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新しい老人

先に議論したように
今の老人は「定年後しばらくすると死んでいく老人ではなく、
社会で働いていた時と同じくらいの時間を生きていかなければならない。

これまでの「余生」とか「老後」とか「第二の人生」ということばには、
定年までの人生が主で、定年後の人生は従という響きがつよかった。

しかし定年後20年も30年も生かされ続けるこれからの新しい老人は、
これからの人生は、オマケの時間でも、余った時間でも、第二の人生でもなく、
「新しい人生」あるいは「もうひとつの人生」として
捉え直すことを要求されているかもしれない。

いいかたを変えれば、

新しい老人は本日が誕生日です。
ですから前世(生まれる前)のことは知らない。
だから未来をどのように生きていきたいか、という興味しかない。

小さい時に、
大きくなったら何になりたいか、
両親や先生からなんども聞かれましたね。
そしてその夢に向かって勉強するように言われました。

今生まれたばかりの老人はその時とおなじように、
これからどんな人生をどう生きたいかを自問しなければならない。

そこではただひとつ大事なことがあります。
それは、過去を振り返らないことです。
今生まれたばかりですから、過去はないからです。

そんな人生を考えてみませんか。

さあ春の空気を胸いっぱい吸って、
夢いっぱいの未来を思い描きませんか。

*****

ある誌上の新春対談で高名な編集委員が、
「・・・ 長いあいだ蓄積してきた知恵、経験を今こそ生かさなないとダメです。
培ってきたものを社会に還元する。
・・・ そのためには健康なうちは働かないとダメ、・・・」
と説いておられる。

これに異を唱える老人はいないかもしれません。
しかし、

「社会に還元」することがすなわち「働き続けること」
と説く論調にはいささかの飛躍を感じます。

また「働く」ことだけが、
社会への還元でもないし、
生産行為だけが社会的な行為でもない。

生きがいというのは
なにも働くことからしか得られないというのでもない。

また、
働く気持ちのない裕福な老人、
お金はないけれどもう働くのはもうごめんと思っている老人、
あるいは働きたくても働けない老人、

このような大多数の老人を相手に
働き続けることを説いても、現実的な説得力があるとは思えない。

ただ逆に、
いつまでも過去にぶら下がっていないと不安なご老人、
あるいは、何歳になっても社会から必要とされ続ける人たち、
また体が不自由になってしまった老人、
さらに、いつまでも働きつづけなければ生活していけない老人は、

またちがった生き方が提案されなければならないかもしれません。

(続く)

新しい老人

(2015年1月5日(月) 13:05)

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この記事を書いたコーチ

アムステルダムで囲碁クラブを設立。世界各国で虜にした囲碁の魅力を貴方に

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金田つぐひこ (囲碁)

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