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写真は文系? 理系? (長文注意)

おはようございます。
爽やかな朝ですが、今日も暑くなる予感がすでに漂っています。熱中症には重々お気をつけください。

さて、皆さんは写真を文系の分野だと思いますか? それとも理系?
芸術写真、というジャンルで考えると文系のようですが、カメラという機器を扱うことを考えると、理系のような気もしますね。

いまでこそ化学的かつ科学的な知識がそれほど無くても、シャッターを押せばそれなりの写真が撮れるほどにカメラは進化しました。ですが、写真術の黎明期に写真を撮っていた、撮れていたのは、化学に精通した化学者や医者といった人たちが多かったのです。それは、薬剤の配合で出来上がっているフィルムや印画紙、といった「感材」と呼ばれるものの仕組みを、理解していないといけなかったからです。

デジタルが台頭し普及するまでのほんの数十年前までは、写真はフィルムで撮られていました。感覚で撮ってしまう人も少なくありませんでしたが、広告スタジオなどの商業カメラマンにとっては、フィルムにどんな薬剤が使われていて、光に当てるとどんな化学反応を起こすか、ということにも精通していなければなりませんでした。

いわゆる「エマルジョン」と呼ばれる、フィルムの表面に使われている薬剤はタンクで作られ、それが切れると作り変える、つまりエマルジョンが変わります。すると、カメラマンは数あるフィルム全てのテストを行い、こう撮ればこういう色になる、というフィルムの薬剤ごとの特性を把握しなければなりませんでした。これは、ちょっとやそっとでは身につかない知識です。

あと、写真を撮る上でいまでも変わらず重要な要素に「露出」というものがあります。いまは「カメラ任せ」でも綺麗に撮れますが、以前は「露出計」というものを使って光の量を測ったり、「カラーメーター」というもので光の「温度」まで測らなければ、意図した通りの写真は撮れなかったのです。これもまた、頭を悩ませる理系的知識が必要になります。

つまり、写真を撮る、という行為は、極めて理系的だったのがフィルムの時代です。デジタルのいまも、センサーの違いやエンジンの違いなどの特性をきちんと理解して撮らないと、本当に「カメラを自分の道具にしている」とは言い切れないところがありますが、ほとんどの方はカメラを選ぶのにセンサーの特性など気にもしないでしょう。実際、カメラメーカーも各社独特の「味」を再現するよりも、より「綺麗な写真」が撮れるように気を使っていますので、自然とどのカメラメーカーのセンサーも、特徴は似たり寄ったりになってきています。便利な世の中になったものです。笑

それによって、写真を撮る上で化学的・科学的な知識は重要視されなくなってきて、より「文系的」な思考で絵作りに集中することができるようになってきたのです。筆を持ったら、スラスラと自動的に絵が描けてしまう、といった印象に近いかもしれません。

ちょっと個人的な話になりますが、私は芸術学部と文学部を卒業した、いわゆる文系人間ですが、じつは大学に進んだもともとの動機は、心理学を学びたい、というものでした。心理学は精神医学にも通じていなければなりませんし、精神医学と違うのは、心理学は人間の行動や反射の「統計」で成り立っているという点です。これは、実に理系的な分野です。なにを間違って心理学などに興味を持ってしまったのかわかりませんが、この理系的思考が常に私を悩ませていました。人間を知りたい、心の病を治したい、という文系的な動機だったので、統計学の延長にあるような心理学を真面目に学び始めた時には失望しました。人間をパターンに当てはめて病名をつけ、それに見合った薬を提供するばかりの西洋の心理学は、私には馴染めませんでした。それで、哲学や文学といった分野に興味が移り、「もっと人間を知りたい」と思うようになったのです。

私が写真を撮る動機も、似たものがあります。私の作品を見ていただくとわかる通り、私の作品にはほとんど人は写っていません。ですが、人が「生きた」痕跡を探して、それを記録する、という姿勢で写真と向き合っています。それを、「人を撮らないポートレート」と呼んでいます。それが、私の中で一貫した写真論になっています。綺麗な人を綺麗に撮るのは難しいことではありません。ロートレックは、「人間は醜い。だが人生は美しい」と言いました。私はこの「人生」のひとかけらでも写し撮りたい、という熱い想いがあります。それが私の動機の全てです。つまりは、私の写真のモチーフは、街角の無人の風景を撮りながらも、常に人間にあることになります。そこが、私の文系的な思考が働いている部分です。

綺麗な女性を撮りたい、風景を撮りたい、子供の笑顔を撮りたい、など写真の動機は様々です。が、どこかで理系的な思考も働かないと、写真術を極めることはできないと言っても過言ではないでしょう。文系思考と理系思考のバランスが大切なのです。それが言いたくて、こんな長ったらしい文章を朝から書いてしまいました。読まれた方はうんざりかもしれませんね。すみません。

私の講座では、この理系的な思考でのカメラの扱い方から、文系的な絵作りの仕方まで、丁寧にご指導いたします。ご興味を持たれた方は、ぜひ無料レッスンで私の指導方針や、私という「人間」について、感じ取っていただきたいと思います。子難しい話は極力避けますので、こんなことを書きましたが、あまり身構えずに自由な発想を活かせるようにご指導いたしますので、どうぞご安心ください。

それでは、暑さに負けずに今日も良い日をお過ごしください。

isao

写真は文系? 理系? (長文注意)

(2018年7月19日(木) 7:01)

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