サイタ語学の習い事ドイツ語教室愛知 なんでもドイツ語教室 スクールブログ 呼称②  –超...

呼称②  –超えた一線は引き返せない–

こんにちは、コーチの内藤です。

前回に引き続き、今回も呼称に垣間見る人情の機微に関してです。
今回は『Sieあなた』の関係であることのメリットについて。

これも体験談なのですが、独立した後の話です。
ある時、長年のビジネスパートナーから人を紹介されました。
私とその人は、紹介者であるビジネスパートナーの前で『Sieあなた』での自己紹介を済ませました。そしてその後、私のビジネスパートナーは席を外しました。
しばらく2人で雑談をしていると、「Bin Andreas (アンドレアスと呼んで)」と言われました。
前回記述の「Duのオファー」ですね。
もちろん私はそのオファーを快諾しました。

実は、私は長年の付き合いで気心も知れているビジネスパートナーとは『Sieあなた』の関係です。
ビジネスパートナーとAndreasは『Duきみ』の関係。
私とAndreasは今日知り合ったばかりですが『Duきみ』です。
しかもそのことを私のビジネスパートナーは知らない。
その日の夜は3人で会食をすることになっていましたので、正直ちょっと面倒なことになったななんて思っていました。
まずAndreasが、私たちが『Sieあなた』の関係であることに気づきました(笑)。
するとAndreasは、私のビジネスパートナーに申し訳なさそうに
「実はさっき、僕たちDuにしたんだよ」と言い、
すかざず私のビジネスパートナー(年上)が私に
「Duにしよう(笑)」。

これまたのっぴきならない感じで『Duきみ』の関係になりましたね。
そりゃ、そうなりますよね・・。

私はビジネスパートナーと長年『Sieあなた』の関係のおかげで、仕事がとてもやりやすかったので 内心「やれやれ」と思いながらオファーを受け、
ビジネスパートナーも半ば強制的にオファーをせざるを得ない状況で「やれやれ」だった ことでしょう。
またAndreasの顔には、紹介者である私のビジネスパートナーを差し置いて私とDuになってしまっていることへの気まずさと、私とビジネスパートナーがSieの関係だったことへの驚きが現れていました。

『Sieあなた』には、『Duきみ』では表せない相手への敬意を含んでいますし、距離という緩衝材が人間関係を円滑にする役割を果たすこともあります。
必ずしもフレンドリーな『Duきみ』の関係が歓迎される場面ばかりではないということなのですね。

話は少し飛びますが、スェーデン語はほぼ『Duきみ』に統一されているのですが(その辺をドイツ人は単純明快で実に羨ましいと思っているようなのですが)、若者たちの間で、基本的に王室で、しかも目上から目下に話しかける時の『Sieあなた』(スェーデンにおけるSie)を、日常で使用するようになってきたという現象がありました。そもそも電話よりメールやLINE、WHATSAPPなどでコミュニケーションを取る世代。ITによってもたらされたコミュニケーションツールの変化が、若者の間で相手との心地よい距離感を変化させたのは当然のことなのかもしれません。
敬称が存在しないのに、それをむりやり作ってまでスェーデンの若者たちは、年上世代に「距離感、近いですよ」と必死のメッセージを送っています(笑)。

次回ももうちょっと呼称について書こうかな(もういいか)。

 

(2018年6月30日(土) 16:44)

前の記事

次の記事

この記事を書いたコーチ

15年間現地で生活。ネイティブ並みの発音と豊富な話題で、ドイツを満喫!

新着記事

こんにちは、 コーチの内藤です。 さて、シリーズ(化したのか?)第3弾。 前回、前々回と呼称にみる心の機微について書いてきました。 『Sieあなた』から『Duきみ』への呼称の変化がもたらす様々な当事者の心模様を見てきましたが、今回は 『Duきみ』から『Sieあなた』の関係へ移...

こんにちは、コーチの内藤です。 前回に引き続き、今回も呼称に垣間見る人情の機微に関してです。 今回は『Sieあなた』の関係であることのメリットについて。 これも体験談なのですが、独立した後の話です。 ある時、長年のビジネスパートナーから人を紹介されました。 私とその人は、紹介...

こんにちは、コーチの内藤です。 今回は、呼称に見る人情の機微について書こうと思います。 文法の話ではありませんよ(゜゜)! ドイツ語会話においても、相手の呼び方は状況や相手との関係を考慮しながら変化します。でも尊敬語や丁寧語、謙譲語がないだけ、ずっとずっと簡単です。 敬称Sie...

こんにちは、コーチの内藤です。 皆さんの、外国語を学ぶ楽しみって何でしょうか? 私の場合、外国語を学習する楽しさの一つに、その言語での言い回し、諺や格言などを調べてその背景を探ったり、日本語のそれと対比したりするというのがありました。 地味ですねー。 その魅力はやはり、短...

懐かしい地域の話だったので ベルリンはクロイツベルグ地区のGörlitzer Parkに、警察と麻薬ディーラーの仲介役を務める民間の守衛を置いているという話です。 http://www.dw.com/de/berlin-ein-parkwächter-und-die-dealer...

レッスン無料相談窓口のご案内

サイタでは、ドイツ語レッスンに関する疑問に
専門カウンセラーがお電話にてご案内しております。
お気軽にご利用ください。

お電話相談窓口はコチラ

ブログ記事 ページ先頭へ