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物語の発想と膨らませ方(1)

 今回は二回にわたり、実際に物語を着想してから膨らませていく過程を、実際にストーリーを作りながら解説していく。
  ドラマや映画の原作を作っている的な感覚でお読みいただければわかりやすいと思う。すべての作家がこうしているとは言わないが、少なくとも私の方法はこうだ。

 きっかけは、イラクの戦場での、アメリカ軍の無人機(以降はドローンと表記)の運用部隊の話を見たことだ。
 戦場でのドローンは、プログラミングされて偵察任務に就くだけでなく、遠隔操作でテロリストを攻撃殺傷もする。ただ、その遠隔操作はアメリカ本土の兵士がPCのモニターを見てコントローラー(映像ではPSのコントローラーだった)で行う。
 まさにテレビゲームなのである。中東の砂漠でアメリカと戦う兵士は、ポテトチップを食べながらコーラを飲んでコントローラーを操るアメリカ兵に撃たれているわけで、そりゃあ腹も立つよなと思えるわけだ。
 戦争のゲーム化は古典的なSFのテーマであり、たくさんの小説や映画があるので珍しくもないが、それがここまであからさまであることに私は驚いたわけだ。

 ただ、この驚きだけでは、もう物語にはならないのが現代である。
 最初に考えたのは、リアルなオンラインフライトシューティングゲームだと思ってログインしてプレイしていたら、実際に地球の反対側で自分の操るドローンが人を殺していた、という「罪悪感を希薄化させるためのゲーム化」というストーリー。
 しかし、これは、過去にいくつも同じようなSF物語があり、今では普通の人の発想の範囲内である。わざわざ「小説家の俺が、新たに書くまでもない物語だよな」と思えたので、即却下。

 今度は、通常なら入隊検査や兵役検査で跳ねられるような人間でも任務に就けるし、9時から17時まで、昼休みもしっかりとって雨にも濡れずに出きるデスクワークの任務でありながら戦闘という最前線の業務という視点で考えた。

 すると、「このドローン部隊の戦闘って、障害者の方でも、健常者と一緒にできる任務だよな」と気づいた。
 そこで、私の頭に花火のように浮かんだ発想が、「障害者の自立支援・社会参加」「職場のバリアフリー化」といった「美しい理想」が、「戦争行為、破壊・殺傷行為」という「醜い現実」を支えるという、極めて皮肉な物語構造だ。

 ここで私は、この物語はいける、と直感した。障害者も健常者とともに戦争に参加できる状況にどのような物語を盛り込むか?
 次回はキャラクター設定に入っていく。

 

(2015年2月2日(月) 19:31)

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