サイタ趣味の習い事言葉/文章講座小説大阪 大坂で小説の書き方講座 スクールブログ 浅田次郎先生と...

浅田次郎先生と城山三郎先生から語彙力の一面を学ぶ。

浅田次郎先生の短編集『あやし うらめし あな かなし』(集英社文庫)の中の一編『遠別離』に、
〈簡単に言えば、将校は尊い人だが、下士官は偉い人だった。〉(P239)という一文があります。
類似するイメージを持つ《尊い》と《偉い》を使い分けて、読み手に人物を印象づけています。

城山三郎先生の著作『粗にして野だが卑ではない 石田禮助の生涯』(文春文庫)というタイトルも、類似するイメージのある《粗》《野》《卑》を使って、読者にインパクトを与えています。

京都銀行がコマーシャルで使っていた、
『汚れても汚くはないユニフォーム』
という川柳も、《汚れる》と《汚い》の違いに着眼した秀作だと思います。

類似する言葉の違いに着目すると、人物を際立たせたり状況を印象づけたりすることができます。

たとえば、
『あの人はきれいな人で、この人は美しい人だ。』
『きれいな手際だったかもしれないけれど、決して美しいやり方だったとは言えない。』

『君に失望はしたが、まだ絶望したわけではない。』
『前回は多くの人を失望させ、今回はついに絶望させてしまったようだ。』

『彼女は、いつまでも悲しみに打ちひしがれている人ではない。ただ、哀しい人かもしれない。』
『悲しいできごとにちがいないけれど、哀しいことではないと思う』

などと、いくつも例を上げることはできそうですが、頻繁に使う言葉でも、
《見る》《観る》《看る》《診る》
や、
《聞く》《聴く》
など、意識して使い分けるだけで、読み手に与える印象が違ってくるのではないかと思います。

〈どれだけ言葉を知っているか〉
ということは、語彙力の一面を表してはいますが、
〈類似する言葉の違いを考える〉
ことによって、語彙力はもっと増強されるのではないかと思います。

自分でどこまでできているかは、やっぱり棚に上げておりますが……

 

(2019年2月12日(火) 19:01)

前の記事

次の記事

この記事を書いたコーチ

大手文学コンテスト入賞多数!個性を発揮できる書き方や技術を指導!

新着記事

講談社の週刊モーニングが、《転生賞》を募集しています。 作者の職業体験を元にエンターテイメントとして作り上げた漫画作品と〝原作〟を募集する賞です。 警察官、弁護士、看護師、教師などの経験のある人の、実体験を下敷きにした作品は、漫画に限らず小説でもたくさん見受けられます。 銀行を舞台に...

創作に《省略》は欠かせません。 映画やドラマでも、 〈時間が変わる〉 〈場所が変わる〉 など、《省略》による場面転換で、観客、視聴者を惹き付けています。 小説でも同様に、《省略》による効果を軽視することはできません。 ただ、何を《省略》するのかしないのか、という判断は、...

たとえば、時代小説のチャンバラシーンで、 〈ガキーン!〉 斬ったところで、 〈ズバッ!〉 なんて表現をすると、それだけで予選突破は難しくなります。 もちろん、小説投稿サイトではそれでも人気を博することができたら、出版してもらえるかもしれませんが、少なくとも選考委員によって審査され...

時代小説、歴史小説を書くというのは、歴史に詳しいだけではなく、いろいろ細かい時代考証に関する知識も必要だから難しいのではないか…… そんなイメージで敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。 私も、拙い小説を書き始めたころにはそういう思いがあって、自分には時代小説なんか書けない、と思っ...

作家になろうとすれば、昔は、文芸誌が主催する新人賞に応募するしかありませんでした。 ところが、近年は、大手の文芸誌の他に、ライトノベル系、小説投稿サイト、地方自治体など、小説の公募媒体が増えましたが、応募方法については、原稿を郵送する形式が、まだ主流のようです。 そこで、今回は郵送、宅...

レッスン無料相談窓口のご案内

サイタでは、小説レッスンに関する疑問に
専門カウンセラーがお電話にてご案内しております。
お気軽にご利用ください。

お電話相談窓口はコチラ

ブログ記事 ページ先頭へ