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書籍紹介 「人身御供論―通過儀礼としての殺人」(大塚 英志)角川文庫

2004年に自分のブログで紹介した書評を転載。この本は、創作に携わる方には是非読んでいただきたい。自分のブログの文なので、「私」が「俺」になっていますが、それは、ご愛嬌と言うことで。
 では、以下、本文。


 村を救った猿神のもとへ輿入れした少女が、夫を殺害して村に戻ってくるという昔話「猿聟入」。そこで語られた供犠と異類殺害の物語は、その後のマンガ、小説、映画などにも繰り返し現れてくるいわゆる物語のフォーマットである。

 過去の民話と現代のサブカルチャーを通底するものは「通過儀礼」である。
 通過儀礼とは、ムラなどの閉鎖された秩序の中で、「子供」という神の領域に近い存在を「大人」という社会の一員として内部に取り込むことである。儀礼の後は、青年小屋のような場所にこもった後、社会の一員として仕事が与えられる。
 近代となってムラ社会が崩壊した後は、ムラを出て「都市」へ行くということが通過儀礼になっていく。
 しかし、全国がほとんど「都市」となった現在、子供達は「通過儀礼」を失っているのだ。今や、「通過儀礼」は与えられることなく、個人が自力で「成熟」することで果たすしかない。ある意味、なんと厳しい時代ではないか。

 社会が自由になり、自分のすべての選択を自分の責任で果たさなければならないときに、人がその自由の重みの前でおののくように(→実存主義やね)、若者は、「成熟」することにおののいている。

 作者は、せめて、ビルドゥングス・ロマンが、この通過儀礼の間の「移行対象」(いわゆる「ライナスの毛布」や「熊のぬいぐるみ」のように成長の過程で母とかの代替として機能し、成長後は不要となって「捨てられる=殺される」人身御供)となりうるのではないかと考える。そして積極的にそのようなロマンを提供しようという決意表明になっている。

 「タッチ」「ホットロード」「めぞん一刻」から「鉄腕アトム」まで、、「民俗学者」大塚英志が分析するところが面白い。眼からウロコである。創作に携わる人間は必読といえる。

 実は、私も以前、「通過儀礼」もののホラー作品を書いたことがある。
 本年9月にAmazonのKindleストアから出した「盂蘭盆会・・・参り(うらぼんえふせじまいり)」の表題作がまさにそれで、これは、32歳の時、長女が生まれたばかりの時に見たグロテスクな夢がモチーフになって生まれた小説だ。
 何故そんな夢を見たかが不思議で、文芸仲間の友人が「作品化することでわかるかもしれない」と言ったことをきっかけに書き始めたものである。

 書くことによって、はじめて父(確固たる社会の一員)になるということに、本能的におびえていた自分の心と直面することができ、その心と決着をつけることができた作品である。

 この「小説を書く」ということが、俺にとっての一つの「通過儀礼」だったのである。

 

(2014年12月20日(土) 23:31)

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