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開放F値とはなにか

サイタ写真講師のケンミサキです。レンズの開放F値とは何でしょうか。生徒さんの希望の中によく「背景が綺麗にボケた写真が撮りたい」というものがあります。「背景がボケる」原理は「被写界深度」が浅くなるように撮ることです。

「被写界深度」とは「ピントがあって見える範囲=深度」です。「ピントが合う」のは厳密にはある一点(正確にはピントを合わせたポイントを含む光軸と直角な平面上)ですが、その前後も「ピントが合っているように見える」範囲があります。少し難しい話ですすが、ピントがあって見える許容範囲があると考えてください。許容範囲を越えると「ボケ」て見えるわけです。

「被写界深度」は絞り値とレンズの焦点距離、被写体までの距離に関係しています。
絞り値が小さいほど、レンズの焦点距離が長いほど、被写体までの距離が短いほど、
被写界深度は浅く=背景や全景のボケが大きく なります。

ここで「絞り値が小さい」という項目に「開放F値」が関係しています。
レンズ固有の最も明るい絞り値が「開放F値」です。
レンズには光の量(光束の大きさ)を調整するための「絞り羽根」が備わっています。
羽根は複数枚で構成されていて、絞り羽根が閉じると枚数に応じて多角形の穴を作ります。
枚数が多いほど綺麗な円形に近くなります。

この羽根が閉じて穴が小さくなればなるほど、被写界深度は深く大きくなります。
光が通る穴が(相対的に)大きければ大きいほど被写界深度は浅くなります。
開放F値とは、この光を通す穴の(相対的な)大きさを示しています。
値が小さいほど「光を多く通す明るいレンズ」です。
そしてこの明るいレンズほど、綺麗なボケが得られるレンズです。

ボケを楽しむためには、
明るい(開放F値が小さい)レンズを使って、
開放F値に近い値に絞り値を設定して、撮影すると良いでしょう。
その場合、被写体に近ずくほど、焦点距離の長いレンズほど、
ボケは大きくなります。

「ボケ味」という言葉があります。
先ほどの「ピントが合って見える」範囲を外れた部分は、点が点として描かれず
ボケて写る訳ですが、そのボケ方がレンズによって違います。
その違いを楽しむのも写真の面白さでしょう。

ボケを楽しめるレンズは、一般的に言って、
開放F値が1.4から2.8まで程度の明るいレンズです。
ズームレンズではこの明るさのレンズは高価ですが、
単焦点レンズはコストパフォーマンスに優れた明るいレンズがあります。

例えばニコンでは開放F値がF1.8の単焦点レンズをシリーズで発売しています。
また各社パンケーキレンズと言われる標準レンズは、安価で開放F値も十分明るいものが多いです。

写真はフジフィルムのXF27mmというレンズを使って、開放F値である2.8で撮影しました。
XF27mmF2.8はパンケーキレンズで価格も3万5千円程度の単焦点レンズです。
焦点距離がそう長くなく開放F値も2.8なので、強力なボケではありませんが、自然なボケ具合で、
解像度が高く、ひじょうにコストパフォーマンスが高いレンズです。

ぜひ明るい単焦点レンズにトライしてみてください。





開放F値とはなにか

(2015年11月10日(火) 22:13)

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この記事を書いたコーチ

文藝春秋社の写真部所属を経て、フリーで活躍中。雑誌の紀行文の執筆も

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