸式よりも遅い呼吸ですが)ノドに余計な力が入らず、芯のある声が出るようになります。

ところが!ここには重大な欠陥があるのですね。

それは何かというと、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」はどちらも単独では行えない!ということです。これについては別に真新しい発見ではなく、以前から至る所でちょこちょこ言われてきています。そのため、「それ聞いたことあるかも!」と思った人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 (ちなみに、以前もこの手のお話はブログに書きました。
  コレです ⇒ https://cyta.jp/singing/b/41763

つまり、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」が、(人によって割合の差こそあれ)ミックスされた状態になっているのです。ただ、前掲の講師によれば、あまりにも「胸式呼吸」寄りの人が多いため、発声の指導では「腹式呼吸」ばかりが誇張されてしまっているのだそうです。

理想は「半腹式半胸式呼吸」であり、「胸式呼吸オンリー」でも「腹式呼吸オンリー」でもないのです。どちらも良い具合にミックスされた状態だと、最も合理的で楽な呼吸ができる!ボイスワークショップの講師はそうおっしゃっていました。

先ほど、「腹式呼吸だとノドに力が入らない」といったようなことを書きましたが、厳密に言えば、本当は腹式呼吸を鍛えた上で胸式呼吸とミックスさせた状態(半腹式半胸式)でのことを指します。

「腹式呼吸」だけを意識しても、それ単体では働きやしないので、単体で働かそうとすればおのずと体に不自然な力が入ってしまうのです。さらには、「腹式呼吸」というのを「腹筋を使って呼吸する」「骨盤をしめる」といった誤解をしている人だと、なおのこと無理な力がかかってしまいます(※)。

 ※ ボイスワークショップの講師曰く、こういった風習は今でも演劇界でよくあるとのことです。「お尻の穴をキュッと締めて!」とか「腹に力を入れて!」とかといった発声法です。それはそれで表現のひとつにはできるかもしれませんが、それでは横隔膜がうまく連動しない(つまり柔軟に動いてくれない)ので、理想の呼吸は体得できなくなってしまいます。

話が込み入ってきましたが、ここで簡単に言ってしまえば、体は全て繋がっているということです。どこかが単独では動かず、互いに関連し合っているのです。だから、どこかを動かすには、どこかが動きます。そのどこかを動かすには、またどこかが動きます。

そして自然に筋肉・骨格が動くためには、無駄な力が抜けて弛緩された状態をまずは準備し(といいますか、存在させ)ないといけません。そのためには正しい姿勢が大事であり、日頃知らず知らずのうちに作ってしまった“力み”を取り除かないといけません。

逆に、どこかに力を入れるときは、そこの筋肉がどう動いてどう作用し、またどこと連動しているかを意識する必要があります。その意識をする上では、体の仕組みに関する知識も必要です。

・・・という感じで、「呼吸法」ひとつとっても非常に奥が深く、キリのない問題です。前掲のボイスワークショップの講師によれば、今では上のような説が有力とされていて、徐々に浸透しつつあるようです。が、時代によっても呼吸に対する価値観が違うのもあるためでしょう、キッパリ「正しいに決まってる!」と断言することはその講師も避けているように窺えました。

ただ、合理的・・・といいますか、いかにナチュラルであるか?を追求すれば、今のところは以上のような論理が最もアテになるのではないか?と私も思います。

もっとも、私のレッスンでは上記の類の小難しいお話はなるべく控えるようにしています(なぜなら、歌は呼吸が全てではないし、話したら話したでレッスンが終わってしまうからです)。

しかしとても重要なテーマであることは間違いないので、生徒の皆様には、ひたむきに自主学習されることを強く望みます。レッスンでは、とにかく“その場でしかできないようなこと”に重きを置きましょう♪

今回のテーマに関しては、私自身も研究途上にあります。厳密には、私は声楽家であって音声学者でも解剖学者でもないので、不明瞭な点も多々あったかと思います。至らぬ点、そして拙い点もどうかご容赦くださいませ。

長くなってしまいましたが、ここまでお読みくださいましてありがとうございました!

「腹式呼吸」は理想ではありません

(2015年11月2日(月) 0:03)

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この記事を書いたコーチ

音大の大学院にて日本歌曲の研究に専念。歌う愉しみを伝えるレッスン

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