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卒業式といえば。

卒業式シーズンです。

だんだんと暖かくなり花の蕾も膨らんでくるこの時期、晴れ着姿の女性が華やかに街を行き交うのを見ると、こちらまでなんだかウキウキしてきます。

成人式といえば絶対袴でしょ!ということで、私は自分の大学の卒業式には袴を着ると決めていました。母が彼女の成人式で着たという中振袖を出してくれることになっていたので、合わせる袴を何ヶ月も前から探し、髪はどうしようかな、足元は草履とブーツとどっちがいいかな、などなどあれこれ考えたものです。そういえば髪飾りを自分で作った気がします。着物と同色の大きなリボンをバレッタにつけて。本当に大きかったなあ…若かった(笑)
ベストなコーディネートを決めて、当日を迎えました。

卒業式の朝、母にばっちり着付けてもらい(当時は自分で着られなかった)、やたら自信満々で会場へ。
しかし、そこで私はある同級生の振袖姿に目を奪われたのです。

深く鮮やかな緑の地色に花柄の振袖。橙色や黄色で縁取られた桜や牡丹や梅の大きなモチーフが、肩口や裾に鮮やかに大胆に配されていました。金糸や銀糸の刺繍で豪華に飾られた袋帯。明るい朱色の絞りの帯揚げ。
そして彼女の、はじけるような笑顔。

普段は細身のジーンズにスニーカー、美人だけど飾らず、性格も外見もボーイッシュな彼女。
その彼女に、こんな風に着物が似合うなんて!

私は思わず「その振袖、すごいね!」と声をかけました。本当に凄かったから。すると彼女は、振袖はおばあさまのものだと教えてくれました。孫へと受け継がれた本物のアンティーク…その本物の物語性にまたもや驚愕。
着物そのものの存在感、スタイリングの見事さ、そしてそれに負けない輝きを持った彼女自身、全てに圧倒されました。
むしろ嫉妬さえしていたかもしれない。

私は私なりに準備したけれど、どちらかというと大人しめの、きちんとした正統派のコーディネート。なぜか「卒業式は袴」と決めつけてそれ以外の選択肢を検討もしませんでした。彼女の、普段の彼女から垣間見えるよさも見えないけど秘めていたよさも、ぜーんぶひっくるめてここ一番の晴れ姿に一気に昇華させた、まるで大輪の花がぱっと開いたようなその天晴れな姿に、私は完敗したのでした。

ま、勝負していたわけではないので、私が勝手に「ま、負けた…」と思ったというだけなのですが、私にとっては今でも一番センセーショナルな卒業式の思い出です。でも、負けてショックというよりは「うわあこんな世界があるんだ!いいなあ!」とむしろ興奮していました。いいもの教えてもらったな、と。

誰かの着物姿を見て「はっとさせられた」のは、思えばこの時がはじめてだったかもしれません。
そしてこの時の「はっ」が、私の着物人生のひとつの出発点と言えるかもしれません。

ホントに素敵だったんだよ、あの時の彼女。

 

(2015年3月21日(土) 17:02)

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この記事を書いたコーチ

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