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作品に新機軸を盛り込む

 小説を発想するとき、過去の作品、自分の好きな作品から影響を受けることが多い。むしろ大半がそれかもしれない。
 しかし、それが模倣や剽窃ではなくオリジナル作品として成立するためには、必ず「新機軸」や「新発想」がなければならない。イノベーションである。

 吸血鬼・ヴァンパイアをモチーフにした作品を例に取ろう。
 吸血鬼を題材にした最初期の作品は、誰もが知っている、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」とシェリダン・レ・ファニュの「カーミラ」である。
 ドラキュラは吸血鬼の強力で邪悪な力と戦う物語で、「恐怖」を主軸に描かれる。「カーミラ」は魅力的な女吸血鬼を登場させ、同性愛的なエロスを描いている。この恐怖とエロスが長い間、吸血鬼小説の題材であった。

 そこに新機軸を持ち込んだのが、リチャード・マシスンの「地球最後の男」(1964)である。謎の伝染病で人類がすべて吸血鬼になってしまった世界で、唯一普通の人間として生き延びている男の戦いを描いたもので、「ヴァンパイアの伝染性を社会の同調圧力などの暗喩としても使えることを示唆」した作品である。
 この作品の延長線上に登場したのが、スティーブン・キングの傑作「呪われた町」(1975)。アメリカのメイン州にあるセイラムズ・ロットという田舎町で、住人達が一人また一人と吸血鬼に成っていき、最後は町全体が吸血鬼の町になっていく様を描いた作品である。「地球最後の男」に、街の人間が一人また一人と宇宙人に変わっていくという、ジャック・フィニイの「盗まれた街」を合体させたわけだ。

 いっぽう「カーミラ」の方はどうか。こちらは恐怖よりはエロスや愛を描いている。後に続く作家達は吸血鬼の力よりは、「不死」という側面をとらえ、「永遠」を描こうという作品を生んでいった。その代表にして傑作の一つが萩尾望都の「ポーの一族」であろう。少年と少女として永遠に生き続ける主人公達が出会う愛のエピソード。また不死だからこそやってくる愛する人たちとの永遠の別れ。この「不死故の悲しみ」が新機軸である。
 この作品の延長線上に登場するのが、ルイス・ガネットの「700年の薔薇」(1999)とかステファニー・メイヤーの「トワイライトシリーズ」だ。

 そして、キングの「呪われた町」から生み出された傑作が小野不由美の「屍鬼」(1998)だ。彼女自身が「呪われた町」に対するトリビュート作品であると語っている。
 まだ土葬の習慣が残る人口1300人の外場村。この村の住民が一人また一人と吸血鬼に変わっていく様を描いた作品である。「呪われた町」と同じじゃないかと思われるだろうが、この作品にはやはり新機軸が持ち込まれている。
 吸血鬼とは、昼間は活動ができず、日の光で死んでしまい、食料も入手しにくい血液である。つまり吸血鬼を守る人間の僕(しもべ)が不可欠なのである。その僕(しもべ)になる人間はどんな気持ちからそうなるのだろうか。これを描ききったところが凡百の吸血鬼モノと「屍鬼」との違いである。
 これと同じものにバイオレンス活劇の要素を加えた傑作が、真崎 建三の「貧血症気味の薔薇ーアネミックローズ」(1996)である。この作品の主人公は美貌の女吸血鬼を守る青年で、「屍鬼」にも影響を与えたのではないかと推測している。

 世に溢れる吸血鬼物語だが、作家達が過去の作品をなぞりながら、いかにして新機軸(イノベーション)を盛り込んでいったかがおわかりいただけただろうか。
 実は、私も吸血鬼もの作品を構想中である。当然、私独自の新機軸も盛り込むつもりで、それが無ければ書こうとは思わない。12月から友人達と、「電子パブ」という電子書籍の無料PR誌を配布予定だが、その3号から連載を予定している。

 小説を書こうとされる方。「こういう話は、散々書き尽くされているからなあ」と怯んではいないだろうか?
 大丈夫、書き尽くされた物語は、それだけ人気があるという事だ。誰も考えなかった新機軸を盛り込めれば、必ず新しい作品になるのである。 

 

(2014年11月16日(日) 12:49)

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