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行政法 判例「土地区画整理事業計画決定の処分性」(処分性を認めた事例)

◆平成20年9月10日 行政処分取消請求事件 最高裁判所大法廷 判決
民集 第62巻8号2029頁
【判示事項】
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象
【裁判要旨】
 市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。

施行地区内の宅地所有者等は,事業計画の決定がされることによっ て,前記のような規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるものということができ,その意味で,その法的地位に直接的な影響が生ずるものというべきであり,事業計画の決定に伴う法的効果が一般的,抽象的なものにすぎないということはできない。

換地処分を受けた宅地所有者等やその前に仮換地の指定を受けた 宅地所有者等は,当該換地処分等を対象として取消訴訟を提起することができるが,換地処分等がされた段階では,実際上,既に工事等も進ちょくし,換地計画も 具体的に定められるなどしており,その時点で事業計画の違法を理由として当該換地処分等を取り消した場合には,事業全体に著しい混乱をもたらすことになりかねない。それゆえ,換地処分等の取消訴訟において,宅地所有者等が事業計画の違法を主張し,その主張が認められたとしても,当該換地処分等を取り消すことは公共の福祉に適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性が相当程度あるのであり,換地処分等がされた段階でこれを対象として取消訴訟を提起することができるとしても,宅地所有者等の被る権利侵害に対する救済が十分に果たされるとはいい難い。そうすると,事業計画の適否が争われる場合,実効的な権利救済を図るためには,事業計画の決定がされた段階で,これを対象とした取消訴訟の提起を認めることに合理性があるというべきである

市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって,抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ,実効的な権利救済を図るという観点から見ても,これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。したがって,上記事業計画の決定は,行政事件訴訟法3条2項にいう 「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たると解するのが相当である。

【ポイント】
事業計画の段階では処分性が無く、計画に対する取消訴訟は起こせないというのが従来の裁判所の考え方。それを変更したものが本判決。
なお、本判決の内容理解において「違法性の承継」「事情判決の法理」を確認すること。

 

(2015年11月21日(土) 18:24)

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