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人はなぜ写真を撮るのでしょう?

風景写真、ポートレート、ドキュメンタリー、アート…。写真のジャンルは様々ですが、なぜ人は写真を撮るのでしょう?

様々な動機があると思います。山を登り続ける人が、その理由を「そこに山があるから」と答えたのに似たように、そこに記録したい美しい風景があるから、とか、成長を刻んでいく子供がいるから、とか、戦争で苦しんでいる現実があるから、とか言うこともできるでしょう。でも、その根元にあるものは、意外と共通しているようにも感じます。

それは、写真が素晴らしい「コミュニケーションツール」だからではないかと思うのです。

ごく私的な経験から生まれたものかもしれませんが、私が写真を始めたきっかけをお話ししましょう。 私は19歳の時に単身でアメリカの大学に入りました。初めは何もかもが新鮮で、心のドキドキは収まりませんでした。わからない言葉、見たこともない風景や人たちに囲まれて、私は生まれて初めて「私は自由だ」と感じることができました。それは素晴らしい体験でした。

自由の国、とアメリカは例えられますが、それは何をしてもいい、というわけではなく、全て自分の判断で、行動の責任は自分一人にある、ということです。ムラ社会の日本では感じられなかったことです。

しかし、渡米して数年が経ち、言葉にも社会にも慣れてきた頃から、この自由ゆえの疑問が私の中に芽生え始めました。それは、「本当のお前は誰だ」というアイデンティティの定義への問いかけです。そんなこと、日本では考える必要もなかっただけに、私は大きなショックを受けました。言うなれば、自我の崩壊です。

このショックが大きすぎたために、私はどうやって外の世界とか関わればいいのかわからなくなりました。実際、外に出ることが怖くなり、数週間もの間、寮の部屋に閉じこもって自問自答に苦しみました。まるで、丸裸にされて着る服もない、といった感覚です。

それまで私は心理学を学んでいましたが、心理学に答えはない、と思うに至りました。とにかく外的世界と内的世界の接点を見つけなければ生きていけない。そこまで追い詰められました。そこで出会ったのが、写真です。

写真で自己を表現して、それを見る人が私という人間を感じ取る、というコミュニケーション手段になったのです。これは、私にとって革命的で運命的な出会いでした。そして私は、ようやく外的世界との接点を見出したのです。

長くなりましたが、これが私にとっての写真との出会いでした。それから15年の間に私の心にも変化があり、写真の持つ意味も変わってきました。今では、純然にアートとしての写真を研究し、自立して追い求めることができるようになりました。これは、私が商業写真の世界に馴染めなかった理由でもあります。私は、写真芸術を通じて自己を表現し、それを世界と共有したいのです。

だらだらと書き大変恐縮ですが、皆さんにも「なぜ写真が好きなんだろう」と自己から一歩下がった視点で考えてみていただきたいのです。答えは必ずしも必要ではありません。それを追い求めることが、写真を続ける動機であってもいいのです。

私的なつまらぬことを書きましたが、少しでもこんな私に共感いただけたら幸いです。

isao

人はなぜ写真を撮るのでしょう?

(2018年7月24日(火) 2:43)

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