講師のYujiです。
ギターという楽器は奥は深いですが、比較的やり易い楽器であります。
五線譜の代わりにTAB譜という攻略手段がありますし、コードもスリーコードを押さえれればそれだけである程度「弾ける」事になってしまいます。
ですから、そのとっつき易さからギター経験者ってのは非常に多いです。
ですが、このやり易さ、始め易さの「お手頃感」が、いい所でもあり、悪い所でもあると思います。
まずピアノの鍵盤を思い浮かべてください。
鍵盤のどこがドでどこがレで…とか分かりますか?? 大抵の人なら分かると思います。
しかも一列の鍵盤に同じ配列のブロックがオクターブ違いで並んでいるので、比較的広い幅で対応できる。
それに対し…
ギターの指板で、どこがドでどこがレで…とか全て把握出来てる人がどれくらいいるでしょうか??
案外いないんですよね。
この背景にはTAB譜の存在があります。
TAB譜というのはその分かり易さ、便利さ故に落とし穴があります。
「ここの音は何弦の何フレットを押さえる」と言う勝手なルールを作ってしまい、プレーヤーを洗脳してしまうのです。
例を出すと…
ある曲中にドという音が出てきたとします。
TAB譜では3弦5フレットで押さえると表記されていました。
多くの人はそのまま3弦5フレットを弾いてしまいます。
確かに間違いではないですが、このドは
2弦1フレットでも
4弦10フレットでも
5弦15フレットでも
6弦20フレットでも
弾けちゃう訳です。
ちなみにニュアンスの違いこそあれ、すべて同じ高さのドです。
案外、違うポジションで弾いた方が弾き易かったり、ニュアンスが近づいたりします。
で、人というのは自分が自ら得た情報をそのまま信じ込んで疑わない生き物ですから、
例えば他の人が同じ曲を弾いていて、ドの部分を自分の知っているポジションと違うポジションで押さえて弾いてたりすると、
「そこの音はここで押さえるんだよ」
なんてあたかも自分が正解の様に言ってしまいます。笑
TAB譜というのは必ずしも正解ではありません。
その曲を作った本人が採譜してるワケじゃなく、あくまで他の人間がコピーをして採譜しているのです。
本当の正解の弾き方は、その本人のみぞ知ると言った所でしょうか。
そして、TAB譜に頼り続けたばっかりに、今自分が何の音を弾いてるのか把握できず、
「3弦5フレット」
と言われればパッと押さえれるのに
「ド」
と言われるとなかなか押さえれない状況に陥っている人が世の中の大半です。
そこのあなた、TAB譜に洗脳されていませんか??笑
でもかといってTAB譜がダメだと言っている訳ではないです。
TAB譜は良き参考書になりうるし、自分が耳コピしていて気づかなかった点を気づかせてくれる事もあります。
ただ、TAB譜は解答ではないという事だけは頭にいれておいてください。
あくまでヒント集、参考書程度に考えるのがベストだと思います。
まぁ…こんな事言ってる僕ですが、やはりTAB譜は便利な点が多いし、他の人に伝え易いので、レッスンで多様してますが。笑
ですのでTAB譜についつい頼ってしまう気持ちは分かります。
でも最低でも指板は把握してどこに何の音があるかは把握するように努力しましょう!
普通に考えて、
「自分の専門楽器なのに、ドコに何の音があるか分からないって、それって本当に自分の専門楽器なの?」
って他の楽器の人から見ればこう思う事でしょう。。
ま、いきなりってのも厳しいでしょうが、徐々に徐々に…ゆっくり確実に少しずつ五線譜や指板の把握に慣れていってもらえればと思います。
で、早く覚えるにはやっぱり運師練習のときに「ドレミファ〜」って弾きながら一緒に歌う事が一番だと思います。
いったん指板を把握してしまうと、いろんな事がスムーズに理解できて、ゆくゆくはいろんなスケール、コードが押さえる事が可能になりますから。
そうすると一気に上達した気分になれますよ! ってか上達しますよ!
ぜひ、指板の把握、五線譜に慣れる練習をしてみてください。
(2007年7月12日(木) 23:51)