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マジックと特許

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パート1
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マジックのタネは特許になるのでしょうか。言い換えればマジックのタネは特許法という法律で保護されるのでしょうか。

特許にはIPC(国際特許分類)という、技術内容により細かく規定された分類コードが付与されています。マジック関連のIPCもA63J21/00「奇術用設備;奇術師のための補助装置」として規定されています。

(このブログはIPCの詳細な説明をすることが目的ではないので、「A63J21/00」という英数字列の説明は省略します。ここではマジックも特許になる、と覚えておいていただくだけで結構です。)

ところでマジックのタネは秘密にしておくことに価値がありますよね。しかし特許出願すると、1年半後には「公開公報」として一般に公開されてしまいます。つまりタネがばれて万人に知れ渡ってしまうのです。特許は技術内容を公開する代わりに、特許登録されれば一定期間(出願後20年)独占権が与えられるものなので、秘密にしたまま独占できるわけではないのです。

ですからマジックのタネを特許出願することには、あまり意味がないと思いませんか。特許ではなくノウハウとして秘密にしておく方がいいような気もします。もっとも、マジックは買ってくればタネが分かってしまいますから、法律の保護がなければ同業者に勝手にマネされてしまうというデメリットがあります。したがって、タネはばれても構わないので絶対に同業者にマネされたくないという場合にのみ特許出願が意味がありますね。
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パート2          
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ところで、マジックの特許がどのくらい出願されているのか気になって、特許電子図書館(IPDL)で調べてみました。IPCとして「A63J21/00」を指定して検索すると、95件がヒットしました。うち特許は68件、実用新案が27件です。(この数値は概ね平成5年(1993年)以降に出願されたものの件数なので、これより古いものも含めると、件数はもっと増えると予想されます。)

特許68件の出願人をみると、有名な手品メーカの株式会社テンヨー(以下「テンヨー」と略します)が47件と圧倒的に多くの出願を行っています。また変わったところでは、カシオ計算機株式会社が5件出願しています。その他4社ほどが1~2件の出願を行っています。個人の出願も10件あります。

テンヨーの出願件数を年別に見てみると、1998年~2002年にかけて出願がやや低調(0~1件)な時期がありましたが、その他の年は概ね数件程度の出願を継続的に行っております。多い時には年間7件の出願がありました。ところが近年(2009年以降)はまた出願件数が減少しています。とくに2012年以降は出願が全くありません。

一方、テンヨーの47件の特許のうち特許登録された件数は23件です。およそ約半分が特許登録されたことになります。ところが、この23件のうち現在も権利が継続されているのはわずか5件で、18件を権利放棄しています。

権利放棄した時期を調べてみると2009年以降に集中しています。特に2013年は6件の特許を権利放棄しています。先にテンヨーは2009年以降出願件数が減少し、特に近年は出願が全くないことを述べましたが、これらの事実を総合すると、テンヨーの特許取得戦略が2009年を境に変わってきたことを窺わせます。

今回は「マジックと特許」という、一般の方にはあまりなじみのないお話で恐縮です。まあ雑学の一つとして、ヘーっと思っていただければ幸です。




 

(2014年12月24日(水) 15:06)

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この記事を書いたコーチ

Mr.マリックの教室に通った経験も!カードマジックを得意とするベテラン

不思議な手品教室
佐藤耕一 (手品)

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