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覚悟

スタジオにいた若者達が、
「昨日のライブ、めっちゃ手抜いたわ〜」と自慢気にメンバーに話し笑っていた。
話の流れから察するに、
明らかに売れる事を意識しているバンドの様だが、昨日は客数も少なく気持ちが入らなかったのだそうだ。
君達は絶対に売れない…。

売れてはいけない…。
売れるわけがない。

ステージに立つ事は勿論、
手を抜く職人の仕事など評価されるはずがない。
売れる事、大きな夢を語る前に、
己と向き合う事から始めなさい。

誰よりも練習し情熱の全てを「音」に注ぐ。
それが音楽家という職業だ。

華やかなステージはほんの一瞬であり、そこに向かう為の努力や、応援してくれる人達への感謝を忘れた者に成功などない。

ライブを見るために遠方から来てくれる人達は、交通費は勿論、中には仕事を休んでホテルを予約しチケットを購入して、その「瞬間」を共有するために沢山の犠牲を払ってライブを見に来て下さっている。

応援しているアーティストに手を抜かれたんじゃ、たまったものではない。
売れるアーティスト、
売れているアーティストは、
その事を常に忘れず、それに値する努力をしている人達なのだ。
倍近く年の離れた若者達は、
「バンドマン」という偽りのブランドに酔っているのだろう。

案の定、
彼らの使用した後のスタジオ内は、全く片付けもされておらず悲惨だった。
ライブハウス経営に考えを及ぼす時、家賃光熱費、人件費等、ノルマを課して出演者を抑えなければ経営が成り立たない現状も理解できる。

だがしかし、
本来ライブハウスはアーティストに好き勝手させる場所ではなく、時に叱り、時に励ましながら、育成させていくべき神聖な場所なのだ。

最近はめっきりそんなライブハウスも減ったが、老舗と呼ばれるライブハウスが長年続いているのは、「きちん」としているからだ。

そこに立つ事が目標であり、
そこから旅立っていく日が来るまで、さらに大きなステージへと送り出すために、叱責があって然りなのだと思う。
30分のステージを終え、
1時間のダメ出しをくらい、
「次こそは」とバンドに悔しさを与える。

それがライブハウスだ。

彼らがどこでライブをやったのかは知らないが、質より量で運営している箱なのだろう。
個人的見解のため、
この投稿により不愉快と感じる方もいらっしゃるだろうがご容赦頂きたい。

音楽を楽しむ自由は誰にでもあるが、大きな希望を抱く若者バンドに対して、しっかりと導いて欲しいと願う。

そして、
自分が関わっているミュージシャンや仲間達は、おそらく俺の性格や考え方を十分に理解し、時に鬱陶しくあっても、今こうして音を奏でてくれている事に心から感謝している。

当然、
日頃から支えて応援してくれる人達の事を、片時も忘れる事はない。
一見華やかに見える職業だが、
一瞬のステージのための葛藤や自問自答、
自己嫌悪はどんな仕事にも引けを取るものではないと自負している。
金や権力には全く縁のない人生だが、ただ1つ、一点の曇りなく断言できる事がある。
「俺は音楽家だ」と。

命懸けの仕事だ。

生涯現役、1ドラマー。

 

(2015年12月17日(木) 11:08)

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この記事を書いたコーチ

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