サイタ資格取得講座日商簿記検定講座日商簿記1級試験大阪 めざせ日商簿記1級合格講座 スクールブログ 営業社員の業績...

営業社員の業績評価のための限界利益と貢献利益による分析。

日商簿記1級の試験で、短期利益計画の策定等で直接原価ベースによる損益計算書を作成して目標利益や分析を行う直接原価計算なる単元がありますが、日商簿記検定試験上は工業簿記・原価計算として扱われていますが、この直接原価計算(セグメント別)を商業企業に導入した場合、どの様な分析が可能なのだろうか!?。

【分析例】

基本的な前提条件
1.商品の販売単価 10,000円/個
2.商品の購入単価  8,000円/個
3.利  益  率     20%確保
4.販  売  費
  ① 給   料 社員A 400,000円/社員B 400,000円
  ② 法定福利費 社員A  80,000円/社員B  80,000円
  ③ 営業手当額 売上高に対して一律1%支給
  ④ 営業交通費 社員A  60,000円/社員B  30,000円
  ⑤ 接待交際費 社員A 100,000円/社員B  50,000円

この様な条件のもとで2人の営業マンが営業活動を行ってきました。
さてここで、社員Aは業績を上げるために会社の規定してある販売単価10,000円の前提条件を無視して値引き販売を行いました。

社員Aの売上実績
  ① 販売数量 1,000個×9,000円(値引販売)= 9,000,000円
  ② 販売数量 2,000個×8,500円(値引販売)=17,000,000円
  ③ 合計売上高                    26,000,000円

社員Bの売上実績(会社の規定条件のもと、地道な営業活動を行いました)
  ① 販売数量  500個×10,000円(正規販売)= 5,000,000円
  ② 販売数量1,500個×10,000円(正規販売)=15,000,000円
  ③ 合計売上高                    20,000,000円

もし、この会社が売上実績(売上高、販売数量)で社員評価を行っているのであれば、社員Aの方が売上高6,000,000円、販売数量が1,000個上回っているため社員Bは、社員Aに比べて過小評価になってしまいます。
果たして、この人事考課は正しいのでしょうか!?。

ここで、全部原価ベースによるセグメント別損益計算書を作成して見ましょう。
            社員A         社員B
売上高      26,000,000  20,000,000
売上原価     24,000,000  16,000,000
売上総利益     2,000,000   4,000,000
販売費
 給   料      400,000     400,000
 法定福利費       80,000      80,000
 営業手当金      260,000     200,000
 営業交通費       60,000      30,000
 接待交際費      100,000      50,000
 販売費合計      900,000     760,000
 営業利益額    1,100,000   3,240,000

営業利益ベースで考えてみると、社員Bは、社員Aよりも2,140,000円増の利益を稼いで来ています。

つまり、この会社の評価では、適正な人事考課が行われてない形になります。
では、この損益計算を直接原価ベースに置き換えて計算し直してみましょう。

            社員A         社員B
売上高      26,000,000  20,000,000
変動売上原価   24,000,000  16,000,000
売上総利益     2,000,000   4,000,000
売上総利益率        7.69%      20.00%
変動販売費
 営業手当金      260,000     200,000
 営業交通費       60,000      30,000
 接待交際費      100,000      50,000
 変動販売費合計    420,000     280,000
 限界利益額    1,580,000   3,720,000
 限界利益率        6.08%      18.60%
個別固定販売費  
 給   料      400,000     400,000
 法定福利費       80,000      80,000
 個別固定販売費合計  480,000     480,000
 貢献利益額    1,100,000   3,240,000
 貢献利益率        4.23%      16.20%

結果、社員Bは会社の営業利益額に対して16.20%の貢献をしているのに、社員Bは4.23%の利益しか貢献していない事になります。
正しい人事考課を行うためには、詳細な分析計算が必要になってきます。

今後の問題点は、
社員Aは、確かに売上高と販売数量を伸ばしているかもしれませんが、売上高や販売量が増加しているのは値引販売を行っているからです。

今後生じる問題点は、この社員Aの取引先に値引販売を定例化させてしまうと、会社の正規の希望販売価格である10,000円で販売出来なくなってしまう可能性が大であります。
つまり、正規の希望販売価格ではなく値引販売で購入が出来るとわかっている取引先は常に値引販売を要求してくることになりますので、まともな営業活動が出来なくなります。

また、営業手当の支給方法も改善しないと、営業社員間で不公平が生じてしまいますね。
今後は、貢献利益に対して〇〇%みたいに。

あと、検討すべき事項としては、営業交通費と接待交際費の使い方ですね。
社員Aは、社員Bより2項目の費用を費やし過ぎているにもかかわらず、結果につながっていません。
社員Bの方は、社員Aの半額で営業活動を行い、きっちりと結果に結び付いています。
社員Aは、売上高と販売数量だけを伸ばす事を考えて会社に利益に関しては無頓着な状況です。
両者を比較して社員教育を直せば、もっと利益を上げる事が出来るでしょう。

もし、この業界が狭い業界であれば(情報交換が容易な業界)、社員Bの取引先に連鎖反応が起こり。こちらでも正規の販売価格で売れなくなってしまう可能性が出て来ます(この様な現象って、特定の業界では、よくある話です)。

受験上は工業簿記・原価計算の科目に分かれていますが、実務では日商簿記1級で学習した管理会計は、いろんな形で利用可能ですので、受験科目として捉えるのではなく自社独自で適正な評価が出来る様に工夫しながら取締役会議資料(月次報告)や人事考課を作成出来る様にして下さい。

商業企業で変動〇〇費の科目を使用する事に抵抗を感じるのであれば、マネジト・コスト(変動販売費)とコミッテッド・コスト(個別販売固定費)と言う名目に置き換えてみるとか、また、事業部別損益計算を導入しているのなら企業なら、本社人件費や本社経費、或いは役員報酬の配賦を無理やり配賦(各事業部の人数割り等)してしまうと、思わぬ負担が回ってきて、本来利益を計上している事業部なのに間違って赤字経営になると言う事で事業部を閉鎖してしまう事態になりかねないので、しっかり自社の損益計算書と貸借対照表とにらめっこして正しい経営資料を作成して下さいね。

引き継いだ会社のデータを見ると『なんだ、この資料は!!』と言う会社が殆んどでした。

日商簿記2級を学習している人は、何となくわかると思いますが、日商簿記3級の方では非常に難しいい内容かもしれませんね。




 

(2018年7月20日(金) 10:52)

前の記事

次の記事

新着記事

日商簿記1級の出題範囲改訂について!!。 日商簿記1級の試験は、特に出題範囲が規定されている訳でもなく、いきなり新傾向の問題(範囲)が試験に出題されたりする場合があります。 その中で、昨日の日商簿記3級試験範囲改訂説明会であった日商簿記1級に影響する箇所をお知らせいたします。 ...

第152回(2019年6月実施)日商簿記1級検定試験受験向けの受講生募集を開始致します。 日商簿記検定試験の最高峰『日商簿記1級』の資格取得に向けて、ゆったりと、たっぷりと時間をかけて、今から1発合格を目指して受験勉強を始めてみませんか!?。 そんな意欲のある方の望みをお手伝いする...

 この度、サイタ受講生の方で、見事!!第149回日商簿記1級に合格された方の『合格体験記』です。  無理言って書いて戴きました。  全国の日商簿記1級の合格を目指される方に、少しでも励みになればと思います。 『合格体験記』  過去に141回・143回・147回と受験ましたが、い...

決断の時!!。第150回日商簿記検定試験の申し込みが9月初旬から始まります。 平成30年11月18日(日)実施の第150回日商簿記検定試験の申し込みが9月初旬から各商工会議所で開始されます。 簿記の受験勉強を始めようとされている方、リベンジをお考えの方、決断すべき時期が迫ってきてい...

平成30年6月10日(日)に実施された日商簿記1級の合格者が2名出ました!!。 1名はサイタ受講生の方で、もう1名は企業研修の受講生です。 【結果内容(合格率100%)】   日商簿記1級講座 サイタ受講生1名、企業研修1名(地方銀行)   ⇒サイタ受講生1名 70点で合格(合...

レッスン無料相談窓口のご案内

サイタでは、日商簿記1級試験レッスンに関する疑問に
専門カウンセラーがお電話にてご案内しております。
お気軽にご利用ください。

お電話相談窓口はコチラ

ブログ記事 ページ先頭へ