William Somerset Maugham の The Narrow Cornerを
読んでいると主人公のDr.Saundersがいっしょに船旅に出かけた若い青年に
次のような人生論をぶっている場面に出くわします。
”I never had any sympathy with the ascetic attitude. The wise man combines the pleasures of the senses and the pleasures of the spirit in such a way as to increase the satisfaction he gets from both. The most valuable thing I have learnt from life is to regret nothing. Life is short, nature is hostile, and man is ridiculous, but oddly enough most misfortunes have their compensations and with a certain humour and a great deal of horse-sense one can make a fairly good job of what is after all a matter of very small consequence.”
(拙訳)
私は禁欲的な態度をとったことがありません。
賢い人は感覚から得られる喜びと、
精神から得られる喜びを組み合わせることによって、
両方の満足をふやそうとするものです。
私が人生から得た最も貴重な教えは、
なにがあっても後悔はしないということです。
人生は短いし、自然は思うようにはならない、それに人間はおろかです。
しかし、まったく奇妙なことですが、
失敗しても多くの場合見返りがあるものです。
それにまた、そこそこのユーモアをもちあわせ、
しっかり常識をわきまえておれば、
たいへんつまらないことをしていても、
ふりかえってみると結構うまくやっているものです。
「人間万事塞翁が馬」と言いますが、
南太平洋をこよなく愛した西洋の塞翁モーム(Maugham)も
臆病な人生はつまらぬではないか!と諭している、・・・
これは青年だけでなく、
むしろこれから何十年もある新老人にこそいえるセリフかもしれない。
(添付写真:伊豆の大室山)

(2015年4月16日(木) 15:08)