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クラシックとジャズの違い(その2)

(続き)

中学校の頃、初めてジャズを聞いて、
「楽譜が無いのにこんなに素晴らしいメロディをつくるなんて!」

と「即興演奏」にとても興味を持ちました。

ところが...
今でこそ楽譜屋さんにはジャズ入門の楽譜が沢山入手できますが、80年代当時はほとんどジャズ入門の本及び楽譜がありませんでした。
だからどう勉強してよいか全然わかりませんでしたし、身近にもジャズの先生などいませんでした。

今だとグーグルで探してみる?
で良いのかもしれませんが、グーグルが登場するより10年も前の時代です。

とりあえず、CDが全盛期の時代、ジャズピアノのコーナーに行って、
「ソロピアノ」系のものを探してみました。

見つけたのは、セロニアス・モンクという人のアルバム、

『ソロピアノ〜ソロ・オン・ヴォーク(Solo on Vogue)』

聞いてびっくり。

なんと、クラシックで言うところの「短二度」が多用されています!
初心者向けのクラシックでは、短二度という和音はほとんどなく、
どちらかというと「不協和音」とか「ミスタッチ」に近いものです。

コロコロきらめくようなジャズピアノを期待していた私は、

「コレジャナーイ!」(←モンクさんごめんなさい!)

と思いました。

(注)今でこそ、モンクは大好き。その「短二度」の和音がたまらないのですが、
当時は私も「クラシックピアノ」というジャンルしか知らず、音楽という広い海からしたら、ごく一部の音楽しか知らなかったわけです。ひとたび「それが正当なのだ」という教育を受けてしまうと、子どもはそれを信じてしまいますから、信じたもの以外を受け入れることが難しくなります。


こんな感じで、私のジャズへの学びは座礁してしまいました。
その後、どう復活したかはまた別の機会に書きます。


***


本題に戻り、クラシックとジャズの違いをたった一言で述べるならば、




「ノリが違う」



これにつきるんではないでしょうか。

とくに大学でクラシックピアノを専攻していた友人が、ジャズ研に入ってジャズピアノを始めるときは、とても苦戦していました。
ノリがジャズでなくて、クラシックになってしまい、ジャズのドキドキわくわく感がなかなか出せないのです。

逆に、ジャズの理論をマスターして、ものすごい複雑なコードで演奏するインテリな人もいましたが、今度は逆に「音楽的」ではありません。どこか機械的です。

ということで、当時のモダンジャズ研究会では少数派になってしまうのですが、私はただひたすら、ジャズボーカルのバンドを組んで、歌を「歌う」ということを大切にしていました。

これはすごく大事なことで、高校後輩の星野源もその著作『働く男』(マガジンハウス、2013)で述べています。彼はインストルメンタル(歌の無い、楽器だけによる演奏)なバンド、Sakerockというバンドを結成したのですが、このバンド、面白いことに初期のアルバムには(楽器だけなバンドのはずなのに)みんな歌が入っています。
星野源も、後から気がついたのだけれども、やっぱり楽器にしろ、演技にしろ、歌うことがすごく大事なんだ、と。

歌心がないと、クラシックもジャズも楽しくないんですね。

賛否両論ありますが、クラシックのピアニスト、グレン・グールドも、ジャズのキース・ジャレット(もとはクラシック出身の人ですが)、演奏中によく歌ったりしています。

というわけで、私は歌心があれば、クラシックもジャズも楽しく弾けると思います。
歌も、別に上手に歌えなくてもいいのです。

ボサノバで有名なジョビンは「音痴でもいいのです、それがボサノバなのだから」
と歌っています。

私のジャズの師匠の一人、ジャズギターリストのClint Strongさんに、
「クリントはどんな音楽が好きなの?」
と訪ねたことがありました。彼は、

「I like both!」

と言いました。

??

「both」は中学で習ったレベルでは、「両方とも」の意味。
「bothってどういうこと?」と聞き返すと、彼は、

「Good and Bad (良いのも悪いのもってこと)!」と言い直してくれました。
さすが私が全世界で5本の指に入ると信じてやまないギタリストです。

私も、クラシックもジャズもボサノバもラテンも、音痴なのも上手なのも、いいのも悪いのも、音楽みんなが好きです。
もし、私がジャズだけの世界、クラシックだけの世界にとどまっていたら、こうした価値観を持てなかったのではないかと思います。

***

再び、タイトルについて再考してみます。

クラシックとジャズ、ノリは全然違います。
一方は、西洋音楽、キリスト教文化と密接にかかわり発展してきた西洋芸術であるのに対し、ジャズは、ルーツをたどると酒場、ブルース、奴隷、アフリカ民族音楽にまでたどり着きます。

またクラシックとジャズ、音楽を聴いているときに人間はどの部分が熱くなるかの研究もあり、ジャズは実は下半身、お尻にまでたどり着きます。
多くの民族音楽は踊りとも結びついており、つまり踊りながら演奏するような形態をとっています。ラテン音楽なんかもそうですが、ダンスと結びつきの非常に強い音楽で、それだけ全身への激しい抑揚感をもった音楽が始まりです。

クラシックでも踊りOKな場合もありますが、多くの場合演奏後のスタンディングオーベーションは許されますが、リサイタルの最中に立ち上がって踊りだしたり、歌いだしたりすると多くの場合、退場です。
ジャズと同じく、アメリカで民族音楽と混血してできた音楽にロックがあります。
ロックはその後パンクなど発展していきますが、これらのコンサートでは歌いだしたり、踊りだしたりするのはむしろ喜ばれたり、盛り上がったりします。

面白いのは、これらの音楽どれもがすでにクラシカル、古典的です。
作曲家の水野修孝さんに言わせると、クラシック音楽の最盛期はマーラーやワーグナーの時代であり、それからはまさに「古典」になってしまった、と。

そういわれてみると、ボサノバは直訳すれば「新しい傾向・感覚」で新しかったハズが、ジョビンのいた60年代が最盛期でしたし、民主運動とも結びついていました(今ではカフェのBGMとして最盛期なのでしょうか)。ロックもがんばっていますが、ウッドストック1969でのコンサートが伝説となるくらい最盛期だった気もします(ウッドストック1999は当時の半分の人数、また暴徒化してしまった)。

ジャズもまたコルトレーンやマイルス・デイビスがいた時代が最盛期と言えるでしょう。だから、当時はものすごく斬新だった音楽も、今ではブラック居酒屋でさえ流れてくる「軽音楽」となってしまっています。クラシックジャズと言っても良いのですが、私はこうしたジャズは「スタンダード」と言っています。ジャズでスタンダードの名曲、などと言えば、それはつまり古典です。日本のポップスで言うところの「懐メロ」です。

そんなわけで、これから何を聞くか迷っている、あるいは酒場でデートしたい、あるいは好きな人を家に呼んでウチカフェしたい、手料理ディナーのときにジャズ流したい、という方には、「スタンダード」というキーワードでCDを探すと、まずはハズすことなく、いいムードを演出してくれるBGMとしてのジャズがゲットできると思います。

ジャズのスタンダードの演奏はそんなに難しくありません。
クラシックと比べると、同じ程度の練習時間を費やすとしたら、ジャズのスタンダードの方が多くの応用がきき、多くの曲をスラスラ弾けてしまう(ので、ポジティブなフィードバックがつづき、ピアノが上手になるスピードが速い)、というのが私の実感です。

BGMとしてのジャズも楽しいですが、自分で弾くジャズをBGMに、ウチカフェもなかなか楽しいです。ですので、一番楽しいのはやっぱり自分でピアノを弾けることでしょうか。
まだ父の日まで一ヶ月あるので、父の日に父が弾くピアノ、または父の日までに1ヶ月頑張って一曲父にプレゼントするピアノ曲というのも、どの世代の方にもおすすめです。
ちなみに、私は去年母の日にウクレレ(←なぜかピアノでない)で母の日の歌をつくり、夫婦でハモってメールで送ったのですが、すごいウケました!
コストパフォーマンスがとてもよかったです。
コスト削減のこのご時世におすすめです。

***

私のレッスンは年齢制限もなく、老若男女、みんなで楽しめるような音楽の学びが専門です。ただ一つ、できないのはクラシック音楽のピアノ科の受験のためのピアノのレッスンです。

クラシックはジャズよりも歴史が長く、体系化された音楽であり、その教育に関してもとてもシステマチックなところがあります。
ですので、これだけは私の専門ではありません。
ただ音大ピアノ科受験ではなく、大人が弾くショパン、バッハ、あるいは受験予定のない今流行りの「こどもジャズ」など、自分自身で楽しむのだ!というピアノに関しては、指導、サポートすることが出来ます。またクラシック以外のジャズ科、作曲科受験なども対応できると思います。

音大受験する予定はないが、ショパンの「枯葉のエチュード」をどうしても弾きたい!
というのも、相談...可です!(笑)

クラシックとジャズの違い(その2)

(2014年5月21日(水) 12:56)

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