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文章をきちんと理解することの大切さについて

今晩は。後藤です。

 今回は、「文章をきちんと理解することの大切さ」について、私の思うことを少し書いていきたいと思います。


 例えば、「民法」の条文を1つ挙げます。

(養親子等の間の婚姻の禁止)
第七百三十六条 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。

※「~の直系卑属」とは、基準となる人(「私」で表現します)よりも下の世代の人たちを指しています。「私⇒子供⇒孫⇒・・・」の【子供、孫、・・・】のことです。

※「~の直系尊属」とは、基準となる人(「私」で表現します)よりも上の世代の人たちを指しています。「・・・⇒祖父母⇒父母⇒私」の【・・・、祖父母、父母】のことです。

※「729条の規定により親族関係が終了した」とは「離縁した」ということです。

※祖父〒祖母
   父〒母
    私〒配偶者
     子供〒配偶者
       孫=配偶者

 この文章を見て、どういう文章構造か分かる、すんなりと意味が分かるという人は、法律の独特の文章表現について、きちんと理解できていると言っていいと思います。

 ただ、この文章がよく分からないからといって、文章の理解力がないというわけではなく、言葉の意味やこの文章で使われている重要な表現(=「又は・若しくは」)の理解がふわふわしているだけだと思います。

 まず、この条文の内容を分かりやすく言い換えますと、【「養子関連(この条文での登場人物は養子、養子の妻か夫、養子の子供や孫、養子の子供や孫の妻か夫、養親、養親の父母や祖父母です)」のくくりで婚姻できない場合はこういう組み合わせです】ということです。

 【〇〇「と」△△は婚姻できない】というのが【全体の文章構造】で、その「〇〇」と「△△」の部分について細かく指定しています。

 ちなみに、どういう組み合わせが婚姻できないと言っているかというと、

 ①「養子」が婚姻できない組み合わせ(縁が切れた後もダメ)
⇒「養子」と「養親」、「養子」と「養親の父母や祖父母」

 ②「養子の配偶者(妻か夫)」が婚姻できない組み合わせ(縁が切れた後もダメ)
⇒「養子の配偶者(妻か夫)」と「養親」、「養子の配偶者(妻か夫)」と「養親の父母や祖父母」

 ③「養子の子供や孫」が婚姻できない組み合わせ(縁が切れた後もダメ)
⇒「養子の子供や孫」と「養親」、「養子の子供や孫」と「養親の父母や祖父母」

 ④「養子の子供や孫の配偶者(妻か夫)」が婚姻できない組み合わせ(縁が切れた後もダメ)
⇒と「養子の子供や孫の配偶者(妻か夫)」と「養親」、「養子の子供や孫の配偶者(妻か夫)」と「養親の父母や祖父母」

ということになります。

 「〇〇」の部分は、「養子 or その配偶者(妻か夫)」、「養子の子供や孫 or その配偶者(妻か夫)」という小さなくくりが2つ(「or」のところに「若しくは」を置いています)あり、その2つを大きな1つのくくりにして、「or」(「又は」を置いています)でつないでいます。
 
 より分かりやすくするために、一段階ずつ「or」を入れてみます。

 「養子」と「養親」とは婚姻できない(「or」を省いた状態)。
 【「養子」か「養子の子供や孫」】と「養親」とは婚姻できない。
 【「養子」か「養子の子供や孫」】と【「養親」か「養親の父母や祖父母」】とは婚姻できない。
 【「養子」or「養子の配偶者」か「養子の子供や孫」or「養子の子供や孫の配偶者」】
と【「養親」か「養親の父母や祖父母」】とは婚姻できない。

 こう見てみると、「か」の部分に「又は」が入り、「~の配偶者」という部分が追加されている部分の「or」に「若しくは」が入っていることが分かります。
 つまり、同じ「or」だけど「くくりを分けている」ということです。

 全てを「又は」だけ、「若しくは」だけで表現してしまうと、非常に分かりづらく、どういう「くくり」なのかが曖昧になってしまうので分けて使われています(意味に違いが出る場合もあります)。

 ちなみに、「又は」と「若しくは」が同時に使われる場合、「又は」は大きなくくり、「若しくは」は小さなくくりと覚えるといいと思います。


 文章の内容が分かったところで、この文章をきちんと理解していれば何が分かるのかといいますと、例えば、「養子」が婚姻できないとされているのが、「養親」と「養親の直系尊属(父母や祖父母)」に限られていますが、

 養親の【「直系」=縦の系列のくくり】がダメなら、「兄弟姉妹」という横の系列はどうなんだろうという疑問が出てきます。
 この兄弟姉妹の系列のくくりを、基準となる人(「私」)のすぐ傍(そば)の系列という意味で【傍系】と言います。

 そして、疑問の答えとしましては、
「養子」と
「養親」の「傍系」、つまり、養親の兄弟姉妹、又は「養親の直系尊属(父母や祖父母)」の「傍系」(兄弟姉妹)との間であれば、婚姻ができます。

 実は、他の条文にも、この婚姻を認める文言がきちんと記載されています。

(近親者間の婚姻の禁止)
第七百三十四条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。


 これが、「文章をきちんと理解する」ということで、そうすることで、色々な疑問が出てきて知識がさらに深くなります。

 そして、この2つの条文から分かるように、法律に書かれている文章は、他の条文と矛盾しないように、一言一句に細心の注意を払いながら、色々な方向から考えられて定められていると思われます。

 法律に書かれてあることが、そのまま法的効力をもって現実に作用するので、当然と言えば当然ですが、それだけ、法律の文章は「極めて重要な意味を持つ」ということです。

 当然、法律の文章で表現されている内容でも、「この言葉はどういう意味で言っているのか」、「範囲が指定されていないが、どこからどこまでを指しているのか」、などその文言について多種多様な点で争われることもありますが、それらは「判例」として、結論が出されています(まだ決着していない論点もあります)。


 そして、行政書士試験の問題として書かれている文章もまた、法律と同じとは到底言えませんが、一言一句にかなりの注意を払って作られています(誤解を恐れずにいえば、少なくともtwitterなどで気軽に文章を作っているのとは訳が違います)。

 なので、それもきちんと理解しないと、知識としては知っていても、問題文の指示通りに解かないことで不正解になることも少なからずあります。
 
 試験本番では、ある程度、問題を解く速さも求められますが、それは文章を正確に読めるという大前提のもとで、+αとして必要なものです。
 不正確のまま速く読んで、結果として間違えるのは本末転倒ですので、そこは気を付けていただきたいなと思います。


 以上、「文章をきちんと理解することの大切さ」について少し書いてきましたが、このブログも、文字間違いはないか、表現はこれで伝わるかなど、結構気を遣って書いているんですよ~・・・・・・・・・なぁ~んてね、すみません。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

後藤 悠

 

(2018年2月15日(木) 20:51)

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