将棋::Cyta.jp https://cyta.jp Cyta.jpの将棋の講師がブログを通じて、将棋情報を発信! 明けましておめでとうございます https://cyta.jp/shogi/b/94428 <br>2020年、明けましておめでとうございます。 昨年は、将棋関係者と知り合う機会が多くありました。 まなび将棋の高橋和先生、いつつの中倉彰子先生、 飯野先生の教室でゲストに来てくださったプロ棋士の先生方、 LPSAのインストラクター、職員の方々、将棋バーで知り合った方々。 本当にありがとうございました。 全てがかけがえの無い時間でした。 2020年は、より一層、将棋の魅力を多くの人に伝えられたらいいなと思っています。 自分自身の成長と飛躍と、これから出会う多くの方々と将棋を通じたコミュニケーションを楽しめる一年にしたいと思います。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 Kou 将棋 Thu, 02 Jan 2020 20:08:03 +0900 将棋教室::楽しみながら強くなる将棋教室 齋藤 幸介 藤井聡太七段 惜しくも史上最年少でのタイトル挑戦ならず https://cyta.jp/shogi/b/93782 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/23/55591/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/23/55592/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/23/55593/120.jpg" alt="" /><br> 藤井聡太七段が、11月19日に王将リーグ戦で、勝てばタイトル挑戦という大一番に臨みました。 相手は、広瀬章人竜王です。 この時点まで、両者が4勝1敗で並んでいました。 広瀬竜王とは、去年の朝日杯将棋オープン戦の決勝で対戦しており、その時は藤井七段が勝っております。 今回が、二度目の対戦になります。 仮に、藤井七段がこの一番に勝って挑戦権を獲得した場合には、来年1月開幕の7番勝負を17歳5か月で迎えることになり、1989年に屋敷九段が棋聖戦に挑戦した当時の17歳10か月の記録を30年ぶりに更新することになります。  先手番の藤井七段が指した初手は7六歩でした。 藤井七段が先手の場合は、2六歩の出だしが圧倒的に多いのですが、今回は違っていました。 戦型は、今時珍しく、お互いに玉を入城させての矢倉戦となりました。 途中までは難しい展開が続きましたが、90手を過ぎたあたりから、先手の藤井七段が優勢になりました。 そして、指し手が進むにつれ先手の優勢が拡大し、将棋ソフトドルフィンの評価値でも1500以上となり、先手が勝勢となりました。 エルモの評価値では2000を超えています。 このまま特段悪手を指さない限りは、藤井七段の勝利は約束されたも同然です。 ところが、終盤の111手目に藤井七段が指した手が、一手ばったりの大悪手でした。 6九飛成の王手に対し、6八歩と歩で合駒をしてしまいましたが、この瞬間に勝利がスルリと逃げてしまったどころか、敗北が決定してしまいました(写真添付)。 藤井七段の玉に詰みが生じていたのです。 この時点で藤井七段が秒読みだったのに対し、広瀬竜王は持ち時間を20分間残していました。 その内の4分を使って、詰みを読み切りました。 広瀬竜王が直後に指した妙手7六金にそれが表れています(写真添付)。 その前に6八歩ではなく、5七玉と逃げていれば、詰みはありませんでした。 終盤に絶対的な自信を持っている藤井七段にとって、迎えた終盤にまさかの落とし穴が待っていようとは、皮肉な結果となってしまいました。  持ち時間を5分残していれば、自玉に詰みがないことを読み切って、正確な応手がされていたものと思われますが、止む無しでしょう。 結果は、126手で無念の投了となりました(写真添付)。 勝っていた将棋を土壇場で逆転され、後悔が残る一局となってしまいました。  敗れた藤井七段の局後の感想です。 「時間がなく分からなかった。局面を複雑にしようと思って指していたが、最後間違えてしまって残念。 また実力を高めて頑張りたい」と敗戦を噛みしめていました。  しかし、まだ史上最年少でのタイトル挑戦のチャンスは残されています。 藤井七段は、今期の棋聖戦で既に2次予選まで勝ち進んでいますが、来年の春までに、残り6戦で6勝すれば現実のものとなります。 ハードルは高いですが、期待しています。 参考動画 藤井聡太七段が広瀬章人竜王との対局後の一言に一同驚愕… 渡辺明王将や内藤國雄九段と豊島将之名人のコメントも【第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ】 https://www.youtube.com/watch?v=k262KiSLtQY 大一番!最年少記録?【棋譜並べ】藤井聡太七段vs広瀬章人竜王【将棋】タイトル挑戦? https://www.youtube.com/watch?v=OTDN0S3HPXg&t=848s 将棋 Sat, 23 Nov 2019 06:50:40 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 小学1年生との体験レッスン https://cyta.jp/shogi/b/93745 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/20/55569/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/20/55570/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/20/55571/120.jpg" alt="" /><br> 今回の体験レッスンの生徒さんは、小学1年生の7歳の男の子でした。 実力の程は、まだ将棋を覚えたてで、駒の動かし方が分かる程度とのことでした。 普段は、一緒に見えられたお父さんに教わっているようでした。 将棋の駒と盤は、生徒さんが持参されていたので、それを使わしてもらいました。 駒は普通の駒ではなく、くもんが制作した初心者専用のものでした。 それぞれの駒の表裏に矢印がされていて、駒の働きが一目でわかるようになっています。 これなら、実戦で戸惑うことはないでしょう。 初めて目にしましたが、中々の優れものだと思いました(写真添付)。 さて、レッスンの方ですが、先ず最初に、駒の動かし方の基本的なルールを学習しました。 飛車、角、香車は、敵、味方の駒を飛び越えて前に進むことはできないとか、敵陣の3段目から前に到達した場合には、裏返して金と同じ働き、もしくはそれ以上の働き方ができる龍と馬になったりする、といったルールです。 ここまでは、大体理解していましたので、次は私のアイパッドを使っての、初心者用の将棋アプリ「ねこ将棋」による学習です。 ここでは、禁じ手の二歩等のルールを主に学習しました。 少し難しかったかも知れませんが、禁じ手の打ち歩詰めと、そうでない突き歩詰めの違いも学習しました。  そして、最後に駒落ちでの実戦を行いました。 飛車、角、銀、桂、香の八枚落ちでの対局になります。 生徒さんは、あっけなく負けてしまいましたが、最初のうちは、勝負にこだわる必要はまったくありません。 聡明な子と思われるので、何回か実戦を積むうちに、強くなるのは目に見えています。 教える方としても、早く上達してくれるのが、楽しみで仕方ありません。 次回のレッスンでは、実戦に重点を置こうと思っています。 理由は、生徒さんが、とても楽しそうに実戦をやられていたからです。 まだ小学一年生なので、緊張が長続きしないし、飽き易いことを承知の上で、生徒さんに楽しみながら学んでもらうことが何よりだと思います。 アメブロとフェイスブックを更新しました。 アメブロ https://ameblo.jp/kuma3003/ フェイスブック https://www.facebook.com/profile.php?id=100039431600268 将棋 Wed, 20 Nov 2019 18:37:43 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 AIの進化に伴う将棋界の未来について https://cyta.jp/shogi/b/93511 <br> AIと将棋ソフトに関するテーマは、今回で8回目になりました。 このテーマに関しては、一段落ついたので、これで最後にします。 最初に、知らないないことばかりだったので、以下のことについて、調べることにしました。 1.将棋ソフトが飛躍的に進化する要因となった学習法と学習量について 2.将棋ソフトの解析により、なくなった(先手有利の結論が出てしまった)戦法はあるのか 3将棋ソフトからみて、先手と後手とでは如何ほどのハンディがあるのか(先手の勝利期待値は如何ほどか) 4.将棋界の未来について  1~3は、結論が出ないまでも、調査した内容に関しては、満足しています。 今回はNO4についてです。 「将棋界の未来」とは、私の中では「プロ棋士の存在意義」を意味します。 これほどソフトが強くなった将棋の世界で、プロ棋士の存在意義は一体どこにあるのか。 この難しいテーマに、佐藤名人(当時)が下記の様に答えています。 「『人工知能が人間の強さを上回った。人工知能の方がすごいのではないか』という価値観の転換が起きてしまいそうになると思います。 けれども、人工知能が強さを獲得する過程と人間が強さを獲得する過程は違いますし、同列には語れないものです。 『人工知能の方が強くて人間の方が弱いのだったら、人間にはもう価値がない』のではありません。 評価の軸が違う以上は、その価値観は両立できるし、どちらも別の軸として立つことができると思います」  私の考えも、これに近いものがあります。 そもそも人工知能も将棋ソフトも人間が創造したものです。 従って、どんなにそれらが進化して、知能で人間を超えたとしても、人間そのものは永久に超えられない。 そして、落胆したり卑下することはなく、これまで通りのままで良い、というのが私の考えです。  参考本の一節を紹介して終わりにします。 棋士たちがぶつかりあう盤上には、勝負に懸ける情熱や苦悩が集約され、時にはその棋士の人生が垣間見えるような一手も放たれる。 人間同士だからこそ生まれる感情のやりとりや勝負の機微の魅力は、おそらくどれほど人工知能が強くなったとしてもお色褪せることはない。 参考文献 人工知能の「最適解」と人間の選択 将棋 Fri, 08 Nov 2019 22:16:24 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 日本における将棋ソフトの歩みについて https://cyta.jp/shogi/b/93495 <br> 人工知能と将棋ソフトに関することで、ここ数回に渡り述べてきたことは、アルファ碁やアルファゼロ等の海外のことがメインで、日本における将棋ソフトの歴史については、ほとんど触れていませんでした。 そこで今回は、時系列的に原点に戻り、日本の将棋ソフトの歩んできた道のりについて、説明したいと思います。  日本の将棋ソフトは、チェスや囲碁のソフトの発展とは、かなり異なる流れで強くなってきた歴史があります。 ハードウェアの向上に頼らずに、ひたすらにソフトを強くすることで、日本の将棋ソフトは進化を遂げてきました。 ソフトを強くしなければいけなかった一番大きな理由は、「予算の差」です。 チェスのディープ・ブルーであれば、IBMという大企業が開発を行い、アルファ碁であれば、少なくとも学習時にはグーグルのデータセンターとハードウェアを使っています。 巨大な資本の投下で、物量に物を言わせるのが欧米流である。 ところが、日本にはそんな予算をねん出できる研究現場がなかった。 電王戦に登場した将棋ソフトは、基本的には個人が片手間で、しかし類いまれなる情熱によって生み出したものです。 そういう人たちが、手を替え品を替え、競い合うようにして、ひたすらに工夫を重ねてきた。 それが、日本の将棋ソフトの歴史です。 その中でもBONANZAの残した功績は絶大です。 BONANZA革命とも呼ばれています 日本の将棋ソフト界の歴史を振り返ると、BONANZA以降に集約されると思います。 以下は、代表的な3つの将棋ソフトについての解説です。 BONANZAについて 2006年世界コンピューター将棋選手権に初出場で優勝した。 製作者の保木氏は将棋の経験がほとんどなく、コンピューターチェスで試されていた斬新な計算方法を将棋で試すことにした。 その方法とは、先ずコンピューターに江戸時代からのあらゆる対局記録50万局分を覚え込ませた。 そして、もう一つ別の常識破りのすごい方法があり、将棋の盤上から適当に3つの駒を選びその3駒が描く図形に注目した。 局面が変わればその3駒が描く図形も変わる。 過去の膨大な局面でどんな図形が良く現れるかを調べあげた。 その結果、頻繁に現れる図があることを発見した。 これらが勝利に繋がる図形として、コンピュータープロミングした。 今、これを書いている私にとって、この「3駒関係」の理論は、難しすぎて理解不能でした。 最適手を選ぶに当たって、人間であれば「大局観」を用いて絞り込んでいくが、コンピューターの場合は、局面の評価を数値化して、その上で一番良い手を選ぶ。 将棋の展開で考えられる様々な局面をリストアップし、それぞれに得点を付ける。 これを評価関数と言う。考えられる全ての局面に得点を付け、得点が最も高い手を最善手だと判断する。 この評価関数については、2005年に公開された将棋ソフトBONANZAの登場が決定的だった。 BONANZAが登場するまでは、将棋のプログラムはアマチュア五段ぐらいで伸び悩んでいたが、最近は目覚ましい発展を遂げている。 これは、評価関数のアルゴリズム(答えを導き出すための計算方法)のすごさもさることながら、「オープンソース」という、無償かつ誰もが自由に使える形で公開・配布されたことが大きい。 ここ数年でも、エイプリーや技巧などの優れたソフトがオープンになっている(現在はドルフィンやエルモもオープン化されている)。 その結果、ソフトの進化の速度は上がって、1年ほどでスタンダードが変わり、優秀なプログラムがどんどん上書きされている。 気づいたら去年の山の頂上が、今年は5合目になっているような感じである。 BONANZAのソースコード公開が将棋ソフトの発展の基礎になったという認識である。 2005年から2015年まで10年のレートの進歩が約1000、 その10年で将棋倶楽部24の五段くらいからプロ棋士のトップレベルに登りつめた。驚くべきなのはその後の2~3年で更にレートが1000伸びている点である。人間のトップからさらにレート1000くらい強いというのはなかなか想像しづらい。 GPS将棋について GPS将棋の特徴は、BONANZAでうまく行った方法をたくさんのコンピューターで実現する方法を最初に開発した。 それが成功し、世界コンピューター選手権で2回優勝している。 GPS将棋を制作したのは、東京大学のゲームプログラミングセミナー。 この一戦のために秘策を用意していた。大学のパソコン教室にある約680台ものパソコンを繋げ、1秒間で最大2億8000手を計算できるようにした。 1局指したら10の220乗の指し手がある。 宇宙全体の原子の数が約10の80乗である。 プロ棋士はどうやって指す手を選んでいるかは科学的に証明されており、直観によるもの、絞られた選択肢の中から瞬時に最善手をみつけている。 正に直観で良い手を選択している ポナンザについて 人工知能の性能を高める学習方法に「教師あり学習」というものがある。 入力した「教師データ」は、プロ棋士の過去20年分の対局、計5万局分の棋譜。 ポナンザはこの教師データを基に、どの局面でどう駒を配置すれば勝ちに繋げるかのか、解析していった。 プロ棋士をも超える能力をポナンザが獲得するきっかけとなる。 その後、ポナンザはプロ棋士という教師に頼らず、自ら学習を始めた。 それが「強化学習」と呼ばれる方法だ。 「自分で考え、そのフィードバックからさらに自分で学習する」というもの。 まず、ポナンザ同士を対局させる。 数分で1局の対局が終わる。 さらに膨大な数の対局を休みなく行わせて、ポナンザはその中から、勝利の方程式を自ら見つけ出していくのだ。 これにより、ポナンザの進化の速度は、飛躍的に増した。 例えば、かつては前の年に開発した古いプログラムと対局した際、7割勝てば相当強くなったという認識だったのが、今は8~9割の勝率が当たり前だという。 人間の棋士をはるかに上回る数の実戦。 ポナンザは700万局にも及ぶ自己対戦を行っていた。 人間が1年に3000局の対局をしたとしてもおよそ2000年かかる計算(公式戦は男女合わせて年間3000局程度)。 プロ棋士がこれまで行った対局の総数が10万といわれており、それをはるかに超えている。 コンピュータは疲れないから、ポナンザは基本的に24時間休みなく動いている。 膨大なデータを超高速で読み解く人工知能の思考過程をもはや人間は理解できない。 ちなみに、ポナンザと言う名称は、開発者山本さんがBONANZAに敬意を表して命名されたとのこと。 日本の将棋ソフト界の歴史について 将棋ソフトの開発が始まったのは1970年代中頃のこと。 1.2007年渡辺明竜王対BONANZAの特別対局が組まれ、渡辺竜王の勝利 2.2010年女流棋士トップだった清水市代女流王将が将棋ソフト「あから 2010」に敗北 3.2012年第1回電王戦では、現役引退後、日本将棋連盟会長を務めていた米長邦雄永世棋聖が「ボンクラーズ」に敗北 4.2013年第2回電王戦では、プロ棋士5人対5つの将棋ソフトで行われた団体戦 結果はプロ側の1勝3敗1分け 5.2014年第3回電王戦では、プロ側の1勝4敗 6.2015年電王戦FINALでは、プロ側の3勝2敗 7.2016年装い新たに始まった第1期電王戦では、まずトーナメント・叡王戦によって、プロ棋士の代表である叡王を決定する。 そしてその叡王が、電王トーナメントを勝ち上がった将棋ソフトと対局する個人戦である。 山崎隆之叡王とポナンザの対戦結果は、ポナンザの2戦2勝 8.2017年第2期電王戦では、トーナメンとを勝ち上がった佐藤天彦名人とポナンザが対戦し、ポナンザの2戦2勝 参考文献 1.人工知能の核心 2.人工知能の「最適解」と人間の選択 3.Newton ゼロからわかる人工知能 4.人工知能 (AI) の歴史 https://tech-camp.in/note/technology/32652/ 5.「2年前からプロ棋士はもう勝てないとわかっていた」Ponanza開発者・山本氏が語るAIの未来 https://weekly.ascii.jp/elem/000/000/400/400171/ 6.世界最強!?人間を超えた人工知能 https://www.youtube.com/watch?v=ph0Al4c00-Y 将棋 Thu, 07 Nov 2019 23:32:31 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 将来的には、先手有利から先手必勝へ変わる? https://cyta.jp/shogi/b/93472 <br> 大変興味深い文献があったので、紹介します。 以前のブログで、将棋ソフト アルファゼロ内部では「横歩取りは終わった戦法である」と紹介しましたが、今回はその続きで、先手の勝率に関することです。  現在プロ棋士の先手勝率は52~53%と言われております。 上位の将棋ソフト間では、約57%だそうです。 棋力が髙くなるほど先手有利に傾く傾向があり、それならば、現時点で最高レベルであると考えられているアルファゼロ同士が実際に戦った場合には、如何ほどの先手勝率になるのか。 この興味深いテーマに、投稿者が取り組んでいます。 実際にアルファゼロ同士が対戦したデータが公開されていれば、答えは一目瞭然なのですが、その点が不明確なので、投稿者は以下のデータから推定値を算出しています。 アルファゼロ対エルモの1000局分の対局結果   アルファゼロ 先手番勝率98.2%  後手番勝率 84.2%   アルファゼロ対エープリーの対局結果(対局数は非公表)   アルファゼロ 先手番勝率92.7%  後手番勝率 82.0%    このデータを基に、出した答えが先手勝率79.52%でした。 細かい計算方法については、下記URLの1番をご覧ください。 ここまで来ると、ゲーム性が崩壊するレベルです。 そして、動画の最後で、 まとめ Alphazero 「後手は終わりました」と結んでいます。  中々衝撃的な内容です。 全体的には、大変細かく熱心に研究されており、賛同する部分も大いにあります。 ただし、先手勝率の結論に関しては、投稿者の机上の計算から導き出されており、事実とは異なる可能性も大いにあります。 どうですか、この先手勝率が8割という値を信じますか。 私は、現物主義者的な面があるので、今の段階では、信じることができません。 例えば、アルファゼロ同士が実際に1000局以上対局して、結果がこうでした、と言う事実を見せつけられれば話は別です。 欲を言えば、アルファゼロが極限まで強くなった状態、即ち将棋の神の領域に近づいた状態での戦いを望みたいですね。 対戦時のアルファゼロのレートが、グラフから読み取ると約4400で伸び代も少なく、ほぼ飽和状態ですが、R4600まで行った時にどうなるか、これが見てみたい。 もう一つ要望があって、対振り飛車が実戦では全く指されないが、居飛車側が絶対有利とは思えない。 この点は、解明されるのだろうか? 参考文献 1.AlphaZero論文のデータから見る将棋界の未来予想図① https://www.youtube.com/watch?v=VCsXGWV_TN0 2.将棋界最強AlphaZeroの論文をざっくり解説 https://www.youtube.com/watch?v=N6MzwqPs1q0 3.AlphaZeroの論文PDF https://www.youtube.com/redirect?redir_token=HBJ69ZryMIxiBJSUpnJi8HqYy4x8MTU3MzEyNjQ4NUAxNTczMDQwMDg1&v=N6MzwqPs1q0&q=https%3A%2F%2Farxiv.org%2Fpdf%2F1712.01815.pdf&event=video_description 将棋 Wed, 06 Nov 2019 23:31:28 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 最強将棋ソフト同士に横歩取りを戦わせたら? https://cyta.jp/shogi/b/93451 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/5/55379/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/5/55380/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/5/55381/120.jpg" alt="" /><br> 以下は、横歩取りに関する自問自答です。 「今まで、人間が作り出してきた横歩取り定跡なるものが存在する訳だ。 だけど、ちょっと待ってくれ。 人間レベルではなく、遥かその上を行くコンピューター同士が戦った場合、そこには今まで見たことがない様な、何か特別な景色が見えて来るのではないか。 さあ、どんな景色が見えたか教えてくれないか」 「ああ、見えたよ、今まで見たことがない様な不思議な景色だ」  何しろ、人間の九段に99.7%の確率で勝ってしまうコンピュータ同士の戦いです。 そこには、人間の想像を遥かに超えた様々な展開が繰り広げられていたとしても、少しも不思議ではないですね。 そこで見えたものとは?  そのことに触れる前に、従来の定跡とは、どの様なものかを知っておく必要があります。 プロ棋士のB級2組在籍の野月八段が、大変わかりやく解説している動画があります。 今から約3年前に作られた動画で、<横歩取り基本手筋1>から<横歩取り基本手筋39>までがあります。 一つの戦型を何回かに分けて説明しているので、戦型の数はそれよりも少ないです。 下にURLを貼っておきますので、横歩取りに興味のある方は是非ご覧ください。 補足になりますが、この動画の再生方法ですが、URLをマウスで左クリックで範囲指定し、右クリックでその部分をコピーした後に エクセルシートを開き、ドラッグアンドドロップすればOKです。 アンダーバー付きの青色英文字に変われば成功です。 私の場合、この39回分全てをダウンロードし、1つのフォルダに入れて管理しています。 そうすれば、運営から消される心配がないので、永久保存版の完成です。  話は戻りますが、2八歩定跡から数手が進行した写真を添付します(左端)。 この展開になるのが、最もオーソドックスな様です。 ところが、コンピューター同士の戦いとなると、知らない戦型のオンパレードです。 将棋ソフトのドルフィン同士で、持ち時間10分、秒読み10秒に設定して、20局程戦わせましたが、戦型が複雑に絡み合い、多岐に富んでいます。 その一部の写真を添付します。 この写真以外にも、2八歩の直後に放置して7七角と打ってみたり、2八歩の後に後手から2七歩と打ち、その後2八歩成りとさせてみたり、8八飛と自陣飛車を打ってみたりと、訳がわからなくなります。 私は、振り飛車党なので、これらの「新手」の様な手が従来からあった手か否かは知りませんが、一つ思ったことがあります。 横歩取りを戦う上で、これらの変化を知っておいた方が、絶対有利に戦えるということです。 知ると知らないとでは大違いです。 対局中に、突然知らない手を指されて、そこで長考に沈む様ではダメということですね。 あるいは、自分だけが知っていて、相手が知らない手に誘導するのも一つの戦法かもしれませんね。 ドルフィンやエルモの様に、強い将棋ソフトをインストールされては如何ですか。 将棋の幅が広がりますよ。  私は振り飛車党ですが、今になって、居飛車党の方の苦労が良くわかります。 横歩取りの戦型一つを取っても、こんなに奥が深いとは知りませんでした。 幾重にも枝分かれしており、直ぐ壊れてしまうガラス細工の様な繊細なイメージです。 それに加えて、居飛車の戦法には、雁木、相掛かり、矢倉があるのですね。 これだけではありません。 相手が、振って来た場合には、戦型を変えたりして対処しなければならない。 とにかく、それぞれの戦法・戦型を覚えるだけで大変です。 私は、振り飛車党で良かったと思っています。 私の場合は、振り飛車の基本定跡さえ知っていれば、それで事足ります。 後は、力技で何とかします。 居飛車の様な緻密さを身に付けるのは、無理でしょうね。 よし、この先もずっと振り飛車一本で行こう。 最後になりましたが、横歩取りに関しては今日で終わりにします。 横歩取りだけで、100連投ぐらいは出来そうですが、次があるので止めます。 参考資料 1.横歩取り基本手筋1 https://www.youtube.com/watch?v=qnT5TfjJyJM 2.横歩取り基本手筋2 https://www.youtube.com/watch?v=Bcq4fneQAXU 3.横歩取り基本手筋3 https://www.youtube.com/watch?v=sm3BRpbpT-s 将棋 Tue, 05 Nov 2019 23:06:15 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 横歩取り定跡で、終わった戦法は何があるか https://cyta.jp/shogi/b/93419 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/4/55336/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/4/55337/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/4/55338/120.jpg" alt="" /><br> アルファゼロに関しては、後手番になった際には、2手目に指す手は8四歩か3二金ばかりで、3四歩とは絶対に指しません。 何故かは、横歩取りを恐れているからに他なりません。 同じことが、先般導入したばかりの将棋ソフトのドルフィンにも当てはまります。 調べてみたら、ソフト同士の対戦で、相手が初手に7六歩と指した場合には、後手番のドルフィンは、2手目には必ず8四歩か3二金と指しています。 やはり、後手番での横歩取りを選択していません。 強い者同士、類は類を呼ぶのでしょうか。  そこで、横歩取り定跡に付いて、少し調べてみようと思います。 一つ断っておきますが、私は根っからの振り飛車党です。 従って、知識に乏しい点がありますので、その点はご理解ください。 横歩取りには、幾つかの基本形が存在します。 私は、この基本形を5つに分類しました。 1.先手横歩取り、後手2八歩型 2.先手横歩取り、後手3三角型 3.先手横歩取り、後手3三桂型 4.相横歩取り、先手7七銀型 5.相横歩取り、先手7七桂型  これらの横歩取りには、各々に必ず定跡というものが存在します。 この中で既に、「これにて先手良し」とかの結論が出てしまった定跡はあるのでしょうか? 私が知りたかったのは、正にそこなのですが、調査不足もあり、今は知りません。 これらの定跡と言うものは、幾年も前に人間が知恵を絞って考え出した定跡に他なりません。 今の世の中には、人間を凌駕してしまった非常に優れた将棋ソフトが存在します。 それらのソフトが、人間が知らなかった新しい定跡を生み出していることも事実です。 具体例をあげるならば、矢倉が衰退することの原因となった「新手」もソフトが編み出したと、何かで読みました 横歩取りに関しても、ソフトの解析により、既に結論が出てしまった定跡があっても不思議ではありません。 しかし、今はまだ私にはその情報が入って来ていないので、解析されていないという前提で話を進めることにします。 間違っているかも知れませんが、その点はご容赦ください。  現在、横歩取りに関しては、ドルフィンによる局面指定の自己対戦を行っているのですが、その中で面白い現象がありました。 「先手横歩取り、後手2八歩型」の戦型で、後手から角交換後、2八歩と桂取りに打つ局面があります。 この局面を指定し、10局以上をドルフィン同士で戦わせてみたのですが、この2八歩を打った時点で、評価値が何れもピーンと跳ね上がります。 それまでの数手は、比較的緩やかに推移していたのが、+300とか+400と急に跳ね上がり、先手有利と表示されます。 検索エンジンをエルモに変えてみると、545と表示され、更に先手が有利となりました(写真添付)。 この先手有利の局面から、優勢を維持しつつ、そのまま終局に向かっても、全然不思議ではありません。 そうすれば、「終わった戦法」の有力候補になります。 他の戦法、例えば「先手横歩取り、後手3三角型」などは、ずっと緩やかな流れのままで、評価値にそれ程の変動はありません。 50手が過ぎても変化がなければ、先手有利の結論を出すのは難しいでしょうね。 横歩取りに関しては、興味本位で調べているので、あまり深入りするつもりはありません。 本格的に調べようと思ったら、もっと多くのデータが必要になるでしょうね。 データが出揃ったところで、どこが悪い?、原因は何か?、そこでの最善手は?等、一つ一つを細かく分析しなければならない。 それに、考慮時間の設定も重要な要素になります。 ポナンザの開発者の山本さんは、雑誌ニュートンのインタビューでこう答えています。 「コンピューターの場合、2倍の時間をかければ1手深く読めます。持ち時間を2倍にして1手深く読めるポナンザと、普通のポナンザを戦わせると、 持ち時間を2倍にされたポナンザの勝率は8割です。まあ、100%ではないので、深く読めた方が必ずしも正しい未来を読めているとはいえないのですが」。 このポナンザの思考は、オープンソース化されたBONANZAの影響が色濃いと思われます。 ドルフィンにも同じことが当てはまるのではないでしょうか。 より深く探ろうと思えば、考慮時間をそれなりに長くする必要があるということですね。 参考文献 Newton  ゼロからわかる人工知能 将棋 Mon, 04 Nov 2019 10:48:11 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 最強AIソフトは横歩取りを恐れている https://cyta.jp/shogi/b/93406 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/3/55326/120.jpg" alt="" /><br> 感想戦での一コマです。 「敗着は、あなたが最初に指した3四歩です。」 「何寝ぼけたことを、そんな訳ねーだろ。」 これだけでは、何のことか理解できませんね。 もう少し話を進めると、「あなたは、私が指した後の2手目に角道を開けたばかりに、飛車先歩の交換後、横歩を取られてしまったじゃないですか。 横歩を取らしてはいけない、このことは将棋界の鉄則ですよ。そんなことも忘れてしまったんですか。」 「はい、確かにその通りです。お見それしました。」 こんな会話が近い将来聞けるかも知れません。 何故なら、あのアルファゼロの思考回路では、横歩を取られた方は、即負けに繋がる構図が既に出来上がってしまっているからです。 このことについて、もっと詳しく説明したいと思います。 アルファゼロは、エルモとの100番勝負をする前に3日間の自己対戦を行っています。 その時の最初の12時間分のデータが公開されております(写真添付)。 折れ線グラフの横軸が時間(0から12時間)で縦軸が出現頻度です。 4つに分けて順番に説明します。 先ず左上の盤面とグラフについてです。 盤面は、先手が2六歩、後手が8四歩と指した局面です。 グラフでもわかる様に、12時間経過した後でも、頻度的に最も多く指されています。 次に、その横の右上の盤面とグラフはどうでしょうか。 盤面は、先手が2六歩、後手が3四歩と指した局面です。 最初の約5時間は経過する迄は、少しだけ学習(対戦)していますが、その後は全く学習しておりません。 何故でしょうか。 学習(対戦)する価値がないことに他なりません。 要するに、この2手指した局面は、少しばかりの学習で先手有利であることが判明した故、これ以上指す必要がないとの結論に達したと考えられます。 次に、左下の図です。 盤面は、先手が7六歩、後手が3四歩と指した局面です。 これも、このグラフからわかる様に、先ほどのグラフ同様、学習するのを途中で打ち切っています。 従って、アルファゼロ内部では、これも指す価値のない戦法ととらえています。 最後の右下に移ります。 先手が7六歩と差し、後手が8四歩と指した局面です。 12時間経過後の頻度をみると、約7%ではあるが生き残っています。  まとめると、アルファゼロが後手で最初に3四歩と指さないのは、横歩取りを恐れているからです。 横歩は取られたら負け、という認識がアルファゼロの中に生まれたのではないでしょうか。 このことを直にアルファゼロに問うて確かめれば良いのに、と思われるかも知れませんが、そのことは今の技術では無理な様です。 コンピューターの思考方法は、ブラックボックスであると言われ、結論ありきで途中経過は教えてくれません。  これらのことを理解した上で、エルモとの100番勝負を振り返ってみます。 アルファゼロが先手番時の初手は(50局)   2六歩 : 33回(66%)   7八金 : 17回(34%) アルファゼロが先手番時の戦型は   相掛かり 33   横歩取り(青野流) 17 アルファゼロが後手番時の初手は(50局)   8四歩 : 42回(84%)   3二金 :  8回(16%) アルファゼロが後手番時の戦型は   相掛かり 46   相雁木 2   先手雁木 vs 後手右四間飛車 Ⅰ   先手左美濃 vs 後手雁木 Ⅰ  アルファゼロの後手番をみると、3四歩とは1回も指し手おらず、横歩取りも1回も指していません。 自己学習時のデータと併せて、アルファゼロ内部では、横歩取りは終わった戦法と考えて良いでしょう。 参考文献 1.AlphaZero論文のデータから見る将棋界の未来予想図① https://www.youtube.com/watch?v=VCsXGWV_TN0 2.将棋界最強AlphaZeroの論文をざっくり解説 https://www.youtube.com/watch?v=N6MzwqPs1q0 3.AlphaZeroの論文PDF https://arxiv.org/pdf/1712.01815.pdf 将棋 Sun, 03 Nov 2019 18:02:34 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 アルファゼロにみるAI(人工知能)の飛躍的な進化について https://cyta.jp/shogi/b/93395 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/2/55317/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/2/55318/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/11/2/55319/120.jpg" alt="" /><br> 私事ですが、随分長い期間将棋と離れていて、本格的に将棋と向かい合う様になったのは、半年ほど前からです。 それまでの約20年間は将棋をほとんど指しておらず、将棋界で何が起こっているのかもほとんど知りませんでした。 ただし、藤井聡太七段のことは、社会的ニュースとして飛び込んでくるので、プロになってから無傷の29連勝を記録したことは知っていました。 そして、囲碁の世界で、韓国の世界トップレベルの棋士がコンピューターソフトに負けたことは、AIの転換期としてビッグニュースだったので知っていましたが、佐藤名人(当時)が将棋ソフトに負けたのを知ったのは今年になってからでした。 今、こうして将棋の世界に戻って来て、驚くことばかりです。 中でも最も驚いているのは、AIによる将棋ソフトの実力が、プロ棋士が既に追いつくことができない領域に達してしまっている点です。 私の思考は、ずっと以前に故米長永世棋聖が「コンピューターはプロ棋士には勝てない」と言われたことがありますが、そこで止まったまです。 このままでは、時勢に取り残されるばかりなので、本腰を入れてAI(人工知能)、将棋ソフトが辿って来た歴史について調べてみました。 私が知りたいこと、疑問に思ったことをまとめると、以下の様になります。 1.将棋ソフトが飛躍的に進化する要因となった学習法と学習量について 2.将棋ソフトの解析により、なくなった(先手有利の結論が出てしまった)戦法はあるのか 3将棋ソフトからみて、先手と後手とでは如何ほどのハンディがあるのか(先手の勝利期待値は如何ほどか) 4.将棋界の未来について  この4項目全てに関わることとして、アルファ碁とアルファゼロは外せないので、そこから追っていくことにします。 以下は、進化の過程を箇条書きにしてみました。  アルファ碁は、グーグル傘下の人工知能(AI)ベンチャー企業が開発したソフトである。 アルファ碁にしたことは、過去の多様な囲碁のデータを全部アルファ碁に入力して、要はそれを認識させた上で、そのビッグデータからディープラーニングを始めてどんどん学習させていった。 ディープラーニングとは、大量のデータを読み込ませて学習すれば、人工知能が判断を下せるようになるという発想のアルゴリズム(答えを導き出すための計算方法)である。 アルファ碁の場合、ネット上に存在する、15万局分の人間同士の棋譜をもとに、3000万手に及ぶ局面と打ち手を経験させた。 その後はアルファ碁同士で対局させ、信頼できるデータを集めて強くしていった。その数は100万局で人間だと1000年はかかるとか。 進化したアルファ碁ゼロでは人間の棋譜を用いず、AIによる自己対戦のみで強くする「強化学習」が用いられた。 2017年10月、更に進化したアルファゼロがアルファ碁を完全に凌駕したニュースは、AI開発に大きな衝撃を与えた。 アルファ碁とアルファゼロが対戦した結果、アルファゼロの100戦100勝だった。 アルファ碁ゼロで用いられた手法をアルファゼロという名称で一般化し、チェスと将棋にも適用した。 24時間の学習の結果、チェスでは既存の最強AIとして知られる「Stockfish」相手に100戦して28勝0敗72引き分け、将棋では3日間学習した後、同じく最強AIであるエルモ相手に90勝8敗2引き分けという戦績を残した。 アルファ碁の教師は人間であり、人間の観点を教師に人間を超えた。 アルファゼロは教師なしで学習していって、人間も超えてアルファ碁も超えた。 アルファゼロは何をしたかというと、過去のデータは一切ゼロで、人間の発想、人間の観点、人間の経験、人間の知識、人間の定跡を一切何も教えない「0」の状態でルールだけを教えた。 最初は素人同然の打ち方をしていたが、そこから段々進化せせた。 アルファゼロは人間の定跡を教えてもらわずに発見し、しかも更に人間が発見していない定跡を自分で編み出した。 人間がイメージできない理解できない手を繰り出すようになった。  ここまでは前置きですが、本論は以下のテーマについてです。 1.アルファゼロの中では、横歩取りは終わった戦法である。 2.アルファゼロ同士が戦った場合、先手が勝つ確率は8割である。 参考文献 1.人工知能の「最適解」と人間の選択 2.人工知能の核心 3.Newton ゼロからわかる人工知能 4.最強将棋ソフト「アルファゼロ」の千田翔太六段の解説の要点3つ https://kotaro-note.com/alphazero-chida/ 5.“ゼロ”のAI進化と“O=∞=1”の人間進化~アルファ碁ゼロの登場から考えるPersonal Universe開発の時代~ https://www.youtube.com/watch?v=PhC4MVAoulc 6.アルファ碁からアルファ碁ゼロへ http://home.q00.itscom.net/otsuki/alphaZero.pdf 7.今さら聞けないディープラーニングの基本、機械学習とは何が違うのか https://www.sbbit.jp/article/cont1/32033 8.人間を超えたアルファ碁(AlphaGo)は、どのようにして強くなったのか https://cakes.mu/posts/12685 9.最強AI「アルファゼロ」登場で将棋は終わるのか https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20190111-OYT8T50014/ 将棋 Sat, 02 Nov 2019 21:36:58 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 フリーソフトをインストールすることの利点について https://cyta.jp/shogi/b/93384 <br> 最近、将棋のフリーソフトをインストールしてみました。 フリーソフトとは、無償で入手可能なソフトのことです。 パソコンの機能にもよりますが、「将棋ソフト無償」と検索すると、「将棋GUIインストール」等の項目があるので、それらを手順通りに進めればインストールできます。 エルモを入れる際には、多少手間取りましたが、全体的にそれ程難しくはなかったです。 未だ将棋GUIと付属ソフト(検索エンジン)を使い始めて3週間程しか経っていないので、全ては把握できていませんが、現時点で私が知っている限りでは、以下の機能があります。 1.検索エンジン内に複数のフリーソフトを入れることが可能。 2.自分とソフト、もしくはソフト同士の対戦ができ、その場合、持ち時間、秒読みの設定が可能。 3.ソフトとの駒落ちの対戦が可能。 4.予め局面を指定し、その局面から対戦する(させる)ことが可能。  ソフトは振り飛車を通常指さないが、予め最初に飛車を振った局面を作成ておけば、そこから引き続きソフトに指させることが可能。 5.将棋ウォーズ(ネット対局)の棋譜を一括ダウンロードすることが可能 6.指し手毎に評価値なるもので、優劣を数字で判定している(数字が髙くなるほど優勢)。 7.コンピューターが、一手毎に読み筋を教えてくれる。 8.終了した棋譜は、フォルダ毎に分類して保存することが可能。 9.フォルダ内の棋譜を短時間で一括して解析することが可能(評価値がグラフ化されるので、変化点と優劣が一目瞭然)。 10.ソフト同士の対戦で、仮に持ち時間を1時間以上の長時間に設定した場合、寝る前にカードを組んでおけば翌朝棋譜を見ることが可能。  今や私のパソコン内には5つのフリーソフトが入っています。 先ず最初に入れたのは、母体となる将棋GUIに既に内臓されていたソフトGPS将棋です。 そして次には、現時点で最強ソフトの呼び声が高いドルフィンです。 更に、かの有名なポナンザ(2017年の電王戦で当時の佐藤名人に2戦2勝)に対し、世界コンピュータ将棋選手権で2戦2勝した滅法強いエルモを入れ、次に浮かぶむ瀬(旧名はApery)、技巧2の順で入れました。 残念ながら、将棋界の革命児BONANZAさんはフリーソフトにも関わらず、サービス期限切れとかで、入れることができませんでした。  全部が出揃ったところで、総当たりバトルを繰り広げてみました。 最初に行ったのが、内臓ソフトのGPS将棋とドルフィンとの対戦です。 時間設定は、持ち時間なしの30秒の切れ負けにしました。 結果は、約10戦して、予想通りドルフィンの全勝でした(全てGPS将棋の先手番)。 次に持ち時間と攻めの先後は、ドルフィンの時と同じ条件で、エルモ、浮かむ瀬。技巧2の順でGPSと戦わせてみました。 各10局以上で、総数で50局以上を対GPS将棋戦で戦わせてみましたが、結果は、GPS将棋の全敗でした。 GPS将棋が余りにも勝てないせいか、最後の方で振り飛車にした将棋が2局ほどあり、少し驚きました。 ここで、一つの結論が出ました。 GPS将棋は、結局、どのソフトにも1回も勝てなかったことから、この中では紛れもなく最弱ということです。 日進月歩の将棋ソフト界においては、古いソフトが、より新しいソフトに淘汰されるのは、道理かも知れません。 但し、GPS将棋の弁護のために言いますが、決して弱いソフトではなく、強いのは事実です。 現に、2013年の第2回電王戦のプロ棋士対将棋ソフトの5対5の対戦における大将戦では、三浦九段に勝っております。 三浦九段も後で、敗因が分からない、と供述している通り、これと言った悪手を指した訳でもないのに、その上を行ったことになります。 私も2局角落ちで対戦しましたが、2局共負かされました。 この時の設定時間は、将棋GPS将棋が持ち時間10分と秒読み10秒で、私の方は無制限(設定の切れ負けしないを選択)にしました。 ただ、実際は、私が淡白だったせいか、どちらも30分ほどで終わってしまいました。 私は、この2局以外は、将棋ソフトとは指しておりません。 何れ指す機会があると思いますが、導入した目的が違いますので、当分の間は将棋ソフトとは指すつもりはありません。  さて、ここからはGPS将棋を除いた残り4つによるリーグ戦の開始です。 対戦するに当たり、あらかじめ条件を決めました。 先ず、先手か後手かを決める際には、後から登場した将棋ソフトの方が強いと言われていますので、ハンデの意味でより新しいソフトの方を後手にしました。 そして、それぞれ持ち時間は10分で秒読みは10秒に設定しました。 この条件の下、10局づつ戦わせて、棋譜は全て残す事としました。 それぞれの対戦結果については、この下に記述しておきます。 この中でも一番興味があったのが、上位2強のドルフィン対エルモ戦です。 エルモは2017年の世界コンピューター将棋選手権の予選でポナンザを下し、決勝リーグでも6戦全勝同士でポナンザと対戦しております。 この時のポナンザは最先端の学習法ディープラーニングを採用しており、前回優勝したコンピューター選手権時よりも更に強くなっているのは確実です。 そのエルモとポナンザとの優勝決定戦の棋譜を見ましたが、壮絶な戦いでした。 途中からポナンザが、プロでも受け切るのが至難の業と思える程の猛攻を仕掛け、いつ潰されてもおかしくない状況下で、エルモは見事にその攻めを受け切りました。 ポナンザが、攻めの継続手として、金取りに7七香と打った局面が勝負の分岐点でした。 その指し手の評価値がポナンザが0に対し、エルモは+600でした(評価値は0で互角、+100点でやや優勢程度)。 この時点では、ポナンザはまだ勝負の行方に気付いていませんが、エルモは既に勝負を見切っていたと思われます。 ここから流れは完全にエルモに傾き、そのまま勝ち切りました。 エルモの実力恐るべし。 因みにエルモは、1秒間に3500万手を読むことができるそうですが、ぴんと来ないですね。 従って、この様に強いエルモと実力NO1との誉れ高いドルフィンとの対戦は、心躍る非常に楽しみなものでした。 この対戦だけは、今までと少し条件を変えて戦わせてみました。 対局数を増やし、エルモ先手番が25局、エルモ後手番が25局の計50局にしました。 持ち時間は、各10分の秒読み10秒で変わらず。 これに加えて、持ち時間が各1時間、秒読み60秒でも組んでみました(現在継続中)。 さて、結果はいかに? 以下が対戦結果です。 1. ドルフィン VS エルモ      先手番ドルフィンの場合  ドルフィン 22勝  3敗      先手番エルモの場合    ドルフィン 19勝  5敗  1千日手                            勝率: 0.837 2. ドルフィン VS 浮かむ瀬(全て浮かむ瀬が先手)           ドルフィン  9勝   1持将棋  3. ドルフィン VS 技巧2(全て技巧2が先手)           ドルフィン  8勝   2敗 4. エルモ VS 浮かむ瀬(全て浮かむ瀬が先手)            エルモ   9勝   1敗   5. エルモ VS 技巧2(全て技巧2が先手)            エルモ   8勝   2敗   6. 浮かむ瀬 VS 技巧2(全て技巧2が先手)           浮かむ瀬  8勝   2敗   ドルフィンとエルモ戦では、ドルフィンの41勝8敗1引分でかなり実力差がありました。 ドルフィンが現時点では最強ソフトであることは、自分の目で確かめてみて納得しました。 但し、あのお化けコンピューターのアルファゼロについては、別格扱いとさせていただきます。 アルファゼロがいかに常識外れであるかは、別途説明することにいたします。 その他の対戦でも、ほぼ予想した通りの結果となりました。 今回のバトルの最大の目的は、最強ソフトであるドルフィンの真の実力を見極めるためでした。 従って、この結果には大変満足しております。 将棋倶楽部24では、九段レベルがR3200に対し、ドルフィンはR4300を超えています。 レートで1000以上の開きがある場合、上位者が勝つ確率は99.7%だそうです。 人間が勝つのは、容易ではないことが分かります。 今後は、最強ソフトドルフィンによる解析と、局面指定による自己対局をどんどん行う予定です。 ドルフィンは、自分がやりたいこと、知りたいことに向けての貴重なツールとなってくれるでしょう。 このことで、自分の将棋の幅が100倍にも広がった気分です。 参考文献 1将棋ソフトを使った研究方法解説!!! https://www.youtube.com/watch?v=SNni5GfgBBw 2.レーティングから見る将棋ソフトの劇的進歩について 3..AlphaZero論文のデータから見る将棋界の未来予想図① https://www.youtube.com/watch?v=VCsXGWV_TN0 4.人工知能 (AI) の歴史 https://tech-camp.in/note/technology/32652/ 将棋 Fri, 01 Nov 2019 16:26:19 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 升田幸三実力性第四代名人に関する興味深いエピソード https://cyta.jp/shogi/b/93036 <br>升田氏に関する名言、エピソードは数多くありますが、将棋に懸ける熱い思いがひしひしと伝わるエピソードがあるので紹介します。 升田氏は自己の回想録でこう述べられております。 「将棋は人生だ。 我々は対局通知をもらって手合いがつくと、親が死のうとどうしようと 試合を中止できないんです。 父が亡くなったとき帰ってくれと言われたが、これも帰れなかった。」 親の死に目にも会えないことを覚悟の上で、将棋に人生を賭ける。 これは当時の将棋指しにおける宿命で、悲しい性なんでしょうね。 現に父君が亡くなられた当時は塚田(正夫)九段との対局が組まれていて、断腸の思いで対局の方を優先されました。 塚田氏もその事を重々承知の上で、対局中に声を掛けられた様です。 「しょうがないじゃないか」 「死ぬものは死ぬ」、と。 た、確かにそうかも知れませんが・・・ 傷心し落ち込んでいる相手に、面と向かってなんちゅうことを言うのですか(怒)。 この言葉を聞いて、升田氏の闘志に火が付いた様です。 「頭にきた、もうゆるめてやらん」とめちゃくちゃに勝ったと回想しておられます(拍手)。 今思えば、塚田氏も勝負師ですから、相手をかっかさせるための作戦だったのでしょうか? 結果は裏目に出てしまいましたが。 古き良き時代の出来事です。 次なるエピソードですが、升田氏の幼少時代に遡ります。 ご本人曰く、小学生の頃から既に大酒飲みとのことでした。 (今の良い子は真似しないでください) 「朝、小学校へ行く前に自分の家で飲んでから出かけるから、遅刻し罰として立たされる。 気が付いたら寝とる、酔いが回って。」 真偽の程はともかく、このユーモア溢れる話っぷりが好きです。 それから、同じく幼少期にはこんな事もありました。 升田氏の叔父が漢方薬を扱っていて、人相見でもあったそうで、升田氏が生まれた時に「大変な子が生まれた」と言うんで母親がびっくりしたそうです。 「お前は釈迦とかキリストとかソクラテスを合わせたようなもんだ」 と小学生の間中ずっと言い聞かされて育ったそうです。 この事が升田氏にとっては大変な自信になった様です。 この先は、升田氏の言葉の引用になります。 「ははぁ釈迦とかキリストとかソクラテスかなんか知らんが、こういうものを3つ合わせたようならオレは必ず何かしら偉くなれると、これを信じておりました。 母の教育ですね。そのかわり兄弟にはいじめられた。」 「何が釈迦や、何がキリストや」パチパチ 語り口の最後で思わず吹いてしまいました。 あの風貌に似合わず、この様なユーモアも合わせ持っておられるのですね。 因みに升田氏は11人兄弟の4男です。 最後に升田氏が真の勝負師たる一面が垣間見えるエピソードがあるので、それも紹介します。 内藤國雄九段が何かの講演で升田氏に付いて大いに語っておられました。 そこからの引用になります。 内藤氏は升田氏を将棋界では最も尊敬しており、酒宴での付き合いもあった様です。 塚原卜伝からの剣豪談義になった時に、内藤氏は吉川英治作の宮本武蔵を引き合いに出したそうです。 そして、その時に感じた升田氏の勝負師たる洞察力に甚く感心しておられました。 遅れてきた武蔵に小次郎が激怒して波打ち際に飛び込んで行って切りかかったら、櫂(船を漕ぐ棒)で一撃され崩れ落ちた、とここまでは有名な話です。 そして、内藤氏が言うには、小説では武蔵が立ち去る前に小次郎の口元に手を当てて息が途絶えたかどうかを確かめたと言う件があるそうです。 その事を升田氏に伝えると、升田氏はそれは違うと言われたそうです。 武蔵程の達人であれば、あの一撃で相手が死んだかどうかは分かるんだと、あれは確かめたのではない。 升田氏の言われることに、何か鳥肌が立ってきますよね。 升田氏は剣道五段の腕前でもあられます。 戦う前に飛びかかって来る相手に更に怒らせるために唾を吐きかけたんだと、あれは顔に付いた唾を拭いたんだと言われたそうです。 この事を後で聞き知った原作者の吉川英治さんは大変感心されたそうです。 升田さんと話していると筆が進むとも言われたそうです。 唾を吐きかけたことに対して、私個人の感想は決して卑怯とは思いません。 生きるか死ぬかの戦いですから。 わざと何時間も遅れて来て相手を激怒させた事も然りで、兵法の一つとでも考えているのでしょう。 小次郎が倒れてから武蔵が実際に取った所作が如何なるものか、本当に内藤氏が言っている通り絶命しているかを確かめたものなのか、現時点で興味が沸いたので今度調べてみようと思います。 吉川英治著 宮本武蔵 全8巻の内の最後の第8巻に佐々木小次郎との対決が描かれています。 本を購入するまでもなく、ネットで調べたら、下呂市内に3か所ある図書館の内の1か所にその蔵書が置かれていることが分かりました。 今度本を借りて、小次郎が倒れた後のその部分だけを調べてみようと思います。 歴史書が好きなので、ずっと昔にこの本を読んだことがありますが、そこまでは覚えていません。 今日はここまでですが、この先も続きます。 将棋 Sun, 13 Oct 2019 07:15:28 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 山形県天童市「二千局盤来2018」ギネス達成のモニュメントが完成しました https://cyta.jp/shogi/b/93013 <br> 皆様ご無沙汰しています。将棋コーチの西村幸喜です。  今回は、昨年10/15(月)のブログで「山形県天童市『二千局盤来2018』に参加しました」のその後につきましてお話しします。  詳細は、URL「https://cyta.jp/shogi/b/84818」をご覧下さい。  山形県天童市は、将棋の駒生産量日本一の地域で、将棋ファンなら一度は訪れたい場所です。そんな山形県天童市で10/1(火)に「二千局盤来2018」ギネス世界記録達成記念モニュメントの除幕式が開催されました。将棋の駒の街に相応しい立派なモニュメントです。 <天童市の観光ガイド 天童のニュース(令和元年10月1日)>  http://www.ikechang.com/news/2019/news20191001.html  このモニュメントには実際に対局した人全員の氏名が記されており、その中に私の氏名もございます。設置された場所も人間将棋が開催されます舞鶴山の広場ということで、多くの将棋ファンの目に触れる点でも良いと感じました。  観光も兼ねて改めて天童市に行こうと思います。  11月17日は将棋の日ということで、各地で将棋に関するイベントが盛りだくさんです。  10月と11月に催される将棋イベントを紹介します。是非、足をお運びいただければと思います。 ・10/19(土)加古川青流戦交流レセプション  18:30~20:00に加古川プラザホテルで開催されます。  憧れのプロ棋士の方々と交流できる場です。  私は、加古川市のふるさと納税で参加をさせていただきます。 ・11/17(日)第3回船江恒平六段杯稲美野将棋大会  10:00~17:00(受付9:30~)稲美町立コミュニティセンターで開催します。  豪華賞品盛り沢山で、皆様のご参加をお待ちしております。(当日受付)  では、今日も楽しく将棋を指しましょう! 将棋 Fri, 11 Oct 2019 21:19:52 +0900 将棋教室::日本将棋連盟公認 西村幸喜将棋教室 西村 幸喜 升田幸三名言集より「たどり来て、未だ山麓」 https://cyta.jp/shogi/b/92797 <br>木村新王位タイトル獲得おめでとうございます。 最年長での初タイトル獲得は、私にとっても励みになります。 表題の「たどり来て、未だ山麓」は我が心の師でもある升田氏が、九段、王将に加え名人のタイトルを独占した時に発せられた名言です。「新手一生」を座右の銘としていた升田氏らしいと思いました。 自分に置き換えた場合、やっとで山裾の下の方にたどり着いた気分なので、目標としているブログ100件は早めにクリアしたいですね。 最後にアメブロとフェイスブックのURLを添付しますので、よろしかったら覗いてみてください。 フェイスブックURL https://www.facebook.com/profile.php?id=100039431600268 アメブロURL https://ameblo.jp/kuma3003/ 将棋 Fri, 27 Sep 2019 23:13:37 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 二枚落ちによる指導対局(2) https://cyta.jp/shogi/b/92720 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/23/54861/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/23/54862/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/23/54863/120.jpg" alt="" /><br>先ずは昨日の指導対局のレポートからです。 指導対局を行うに当たって、生徒さんの要望を聞いたうえでレッスンの予定を組むことを心掛けています。 純粋に将棋を楽しみたいと言うのであれば、平手での対局も良いでしょうし、駒落ちから学んで段階的に強くなりたいと言うのであれば、それも良いでしょう。 今回は、二枚落ちでの希望でしたので、前回と同じく二枚落ちの実戦です。 対局するに当たって、少し大き目の三脚を立ててアイパッドで動画撮影を行いました。 生徒さんからの要望で、棋譜を使って一手毎に将棋ソフトで検証をしたいとのことでしたので、昨日中に棋譜をエクセルに落としてから、メールで送信しました。 生徒さんの努力に報いることができれば良いですね。 さて、対局内容ですが、前回同様序盤は非常にうまく指されました。 局面(1)の写真は、下手から7四歩、同歩、7五歩と打たれた局面です。 この指し回しが実にうまく、これにて上手がしびれています。 この歩を銀で取ることができません。 仮に取った場合には、次の6五歩でどうやっても銀が助かりません。 従って、やむを得ず6七銀と後退しましたが、その後に指した5二金、6三金、7四金と位を確保したのも立派な手です。 これで、下手が盤面の左側半分を制圧したことになります。 この序盤のリードをうまく勝ちに繋ぐことができる様であれば、初段は目前です。 次に局面(2)の写真に写りますが、銀が4六歩で取られている局面です。 取られる前には、この銀は4四の地点にいました。(局面(1)の写真参照) 歩越し銀と言って、この形は愚形だから避けた方が良いでしょう。 とは言っても、今は未だ何故愚形かを理解する必要はありません。 このまま強くなれば、何れこの形に違和感を感じ、感覚で分かる様になる時が来ます。 上手にその弱点を突かれて銀を召し取られてしまいましたが、慌てる必要はありません。 実戦の様に3六銀、同金、3五歩と指して良いのです。 その後に2八歩と打てば桂馬が手に入ります それに香車も確保できそうです。 これにて下手が優勢になるはずですが、残念ながら別の手を指してしまいました。 最後の写真に写りますが、ここで下手には決定的な好機がありました。 4四飛と銀取りに当てる手です。 銀が5二銀と成りこめば、4六歩の要領です。 勝勢とまでは行かないまでもはっきり優勢です。 この手を逃し、6六歩と指してしまいました。 ここから先は下手に勝ち目はなく、結局129手で上手の勝ちとなりましたが、 それまでに幾度となく、下手に勝機は訪れています。 二枚落ちの場合、相当なハンデ戦なので、一回失敗した位でがっかりせず、 次またはその次のチャンスまで待っても十分に戦えます。 総評ですが、前回よりもうまく指していましたが、勝負所で応手を間違え優勢を築けませんでした。しかし、今の段階ではこれが普通です。 徐々に上達して行けばそれで良いのです。 今こうして将棋コーチとしてのブログを書き終えたところですが、何かが不足していることに最近気付かされました。 ブログはコミュニケーションが大事だと言われています。 こうして投稿はしているのですが、一方通行のままでした。 せっかくフェイスブック、アメブロ、ツイッターのアカウントを取得したにも関わらず、全く活用しておりません。 これからは、こまめに投稿する予定でいます。 まだ手探り状態で不安な面がありますが、やってみよう精神でトライすることにします。 URLも添付する様にしますので、何かご意見等があれば、投稿していただけれ幸いです。 将棋 Mon, 23 Sep 2019 18:24:18 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 藤井聡太七段が放った奇想天外な着手について思うこと https://cyta.jp/shogi/b/92680 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/21/54839/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/21/54840/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/21/54841/120.jpg" alt="" /><br>藤井将棋の特徴として、攻めに秀でていることは当然として、受けにも秀でていることは、阿久津八段の以下のコメントで伺い知ることができます。 「受けがすごくしっかりしていて、リードを奪ってからは結構手堅く相手の攻めを消していってリードを守って勝つのが非常にうまい。」 確かに言われる通り、小さなリードを保って、又は徐々にそれを拡大して勝つことは将棋の王道ですよね。 他のトップ棋士のインタビューを聞いても、受けの強さに関しては定評があります。 私個人の感想としては、藤井将棋の本質は今までに印象に残った棋譜を見て判断する限り、「肉を切らせて骨を断つ」の攻め将棋だと思います。 何れ紹介することがあると思いますが、ここは受ける一手と思える様な局面でも平気で手抜きして攻め合いを目指す場合が多々あります。 今回のテーマとして取り上げたのは、攻めるでも受けるでもない「奇想天外な一手」に関してです。 奇想天外と言うよりも、失礼な言い方ですが「変な手」と表現する方がピッタリかも知れません。 実際に藤井七段の棋譜を調べた中では、これから紹介するこの一局が今までに最も印象に残っています。 その一手が指されたのは、去年の新人王戦で、大橋貴洸四段との対局です。 最初の添付写真の局面は後手藤井四段(当時)が9筋の歩を9五歩と突き捨て同歩と取った局面です。 ここで、藤井四段が指した手が実に驚くべきものでした。 さあこれから攻めるぞと見せかけて、実際に指されたのは拍子抜けする様な2八成銀でした。 対局相手の大橋四段が思わず「えっ」と絶句しそうになったのではないでしょうか。 全く思いもつかない一手でした。 普通の感覚ではあり得ない手です。 この局面を見渡してみると、第一候補が7六歩でその他の候補として4、5通りありますが、何れも攻めの手で盤面の左半分に集中しています。 もし仮に私が対局者であるなら、これらの手に付いては数手先までを読むことを試みるかも知れませんが、2八成銀などは全く眼中にありません。 長年の経験と勘から瞬時に「無い手」と判断してしまうからです。 その理由は、読みを入れる前に、戦線から離脱してしまう様な単なる一手パスに近い手に映ってしまうのです。 従って、2八成銀などは全く思いもつかない手、即ち私にとっては何年経っても絶対に指すことができない手なのです。 この手の持つ意味に付いて説明しますと、次に先手から6二歩成り、同金、2七馬の飛車との両取を防いでいることと、手が空けば香車が入手できることです。 確かにその意味するところは理解できますが、それでも私としては2八成銀は絶対に指せません。 馬で成銀を取るまでに二手掛かる訳で、その間に一仕事してしまおうと言う気になってしまうんですよね。 その点、藤井さんは若いのに似合わず実に冷静です。 攻め時をちゃんとわきまえていて、攻めてもうまく行かないと判断した時には、最善手を探る中で相手の狙い筋を封じる事に着眼するのですね。 この様な異質な感覚はどこから来ているのだろうか、と考える時に将棋ソフトの影響が大きいのかなと思わざるを得ません。 次にもう一つ驚く手があるのですが、この将棋の先ほどの局面から三十数手進んだ局面にそれが現れます。 2番目の添付写真は、先手が角取りに9四歩と打った局面です。 この時点で角の逃げ場はなく、角は詰んでいます。 従ってこの局面で考えられる手としては、角は放置して6四香、あるいは9二飛位しか頭に思い浮かびません。 しかし、実際に指されたのは、香車の利き道にわざわざ角を逃げる思いもよらぬ8四角でした。 歩では取られるのは嫌だけど、香車だったらあげますよ、と言っている様なものです。 こんな手は普通の感覚ではあり得ないですよね。 実戦でこの手を指せるかと問われれば、絶対に無理だと自信を持って断言できます。 後で谷川九段の解説を聞いていて分かったのですが、この8四角の意味は一種の毒饅頭なのですよね。 仮にこの角を香車で取った場合には、恐ろしい罠が待ち受けています。 8四角の意味は香車の位置をずらすことにあるのです。 8四香と指した場合には、その空いたスペースに8五桂が飛んで来ます。 この8五桂が意外と厳しい。 玉の退路を狭めたのと同時に9四歩と打ったばっかりに9八歩と受けることができない、正に一石二鳥の手なのです。 この後の展開として、大橋四段はこの桂打ちを察知してか角を取らずに別の手を指しましたが、結局藤井四段の勝利となりました。 これが生まれ持った才能なのか、あるいは将棋ソフトで培われた勝負勘から来るものかは、分かりません。 一つ言えることは、常人離れした感覚の持ち主であることは確かな様です。 最後に、羽生永世七冠がNHK杯戦の中終盤で指した伝説の5二銀と比較してみます。 対戦相手は加藤九段です。 3番目の写真を添付します。 金でも飛車でも取ることのできる敵陣に放ったただ捨ての銀ですが、ソフトで検証するとこの手が最善手でこれにて勝勢となる様です。 ただし、さすがのソフトでも瞬時にこの5二銀は読めていません。 コンピュータの頭脳でさえ五分以上の時間を掛けてやっとで読み取る事ができる難解手なのです。 羽生九段の凄さは、この手を秒読みの中で僅か二十数秒で読み切っていることです。 この場面でコンピュータに勝るとはすごいと言わざるを得ません。 しかし、今考えるにこの手は将棋の格言「玉の退路に捨て駒」を地で行っています。 従って、私としても長考すればこの手は決して思いつかない類の手ではありません。 そして思いついた場合には、その後の変化も読んでいたでしょう。 ここが先程紹介した2例とは根本的に違う点です。 将棋 Sat, 21 Sep 2019 07:15:55 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 二枚落ちによる指導対局 https://cyta.jp/shogi/b/92390 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/2/54611/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/2/54612/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/9/2/54613/120.jpg" alt="" /><br>今回のブログでは、生徒さんとの指導対局の様子をレポートすることにいたします。 Sさんとの指導対局は今回で2回目です。 前回はお手並み拝見と言う意味で平手での対局を行いましたが(上手勝ち)、今回は二枚落ちでの対局になります。 Sさんの事を少し紹介しますが、とても熱心な方で、今後の対局に当たっては三脚を用いてのスマホでの動画撮影も考えておられ、終局後の感想レポートによると、指し手の評価をコンピューターを使い研究したいので、自分なりに何とか棋譜を残す方法を考えてみるとの事でした。 この件に付いては、最後に触れます。 それでは総括に入ります。 部分的な説明のために盤上急所と思われる写真を3枚用意しました。 実際に、対局中に局後の検討に使う目的でアイパッドで写真を何枚か撮りましたが、ピントが近過ぎたため全体像が映らず尻切れトンボになってしまったので、帰宅してから盤上を再現してから撮り直しました。 次回からは、教訓として全体像が映る様にもっと離れた位置で撮影する様にします。 それでは先ず最初の写真ですが、下手が3一に引いた角を6四に上がり、上手が6八にいた金を5七に上がって4筋を守った局面です。 ここまでは非常にうまく指され、完璧に近い内容でした。 この局面を見渡して、下手の良かった点が3つ上げられます。 ① 最初は得意戦法の中飛車に振られましたが、上手に中央を厚く構えられ、中央突破が困難と見るや、上手の戦力が比較的手薄な3筋に飛車を振り直した発想の転換がすばらしい。 ② 3筋に飛車を振った後に、玉頭に迫る手筋の継歩を行い、銀と飛車とでしっかりと3筋の位を確保している。 ③ 桂馬の2段跳ねによる攻めの構想もすばらしく、いつの間にか飛車角銀桂歩が急所に配置され、攻めの理想形を築いている。 以上の点から、ここまでの評価ではSさんは大局観に優れ、棋理にも明るいと感じました。 さて、最初の写真の局面に戻りますが、ここで下手にとって3手一組の絶妙手がありました。 実際は、ここで3七歩成り、同桂、同桂成りと指されましたが、同桂成りではなく3六銀と進まれていたら、5八玉と逃げるしかなく、そこで同桂成りとされていたら、3筋からの突破がほぼ確実で上手も受け切るのは容易ではありませんでした。 このまま潰されていたかも知れません。 かと言って、下手が指した3七同桂も決して悪い手ではありません。 ごく普通の手を指された訳で、最善手を逃したからと言って気にすることはありません。 この局面では、指導対局における上手の葛藤があったことに付いても触れておきます。 3七歩成りに対して、上手は同桂と取りましたが、同銀と取る手もありました。 むしろ同銀の方が、上手にとっての最善手でしたが、その事は対局中にも気付いておりました。 それでも、同銀の後に同桂成り、同金、2八銀くらいで上手が悪いことに変わりはありませんが、この方がまだ紛れがあります。 それでは、何故上手が最善手を指さなかったかについて説明しておきます。 要するに下手の力量を測るための判断材料としたのです。 もしここで下手が最善手を指せる様であれば、ここまでの完璧な駒組も含めた上で、そもそも二枚落ち自体が手合い違いであると考えられます。 この時点で二枚落ちは卒業しても良いでしょう。 さて、ここで上手が同銀とした後に、一見下手が息切れしたかの様に見えましたが、次に8六桂と打った手が素晴らしかった。 (写真添付) これで香得が約束され、うまく行けば角も成れそうなので、攻めが途切れることはありません。 だが現実はそうはうまく行きません。 その他の候補として、あくまでも玉頭突破をにこだわる4五桂とか2五桂がありますが、指し手が細く上手にうまく指し切られてしまうでしょう。 8六桂と打たれて、ここからが上手が本領発揮する番です。 先ず、3六歩で銀を4四の地点へ追いやり、自陣の憂いをなくしてから、攻めに転じました。 その手始めとして、6五歩と角を元の3一の地点まで後退させてから、7五歩としました。 この手の意味は角で取れば、7六銀と出て、角がバックすれば8七銀引きで香車を守る予定でした。 この後の展開は、桂で香車を取り、同銀の後に9五歩と攻められていれば、端から破られていたでしょう。 しかし、実際は7五歩を同角と取らず香得を急いだばかりに、上手に玉頭戦に持ち込まれ、結局上手の猛攻を支えきる事が出来ませんでした。 終了図を添付しておきます。 全体的な印象として、まだお若いのに慌てることなく、随分落ち着いた指し回しをされ、指し手自体も実にしっかりしていました。 今回の将棋でも受けに回るまでは、特にこれと言った悪手はありませんでした。 今後の課題としては、受けに回った時に受け切る覚悟で、腰を落としてじっくり考えることが必要かと思われます。 最後に、Sさんが今後は棋譜を残したいとのことでしたので、Sさんの向上心のために私がエクセルを使い棋譜を作成することを約束しましょう。 USBメモリーに落とすかメール他の方法でお渡しすることになると思います。 将棋 Mon, 02 Sep 2019 18:35:18 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 将棋界の裾野の広がりと将棋ソフトの今後について https://cyta.jp/shogi/b/91888 <br>今まで私が投稿したブログの内容を通して、私が将棋に向き合う熱意が伝わったでしょうか。 初心に戻って、私がこのブログを始めた目的は、以前のブログにも書いた通り、一人でも多くの生徒さんに来ていただくことです。 そして、将棋の持つ奥深さ、楽しさを伝えたいことに他なりません。 岐阜県在住なので、今のところ対象の生徒さんは岐阜県在住の方に限られてしまいますが、近日中に愛知県の一部まで対象範囲を広げようと思っています。 講師の立場としては、先ず第一に生徒さんの希望に沿う様にと心掛けます。 将棋が強くなりたいと希望するのであれば、先ずは駒落ちから始めたいと思います。 駒落ちが上達への最短通路であることは、以前のブログに書いた通りです。 何も知らない初心者の方であれば、将棋のルールを教えた上で、八枚落ちがスタートラインになります。 将棋を指している最中でも、「その手は悪手だから、こう指した方が良いですよ」と教えることもあります。 純粋に将棋を楽しみたいと言うのであれば、平手で指す事も全然問題ありません。 性格はいたって温厚です。 親切・丁寧をモットーに、分かり易く生徒さんには教えようと思っています。 もし、今後生徒さんになられる方は、何卒よろしくお願いいたします。 さて、テーマに戻りますが、藤井七段の台頭のおかげで、テレビを筆頭にメディアにも数多く取り上げられ、将棋人口は大幅に増えたと思います。 藤井七段の様になりたいと言うことで、小中学生が多いのかな。 それに加え、女流棋士の数も以前とは比較にならないくらい増えました。 当然ながら、女性の将棋人口も増加の一途だと思います。 裾野が広がることは非常に喜ばしいことです。 その裾野の頂点に君臨するプロ棋士が今ソフトの猛威にさらされています。 電王戦でのソフト圧勝を受けて、既に最強ソフトは名人に角を落とすレベルに達しているとか、真偽は不明ですが。 渡辺二冠が2016年の雑誌インタビューで興味深いことを言っていたので紹介します。 「将棋というボードゲームには“解がある”ということはもう認めざるを得ないと思う。そしてその解は、コンピューターソフトには分かっても人間には分からないんです。」 そして、こうも言っています。「そもそもソフトにかけると全ての戦法の結論は“先手良し”なんです。」 この当時の千田翔太五段(現七段)が「ソフトの申し子」と言われ勝率八割を誇っていたのは、そんなところに要因があるのかも知れない。 日進月歩のコンピューターの世界で、今後将棋界はどう変わって行くのだろうか。 私のブログは本日で計9件に達しましたが、取敢えずこれで一区切りとさせていただきます。 また、いつの日か再開できることを楽しみにしています。 将棋 Wed, 31 Jul 2019 20:33:57 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 長編詰将棋に見る美しさと奥深さ https://cyta.jp/shogi/b/91866 <img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/7/30/54304/120.jpg" alt="" /><img src="https://cyta.jp/p/image/card/2019/7/30/54305/120.jpg" alt="" /><br>今まで将棋を指していて、最大の衝撃は、「将棋図巧」との出会いでした。 「将棋無双」と並び詰将棋の最高傑作とされています。 図巧の第何番かは覚えていませんが、将棋友達が実際に盤に並べてくれて、初手から詰み手順を追っていったのですが、初めて目にする、その複雑さ、優雅さ、奇妙さ、奥深さに感銘をうけました。 40数年前の話です。 通常の将棋とは異質なものでした。 プロと詰将棋愛好家では、知らない人がいないくらい有名ですが、アマチュアの方には、知らない人も多いと思いますので、ざっと説明することにいたします。 現に私も、この存在を知ったのは四段になってからで、遅い方でした。 このブログを書くにあたり、知識が曖昧だったので、ネットで「将棋図巧」のことを調べたりもしました。 どちらも江戸時代1700年代の作品です。 「将棋無双」の計100番が伊藤宗看の作で、「将棋図巧」の計100番が13歳年の離れた弟の伊藤看寿の作とされています。 別名「詰むや詰まざるや」とも言われ、図巧の73番が不詰めとのことです。 当時は、書物か伝え聞く位でしかこの存在を知る術がありませんでしたが、今の世の中 便利になりました 無双の第一番から図巧の第百番までの計二百題が縦一列の動画で見ることが可能です。 しかも解説付きです。 興味のある方は、是非ご覧ください。 サイトを貼り付けることはできませんでしたが、YouTubeで「将棋図巧 第一番 鑑賞とおおまか解説」と検索すれば見ることができます。 図巧の中でも超難問が8番の41手詰め、最高傑作が1番の69手詰めと言われています。 そして、特に有名なのが、後ろの3つで、98番、99番、100番です。 それぞれ特徴があって、98番が盤上に玉一枚しか置いてなくて、それを数枚の持ち駒で詰ますもの。 99番は煙詰めとも呼ばれ、盤上39枚の駒が駒を動かす毎に消えて行き、最後は詰ますのに必要な最小駒数の3つだけになってしまうもの(詰む前後の写真を添付しておきます)。 最後の100番は611手詰の大作で別名「寿」とも呼ばれています。 昨日、今日とYouTube動画で3回この100番を鑑賞しましたが、実に奥深く、ただただ感嘆するのみです。 玉の動きが独特で、ずっと龍に追い回され続けるのですが、その動きが実に規則正しい。 山の頂上まで登り、そして最下段まで下り、そしてまた登り、また下りの連続ですが、玉の動く軌道が殆ど変わらないのです。 まるで、平仮名の「へ」の字を繰り返し描いている様にも見えます。 一定の法則があって、最初の数百手は同じことを繰り返している様にも見えます。 実際は、僅かずつ変化しているのですが。 詰ます側の持ち駒にしても、最初の数百手は規則正しく、増えたり減ったりします。 最初に持ち駒が歩4枚だったのが、桂馬が1枚、2枚、3枚、4枚と徐々に加わり、その代わりに歩が1枚ずつ減っていく。 また、途中で銀が持ち駒に加わったりしますが、これもどちらかと言うと規則正しい。 難しい言い方をすれば、図巧第100番は龍追い+と金剥がし+持駒変換で構成されているそうです。 詰将棋作家が最も頭を悩ませるのは、余詰の解消ではないでしょうか、推測ですが。 ルール上、持ち駒を全部使い切らなければならない。 これには、大変な労力が必要で、大きな足かせになっていると考えます。 この作品を見た時に、作者はどんな頭の構造をしているのだろうか、天才に違いない、と誰もが思うことと思います。 ましてや、看寿がこの100番を作った時の年齢が僅か13歳と言うではありませんか。  「マジかよ」 私が13歳の時と比べて、何て考えることは止めた。 プロならば頭の中で、この様な長手数の詰将棋も解くことができます。 実例として、羽生九段は、6年掛けて無双・図巧の200題を解いたそうです。 因みに今日までの詰将棋の最長手順は、橋本孝治氏が1995年に詰将棋パラダイスに発表した1525手詰です。 これも、鑑賞しましたが一定の法則があり、明らかに無双・図巧の影響が大きいのが良くわかります。 もう一つ余談として、AIが時の名人に2連勝するなどして人間を凌駕していますが、詰将棋界ではまだまだ人には敵いません。 確かに実戦における詰みを解くのはずば抜けて早いですよ。 しかし、創作詰将棋は5手詰めがやっととのことです。 しかも、べたべた駒を並べるだけの。 今、これを書いて思ったことは、無双・図巧の200題全て鑑賞してみたい、目で追うだけでいいので。 将棋 Tue, 30 Jul 2019 20:27:48 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄 将棋の格言と定跡の変遷 https://cyta.jp/shogi/b/91836 <br>昔、荻窪の将棋道場に通っていた時期があり、そこでアマチュア強豪の三上博司氏と知り合いました。 その当時、三上氏はアマチュア名人戦に出場し、決勝まで進出しました。決勝戦ではある作戦を持って臨まれました。 それは、相手の得意戦法が振り飛車であることを熟知した上での作戦でした。 三上氏が先手、相手が後手で、初手・2手目に角道を開け合う展開になり、3手目にいきなり、1手損覚悟で角交換をしたのです。 相手の方も驚かれたと同時に動揺したと思います。 その作戦がまんまと嵌り、相手は自分不得意の居飛車での戦いを余儀なくされ、三上氏が見事に優勝されました。 その頃は「振り飛車には角交換を狙え」と言う格言があり、角交換は振り飛車側が不利との考えが一般的でした。 但し、升田式石田流は例外です。 従って、相手強豪もその格言に従って、敢えて振り飛車で押し通すことはしなかったと思います。 私を含む他の振り飛車党もほぼ全員が、この格言に従って、序盤での角交換は避けていました。 ところが今はどうでしょうか。 振り飛車側が飛車先の歩は平気で交換させる、更には角道を開けたままにして、敢えて角交換を誘うのはざらです。 昔なら考えられなかったことが、今現実に起こっています。 そこに至る経緯に付いては、私が将棋から離れている期間が長かったので、今は理解できておりません。これから探って行こうと思っています。 次に定跡に付いても触れておきます。 最近、藤井七段が指した将棋からです。 相居飛車で、藤井七段が飛車先交換をし、横歩を取った局面が生じました。 実は、これと同じ局面がそれまでの定跡では、横歩を取った側が不利と結論付けられていたのです。 何故ならそのことで、2筋の桂頭に弱点が生じ、歩打ちが受からなくなり、桂損が生じてしまうからです。 この時点で、桂損した側が不利であると定跡では結論付けられ、それ以降の検討は打ち切られていました。 しかし、藤井七段は敢えてその順に踏み込みました。 桂損覚悟で横歩を取ったのです。 その後の展開で、藤井七段が2筋に飛車を戻し、次に歩成りを見せる垂れ歩を狙ったのですが、相手が歩切れなのでこれが受け辛い。 桂馬と歩の交換は、必ずしも桂馬を手に入れた方が良くならない。 これはAIの考え方から来ています。 藤井七段もAIに関しては、相当突っ込んで研究している様なので、考え方もAIに近いと思われます。 格言も定跡も時代と共に変化していくんだなあ、と感じさせられる今日この頃です。 将棋 Mon, 29 Jul 2019 07:03:33 +0900 将棋教室::昌雄の将棋教室 熊崎 昌雄