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セルリアンブルー

セルリアンブルー

数年ぶりに映画『プラダを着た悪魔』をDVDで観ました。
アン・ハザウェーが演じるジャーナリスト志望の主人公が
有名ファッション誌の鬼編集長のアシスタントとして働き始め、
最初はダサかった彼女のファッションが見る見るうちに変貌して行く様が
映画のひとつの見所。
そのダサい彼女のファッションにメリルストリープ演じる悪魔のような編集長が
ファッションとは何か、自分たちの仕事とは何かを言って聴かせる有名なシーンがあります。

 「あなたには関係ないことよね

  家のクローゼットから
  
  そのサエない“ブルーのセーター”を選んだ
  
  “私は着る物なんか気にしない”
 
  “マジメな人間”ということね。
  でも、この色はブルーじゃない。
  ターコイズでもラピスでもない。セルリアンよ。
  知らないでしょうけど2002年に
  
  オスカー・デ・ラ・レンタがその色のソワレを
  
  サンローランがミリタリージャケットを発表。
  セルリアンは8つのコレクションに登場。
  たちまちブームになり
  
  全米のデパートや安いカジュアル服の店でも販売され
  
  あなたがセールで購入した。
  その“ブルー”は莫大なお金を動かし、
  無数の労働の象しているのよ。
  でもとても皮肉ね。
  
  ファッションと無関係と思ったセーターは
  
  そもそもここにいる私たちが選んだのよ。
  
  “こんなの”の中からね」

その「セルリアン」です。

色には名前があります。「色名」といいますが、
人間が見分けられるすべての色に名前がついているわけではありません。

日本ではまず13の基本色名があります。
白・灰色・黒、赤・黄・緑・青・紫、黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫です。
基本色名は、日本人ならだれでもその色名からどんな色であるか経験と認識によって共有しています。
赤と言われて黄色を思い浮かべる人はいないでしょう。

この基本色名にさらに明度・彩度・色相に関する修飾語をつけたものが「系統色名」というものです。例えば「鮮やかな緑みの赤」「くすんだ青みの緑」という具合です。

そしてこれらの色を識別、区別するための名前とは別の、
ある特定の色に対して付けられた固有の名称が固有色名、
固有色名の中でもとくによく使われているものが慣用色名と言われるものです。

「セルリアン」ブルーは、この固有色名ですが、系統色名で言うと「鮮やかな青」に分類されるそうです。
そして日本では「JIS慣用色名」という規格が定められており、
269色が規定されています。
セルリアンブルーもこの269色の中にあります。

ただこの「セルリアンブルー」=「鮮やかな青」は
定量的に定められた一つの色ではなく、
ある程度の幅をもった存在です。

デジタルの世界では、色を16進法で表示します。
例えば、このセルリアンブルーは#0073A2、#008db7などと表されます。
ハッシュタグのあとの六つの数字は最初の二つがR,次の二つがG、次がBの色相を表しています。

#0073A2はそれぞれR:0 G:115 B:162、#008db7はR:0 G:141 B:183に相当します。
(16進法の計算方法はややこしいので省略)

これはRGBつまり赤、緑、青のそれぞれを明度が最も暗い0から最も明るい255までの256に区分し表した値です。
そうすると、セルリアンは赤の成分はなく、中くらいの緑と明るい青を混ぜた色で、
#0073A2の方がやや暗いかんじになると思います。
(ハッシュタグを含む6桁の数字をコピーして検索していただくと、どんな色か判ります)

さて話を映画『プラダを着た悪魔』に戻します。
ファッションの世界では「セルリアンブルー」は単なる色のひとつではなく、
まず最初にオスカー・デ・ラ・レンタとサンローランが数ある青色の中から選んでコレクションに登場させ、
それ以降価値を持った色だと悪魔の編集長は言うのです。
それは無数の労働の象徴。だれもファションから無関係に生きて行くことはできない。
そしてその決定をしたのは「私たち」だ、と。
ターコイズでも、ラピスでもない青、セルリアン。
その価値に命をかけるのがファッションだ、ということでしょう。

写真の世界は、ファッションほど市場に影響を与えるものではありません。
つまり動くお金の規模が圧倒的に小さいので、この悪魔の編集長が言うような「選択」はありませんが、
アンドレアが着ていたバーゲンで買ったセーターのブルーように、
写真家が何気なく選んだ色も、たんなるデータでは有り得ないのでしょう。
では、色の背景にあるものは何か。ベースにあるのは生物としての人間が共有する感覚であり(赤いものは果実、青いものは冷たい)、
文化や歴史に培われた色の記憶(白は潔白純粋)、そして「プラダを着た悪魔」が言うような時代を反映したその色に意味を見いだすことができる価値体系とでもいうのでしょうか。

ちなみに、このブログの雪山の写真にある空の色は、セルリアンではなくアクアという青色です。海の青ですね。

セルリアンブルー

(2014年2月7日(金) 9:29)

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この記事を書いたコーチ

文藝春秋社の写真部所属を経て、フリーで活躍中。雑誌の紀行文の執筆も

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