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野外劇について(8)

とにかく2003年は雨が多かった。それも土日が雨である。

建て込みも雨に降られた。

そしてラフレシア円形劇場祭のこけら落しはくじら企画である。
やはり雨。
気になったので初日に観に行った。開演前までひどく降っていた雨だったが開演後には雨は止む。
劇場がドーナツ状のため舞台上には屋根はない。雨が降れば役者はびしょ濡れである。
「雨が降ったら役者はうつくしいよ!」
と、くじら企画の演出は言っていた。
『演出の目から見たら確かにそうかもしれない。…しかし、役者でたった時、俺はいややな。』と素直に思う。

しかし、さすがいい作品を創っていた。
今でも鮮やかに脳裏に刻み付けられている。
秋月雁が車椅子に乗りながら「荒城の月」を歌うところはうちの子も観ていて感動したそうだ。

『負けられないぞ』と思った。しかし次の瞬間『負けるかもしれない…』と思い直した。

くじら企画の後、LOVE THE WORLD、劇団大阪新撰組、ことのは、と劇団が続く。

LOVE THE WORLDは舞台上を水浸しにし、俳優や女優はびしょ濡れになった。
真っ白い衣装が泥んこになっていく。その様は秀逸だった。

劇団大阪新撰組は中国の故事ドラマ仕立てであった。舞台上に水をはったプールを作り、最終場面で女優が飛び込む。
2分、3分…。
あれ?出てこないぞと思ったが、橋の下に空気たまりを作ってそこにいたようだ。
5月のはじめとはいえ寒かったと思う。

ことのはではバイクを持ち込んで走り回っていた。
ここまでくれば何をやってもいいような気がしてくる。

さすがにそれぞれが野外劇に名乗りをあげてくるだけのことはあった。

『今度やる時はラフレシアの上空にヘリを飛ばして見るか…』などととんでもないことを考えたりする。

毎週週替わりでいい芝居が観れるということは素敵なことでもある。
いい芝居を観ているから想像力がどんどん刺激されてくる。
いい芝居はいつまでも覚えているものだ。
反対にとんでもない芝居を観たら即座に忘れ去ってしまう。
ひどい時には『さ、帰ろうか』と椅子をたった瞬間に忘れている。
その反対にあまりに腹が立ったので覚えているものもある。
ま、下を見ても始まらないので我々は上を見続けていくことにしましょう。

さて、その間、ARKの稽古は四苦八苦しながら「粛粛」と進んでいた。
総勢35名の行き着く先はどうなるのか?
楽屋は確保できるのか?
天気は大丈夫?

<続く>

 

(2015年4月25日(土) 22:42)

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この記事を書いたコーチ

自らの劇団にて若手を指導。映画にも携わった舞台・映像演技のエキスパート

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齋藤勝 (演技)

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