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行政法(公法私法関係判例 その1)

7月18日(土)レッスンより
 法を大別すると公法と私法に分けられる。他に社会法というのもあるが、これは置いておく。

 公法とは、国・地方公共団体(以下、国等)と、それらと国民の関係を規律する法であり、他方、私法とは私人間の関係を規律する法である。とすると、国等と国民との関係(行政上の法律関係)は公法である行政法が適用されるのが筋である。しかし、国等と国民との関係はさまざまな関係があり、実質的に私人間の関係と変わらない場合も存在する。(役所が事務用品を文具店などから購入する場合や、公民館等を一般人に貸すような場合を考えてみよ)

 つまり、行政上の法律関係には、一律全てにおいて公法が適用されるのではなく、その内容によっては、私法が適用される事があるという事で、公法、私法どちらが適用されるのかという点が問題となったのが以下の判例である。

 なお、ここを理解するには民法の知識が必要であるので、民法を学習後再度確認するのがよい。また、考え方の鍵となるのが、権力的かどうかといった点でもあるので、公法(行政法)と私法の違い、行政行為とはいかなるものかを理解しておく事。


【自作農創設特別措置法による農地買収処分と民法第一七七条】
【ポイント】自作農創設特別措置法による農地買収処分については、民法第一七七条は適用がない。

 自作農創設特別措置法(以下自作法と略称する)・・・に基く農地買収処分は、国家が権力的手段を以て農地の強制買上を行うものであつて、対等の関係にある私人相互の経済取引を本旨とする民法上の売買とは、その本質を異にするものである。従つて、かかる私経済上の取引の安全を保障するために設けられた民法一七七条の規定は、自作法による農地買収処分には、その適用を見ないものと解すべきである。政府が同法に従つて、農地の買収を行うには、単に登記簿の記載に依拠して、登記簿上の農地の所有者を相手方として買収処分を行うべきものではなく、真実の農地の所有者から、これを買収すべきものであると解する。

【考え方】農地買収処分は不在地主から無理矢理土地を取り上げる権力的なものだから、私法である民法の規定(177条)が適用されない。農地はNO(ノー)と覚える。

(注)自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分によって買収した土地の所有権については「国は、登記なくして第三者に対抗することはできない」(最判昭和41年12月23日民集第20巻10号2186頁)。
 こちらは、奪い取った土地が誰の物かを明らかにするだけのことなので権力的とは言えないゆえ、第三者との関係で177条の要件が必要ということ。



【国税滞納処分による差押と民法第一七七条】
【ポイント】国税滞納処分による差押については、民法第一七七条の適用があるものと解すべきである。

国税滞納処分においては、国は、その有する租税債権につき、自ら執行機関として、強制執行の方法により、その満足を得ようとするものであつて、滞納者の財産を差し押えた国の地位は、あたかも、民事訴訟法上の強制執行における差押債権者の地位に類するものであり、租税債権がたまたま公法上のものであることは、この関係において、国が一般私法上の債権者より不利益の取扱を受ける理由となるものではない。それ故、滞納処分による差押の関係においても、民法一七七条の適用があるものと解するのが相当である。

【考え方】差し押さえてしまったのだから、それを第三者に明らかにしておくべきでそのことは権力的行為とは関わりがない。よって177条が適用される。

上の農地とセットで覚える。そのとき、農地はノー、差し押さえは反対と覚える。


【公務員に対する安全配慮義務】
【ポイント】国は、国家公務員に対し、その公務遂行のための場所、施設若しくは器具等の設置管理又はその遂行する公務の管理にあたつて、国家公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負つているものと解すべきである。
国の安全配慮義務違背を理由とする国家公務員の国に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。

・・・・ 安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、・・・ 国が、公務員に対し安全配慮義務を負い、これを尽くすことが必要不可欠であり(る)・・・そして、会計法三〇条が金銭の給付を目的とする国の権利及び国に対する権利につき五年の消滅時効期間を定めたのは、国の権利義務を早期に決済する必要があるなど主として行政上の便宜を考慮したことに基づくものであるから、同条の五年の消滅時効期間の定めは、行政上の便宜を考慮する必要がある金銭債権であつて他に時効期間につき特別の規定のないものについて適用されるものと解すべきである。そして、国が・・・被害者に損害を賠償すべき関係は、公平の理念に基づき被害者に生じた損害の公正な填補を目的とする点において、私人相互間における損害賠償の関係とその目的性質を異にするものではないから、国に対する右損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法三〇条所定の五年と解すべきではなく、民法一六七条一項により一〇年と解すべきである。

【考え方】国等と国民との間でも、一般企業と被雇用者との間でも、使用者は被使用者がケガなどしないように気をつけてあげるべきで、これは、権力的とは関係ないから、私法の考え方も排除されない。よって、安全配慮義務を負う。

 消滅時効の期間は、一般的な行政と国民との関係は公益が関わり関係者も増えてくるので速い目に決着をつけないといけないが、国等と被害者との関係にとどまる場合、とくに急がせる必要もないし、被害者救済の観点からみても10年とした。

 なお、この事件では、原告側は、不法行為による損害賠償請求ではなく安全配慮義務違反(債務不履行)による損害賠償請求としている。これについては、消滅時効の期間の違いをふまえて考えてみて下さい。

 

(2015年7月21日(火) 13:24)

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