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安全はタダ?

1968年に、日本のGNPがドイツを抜いて世界第二位になった。
そして1970年の世界万博は日本のそんな存在感を世界に示す好機となった。

みんな知っているとおりですね。

しかしとうとうあこがれの西洋先進諸国を抜いて成り上がった日本は、
むしろそのために「自分とは何者なのか?」
というアイデンティティの不安の影に付きまとわれることとなった。

そんな時に刊行された山本七平の日本人論「日本人とユダヤ人」が
空前のベストセラーになったのはおおいに頷けることかもしれません。

同書第一章に
「日本人は安全や自由はただだと思っている」
と述べられてありますね。  

安全を獲得するのがどれほど高くつくことか、
という長い歴史を生きてきたユダヤ人の口から出たこの言葉は、
たいへん重い。

日本は海に囲まれているだけでなく、
極東に位置しているため外敵の侵入はない。
そしてこれほど世界がグローバル化しても、
いまだに外国からの入国者数が極端に少ない。

  (そんなたいへん珍しい国をいちど見てみたいというわけで、
  今お金持ちの外国人旅行者が急増しているけれども、
  千客万来の諸外国と比べれば、
  お客さんが来ない国であることには、かわりはない。)

そのうえ単一文化圏を構成している日本は、
1億2千万人みんな家族みたいなもので、
怖がるほうがおかしいのかもしれない。

そんな国ですから安全はタダというのは、
ごく当たり前の感覚なのでしょう。
その昔、東海道五十三次をご婦人一人で旅しても安全だったこの国は、
いまでも安全はタダという遺伝子を引き継いでいるのかもしれない。

このあいだひとりで留守番していると、
こんなことがありました。

わが家の玄関先で人の気配がするので、窓から覗いてみると、
作業服を着た庭師らしい職人が何人かで剪定枝をかき集めている。

出て行ってこちらから挨拶すると、

「あっ、おられたんですか!
何回もブザー鳴らしたのに出てこないので、入ってきたんですよ、・・・」

とおっしゃる。

同じことが水道のメーターを測りに来る人からも言われました。

「ブザーならしておられなかったら入らせてもらっています、・・・」

と同じ口実を聞かされる。

これらは、日本人みんな家族という論理で正当化されているようですね。

よその家に無断で入ることは、正当な用事があれば許される。

しかし宅配業者は、
ブザーの応答がなければ、届け物を持ち帰る仕組みが確立されていて、
無断侵入はダメというグローバルスタンダードで支配されている。

まあこんな古い習慣と新しいシステムが入り混じった、スバラシイ日本ですが、
身の回りには大小さまざまな事故や事件が起きていることもまた事実ですね。

しかし、わたしたち老人は

万に一回の危険を予知する能力(Contingency plan)があるので、

すくなくともキケンはさけようとするし、
キケンを誘発する愚も弄することはない。



安全はタダ?

(2015年1月21日(水) 16:57)

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