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なぜ曖昧な表現になるのか

 小説を書き始めて間もない人の場合、「あいまいな表現」が頻繁に出てくる。また、すぐ筆が止まってしまう、という声も聞く。
 これはどちらも、情景やキャラクターの思いなどのイメージが固まらないうちに書き出していることが原因だ。

 例として、主人公が、放課後の教室に戻り、高橋という人物に出会うシーンを初心者作家として書いてみる。

 教室には数人の生徒が残っていて、よく見ると高橋もそこにいた。

 このト書きの様な文を加筆する。

 教室に戻ると、帰宅組の生徒が数人残っていた。机に向かって文庫本に没頭している者、ロッカーの前で談笑する連中。高橋は一人窓際に立ち、運動部のかけ声が聞こえてくるグラウンドを見下ろしていた。

 ここまで書くと情景がくっきりと浮かび上がる。また、イメージが固まらないからこそ、頻繁に筆が止まるのである。
 ここまで情景をイメージして書き出すと、筆が止まることもないはずだ。また、小説を書き慣れてくると、原稿を進めながら、同時進行でストーリーを膨らませ進められるようになる。情景を思い浮かべながら、原稿を書き進めていけることができるようになる。
 そして、書きながら想起して描写したことが、後々伏線として生きたりもする。そんな書きながらの化学反応こそ物語を創っていく醍醐味なのである。

 これは、漫才師が即興で客席の反応を見ながら話を進めて、それがネタとしてかたまっていくのと似ている。やはり、小説も話芸なのだなと思うのだ。

 

(2015年10月8日(木) 12:32)

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