サイタ音楽教室ジャズ(JAZZ)理論講座東京 多摩ジャズ理論入門 スクールブログ イパネマの娘(...

イパネマの娘(The Girl from Ipanema)

今回は、中級者の生徒さんのレッスンの課題として

イパネマの娘(ポルトガル語で"Garota de Ipanema")

の分析です。
せっかくですので、素描だけブログにも書いてみます。

ボサノヴァのナンバーとしてはもっとも著名な曲となった面白い歴史などは
ぜひWikipediaを見てみてください。とても楽しいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%9E%E3%81%AE%E5%A8%98

このブログでは、コードからこの曲の楽しさを考えます(中級者向けです)。

曲はまず、マイナーではなくて、メジャー系の曲です。
そして、maj7のコードから始まります。
つまりダイアトニックなコードで始まり、
私個人の印象は「ダイアトニックな感じの曲だな〜」です。

ダイアトニックな感じってどんな感じ??
これは、ブログでは伝えづらいのですが、
私の言葉で言い表すと、晴れて清々しい日に、
砂浜のある波打ち際で、そよ風とさざ波の音を聞いている感じです。

コードやスケールにはそれぞれがなんらかのイメージをもったりするのが大切です。
ある人は、そうではなくて、霧の朝もやの感じかもしれませんし、
色で言うと、薄い紫とか、淡いみずいろとか、いろいろあると思います。

例えば以下のブログには、
「とても自然なサウンドだなぁと感じるコード」
とダイアトニックなコードについて説明があります。

「ダイアトニックなコードとは?」(中級者向けリンク)
http://www.chaco2008.com/theory/1-8_diatonicchord.html

もういちどイパネマの冒頭1小節目の話に戻ります。

maj7で始まる曲、他にぱっと今思いついたのでは、
ユーミンの「中央フリーウェイ」があります。

「荒井由実「中央フリーウェイ」のコード進行を科学する」(上級者向けリンク)
http://goo.gl/SKdumU

同じmaj7のコードで始まります。
ここで、また違いを探してみます。
ユーミンの中央フリーウエイのメロディーは、「ド」の音で始まっています。
これは、Fmaj7のコードに対して「5」の音です。
つまり、普通のコードの構成音(1、3、5)のうちの一つです。

イパネマはどうでしょう。
Fmaj7のコードに対して、なんと「ソ」の音から始まっています。
これはFmaj7にとっての「9」の音で、テンション(緊張を与える、コードの構成音の上に拡張して重ねる音)です。

作曲者のカルロス・ジョビンさんは、
イパネマの美女を見て、テンションが上がってしまったのでしょうか、
「9(ナインス)」から始まる曲を書いたのです。

maj7のコードは、私からすると、さざ波であり、
ある人からすると「自然な感じがするなあ」という和音です。

ここにダイアトニックなスケールの中の構成音である9を載せると、
ダイアトニックな響きの中に、やや緊張感のある、
それでも自然で優しい響きを維持した、
Fmaj7 add9th
というコード感が立ち現れます。

これが、イパネマの娘の冒頭の1小節の出来事です。

まさに、Wikipediaにあるように、
バーでまったりしていたジョビンらが、
そこを通りかかった美女に心を奪われた瞬間のように、
私たちも、冒頭からこの曲に引き込まれてしまう秘密のひとつなのかもしれません。



・・・


なんだか、、冒頭の1小節のことだけ書いているだけで、
だいぶ長くなってしまいました。
イパネマの娘だけで10回はブログがかけてしまいそうなので、
今回はここまでです。


ぜひぜひ、テンションなどにも注意しながらイパネマを聞いてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=vErSg4SeOLk

イパネマの娘(The Girl from Ipanema)

(2014年9月10日(水) 21:30)

前の記事

この記事を書いたコーチ

著名作曲家にアレンジを学ぶ。どんな楽器にも応用できるコード活用法とは

新着記事

今回は、中級者の生徒さんのレッスンの課題として イパネマの娘(ポルトガル語で"Garota de Ipanema") の分析です。 せっかくですので、素描だけブログにも書いてみます。 ボサノヴァのナンバーとしてはもっとも著名な曲となった面白い歴史などは ぜひWikiped...

私は中学校までクラシックピアノというものを習っていたのですが、 やったり辞めたりしていました。 その理由に、 「ピアノレッスンが、あまり楽しくなかった」 というのがありました。 でも、中学校でショパンの「革命のエチュード」に出会ってからはしばらくの間はショパンに夢中になり...

私は音楽以外にも専門があるのですが、 ピアノもなんだかんだで30年近く続いています。 「芸は身を助く」と言いますが、 音楽・特にピアノは、趣味を飛び越えて、 友だちができるきっかけだったり、 恋愛が始まるきっかけだったり、 海外のバーでも思わぬうれしいハプニングが、 できるき...

ブログ記事 ページ先頭へ