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不死の宴 第一部 終戦編

講師・栗林の作品。

内容紹介
 如月は、左胸部の銃創を観察した。こちらも傷は塞がりかかっている。
 「なるほど、こっちの弾頭は、おそらく肺の中に落ち込んでいると思います」と如月。そして「この回復力もミシャグチの力ですか」と聞いた。
 「獣化が完全に終わっていれば、もっと回復力は速くなります」
 如月は、死体の体の弾力を確かめながら「この筋肉はもう人じゃないな」とつぶやいた。そして下肢の方を観ると、「獣脚状に変形が進んでいる」とつぶやいた。
 「ミシャグチの系譜では、昔からこういうことはあったのですか」
 「ミシャグチの力がうまく授かる場合はミシャグチの力が降りると言いますが、このような場合はミシャグチが憑くと呼ばれています。ただ、実際に見たのは初めてですよ。姫巫女は子供の頃に一度見たと言ってましたがね」
 如月は死体の首の切断面を見ながら、「見事な切り口だ。竜之介さんは居合いなどの武道経験があるんですか」と聞いた。
 「守矢の者は、赤口(シャグチ)流という古流の体術と居合いを修行します。ただ、これを切ったのは私ではなく、妹のみどりですよ」
 「え、あのお嬢さんが?」と如月は驚いた。だが同時に、あの溌剌とした娘には、きりりとした居合いの雰囲気は似合っているなと思った。
 首の切断面には傷口の回復傾向は全くなかった。
 「なぜ首を落としたんですか」と聞くと、「昔から、ミシャグチの兵や人狼はどれだけ傷を負っても首が繋がっているうちは死なないと言われてます」と竜之介。
 「ということは傷の再生は脳からの分泌物のせいかなあ、切断でそれが絶たれると」とつぶやいたあと、「獣化は一種の免疫反応かもしれない」と言った。
 「免疫反応?」と問い返す竜之介に、「一種のアレルギー反応ですよ」と言った。そして、ヴァンパイア化そのものも、またアレルギーの一形態かもしれないと思った。
 「免疫というと、病気と闘う人体の防衛機能ではありませんか」と竜之介は聞いた。そして、「これが風土病の一種であろうとは私も思うのですが、むしろ免疫力を強くしてこの症状を制御できるのではないでしょうか」と続けた。
 「それは従来の考え方ですよ」と如月は答えた。助手の両角に、銃創の一部を指さして、「ここ標本ね」、と指示しながら、「現在では、免疫とは病気との闘いではなく、自己と非自己を厳密に区別する機能だと考えられています」と答えた。
 「自己と非自己?」
 「火傷の治療で自分の皮膚を移植するじゃないですか。なぜ自分の皮膚なんでしょうか」
 「拒絶反応ですか」
 「そうです。臓器の移植が未だに一般化しないのもそのせいですが、この拒絶反応も免疫反応なんですよ。人間の体は、病原体どころか同じ人間の組織であっても自分以外の人間、つまり非自己の組織は許さないんです」
 如月は胴体の検分を終え、両角に指示をして、トレイに載った首を持ってこさせた。
 近藤の首は血が抜けて皮膚の白さが際だっていた。鼻から下の顎が骨から変形を始めていた。犬歯が延び容貌が犬のようになりかけている。
 「こんな変形が起きるなんて」と如月はつぶやいた。
 「希ではありますが、太古からこのようなことはあったのだと思います」と竜之介。
 「記録とか伝聞があるのですか」
 「昔から西日本には犬神憑きという言い伝えがありましてね。憑き物として畏れられたり神として信仰されたりしています」
(第二章 常闇の系譜 より)

 昭和十八年八月、理化学研究所の若き病理学者・如月一心は長野県上諏訪町の陸軍第九技術研究所分室の「ミ号計画」に招聘された。
 「ミ」とは、諏訪地方に縄文時代から残るミシャグチ信仰に由来する。ミシャグチ神の血を受けた者は不老不死のヴァンパイアとなる。日本では古来より国難の際の「特別な兵」としてヴァンパイアの特殊能力を密かに継承してきた。
 「ミ号計画」とは、このヴァンパイアを使った「超人兵部隊」の研究だった。
 如月が分室で出会った守矢竜之介中尉と守矢公彦少尉、そして職員の守矢みどりの兄弟は、代々、神長官としてミシャグチの血の系譜を守り続けてきた守矢一族の末裔だった。ヴァンパイアは昼間は活動できないため守護者が必要なのだ。
 如月は、ミシャグチの血を継承する姫巫女・美沙(四百歳)と謁見する。彼女を診察しながら、不老不死や超人的筋力などの能力も、光過敏や食性変化(人血嗜好)と同じ風土病の「症状の一つ」であると感じる。
 一方、竜之介は全国から四人の実験兵を選抜した。中野学校二俣分校の西城真一。関東軍対ソ特殊部隊の南部陽兵。挺進大隊(落下傘部隊)の東郷隆。そして玉砕した部隊の唯一の生存者・北島晃。彼らは、姫巫女・美沙との契りを経てヴァンパイアとなる。
 昭和十九年七月、沖縄に試験配備された実験部隊の運命は? 
 そして終戦、姫巫女・美沙と守矢一族はミシャグチの血の秘密を守れるのか?
 守矢竜之介の実験部隊と日米陸軍との三つ巴の戦いの決着は?
 昭和から平成を生きた「不死なる者」たちの運命を描く、一大叙事詩が今スタートした。

神様の立候補/ヒーローで行こう...

講師・栗林の作品です。

平成二年の第三十九回の衆議院総選挙を舞台にした作品。主人公・西本は地方新聞・東海新聞の専属広告会社の営業。彼に下された使命は、泡沫候補の新聞用選挙広告を法定回数五回分を全て東海新聞の扱いで獲得すること。選挙広告の扱い件数は新聞の信頼度を計るバロメーター、他紙の専属広告会社も黙ってはいない。さらに問題が一つ。その候補者は、「龍神様のお告げで立候補を決意した」というおばあちゃんだったのだ。西本は無事に扱いを獲得できるのか? そんな新聞広告の内側をユーモアたっぷりに描いた作品。この作品は、平成三年三月の「第二回ビジネスストーリー大賞」(テレビ東京主催・日本経済新聞社後援)で佳作入選した小説に加筆したもので、今回が初公開。
もう一編の「ヒーローで行こう」は平成十四年の作品。ツイッター登場の四年前、地方都市に住む四人のオタク中年が、ひょんなきっかけから正義の味方をすることになる物語。

短編小説のレシピ (集英社新書...

八百編もの短編小説を生み出してきた阿刀田高がみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味だ。短編小説は短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品にならざるを得ない。ただし、第一歩で読者をつかむと、短いだけに、実験的なこと冒険的なことが許される。これが面白い。
短編小説は、ある意味、スポーツの観戦とも似ている。野球のルールを知らないと、野球の試合はまったく面白くない。実は、読者の大半は、短編小説に張り巡らされた技巧や仕掛け(これは、ミステリーやエンターテイメントに限ったことではない)を知らず(というか意識せず)に読んでいる。意識させないのが作家の力量だからこれは当然なのだが、これを意識して読むと、短編小説は、もっと楽しめるのである。
本書では、小説作りの源泉と技をも教えてくれる。とアマゾンのレビューは書いてあるが、個人的には、ストーリーの技術的なことよりも、ストーリーの発想のきっかけや、その表現を選択した意味などの細かい点が、「うんうん」とうなずける。実際に小説を書いている者のはしくれとして、そういった「感覚」で知っていたことを「意識的」に説明できるというところに、阿刀田高氏は本当に短編形式をよく極めているなあ、好きなんだなあ、ということが伝わってくる。
印象的な言葉を引用しよう。
「よい小説は、全部を書ききらずにおいて、読者の参加を待つところがある」
これは、第七章の志賀直哉で語られている。簡単に言えば、その心情すら描写されない脇役の一人に視点や焦点を移し、別の作品が発想できうる、という作品の力のことである。
だからこそ、そういった作品は右から左に忘れ去られることなく、短くてもしっかりと読者の心の中に残るのであろう。
向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫っている。
個人的には、技巧を凝らした面白い短編を無性に書きたくなってしまった。当然、ここで語られていることを知れば、短編をより楽しく読むことができる。作家たちが凝らす小説技巧を「うまいなあ」とか「なるほど」と味わうことができると、短編小説は三倍は面白くなる。

キャラクター小説の作り方(星海...

ティーン向けのいわゆる「キャラクター小説」の書き方を指南しつつ、エンターテイメント全般、ないしは物語についての論考を加えた文芸批評である。
「小説家志望者たちが小説家にうまくなれないのは、「私探し」と「小説を書く」という行為をうまく区別できないからのように思えます」
至言である。
物語の舞台や登場人物をどう設定するか。オリジナリティ、「おもしろさ」とは何か。実に実践的な、みるみる書ける小説入門でもある。
でも個人的には、親切に書きすぎるよ、というところ。
ここに語られるような内容やアドバイスは、いずれも作品を創るという実践で、すぐに「体得」していくものであり、あえて教えてもらわなければならないほど、ストーリーテリングに難がある人は、もともと小説を書くと言うことには向いていないのだ、と言い切ることもできるからだ。
小説を書きたいと言いつつ、なかなか第一作が書き出せない人、その多くは、小説が書きたいということと、小説を書く人になりたいということの区別ができないからのように思える(ちょっと残酷か)。
内容は下記目次を参考に。

目次

第1講 キャラクター小説とは何か
第2講 オリジナリティはないけれどちゃんと小説の中で動いてくれるキャラクターの作り方について
第3講 キャラクターとはパターンの組み合わせである
第4講 架空の「私」の作り方について
第5講 キャラクターは「壊れ易い人間」であり得るか
第6講 物語はたった一つの終わりに向かっていくわけではないことについて
第7講 テーブルトークRPGのように小説を作る、とはどういうことなのか
第8講 お話の法則を探せ
第9講 「世界観」とはズレた日常である
第10講 主題は「細部」に宿る
第11講 君たちは「戦争」をどう書くべきなのか
最終講 近代文学とはキャラクター小説であった

単に創作のメソッドというだけでなく、マーケティングなどにもヒントになるようなことが多い本である。

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